東京学芸大学附属竹早小学校×コクヨ「しゅくだいやる気ペン」による共創授業実施レポート
~ 現役小学生の発想を取り入れた共創プロモーションを実施 ~
しゅくだいやる気ペンは、竹早中学校とともに行った、4コマ漫画を使った「体験デザイン」授業に続き、公教育の変革をめざす「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」の一環として、東京学芸大学附属竹早小学校(以下、竹早小)6年生と、共創授業を行いました。約3か月の活動の中で、小学生の子どもたちがIoT文具「しゅくだいやる気ペン」のプロモーション業務を担当しました。
コクヨからウェブプロモーションの機会を提供し、子どもたち自身が身の周りの大人たちへのヒアリングを通して「しゅくだいやる気ペン」ウェブ広告のキャッチコピーを創作しました。さらに、作品をクラス全員で推敲し、実際にウェブメディアに広告として流すという社会実装までのプロセスを実施しました。
■しゅくだいやる気ペンを知っていたのはクラス2~3名、からのスタート
2022年4月に行った初回授業では、「しゅくだいやる気ペンの開発ストーリーや特徴の紹介」および「ウェブメディア広告の特徴紹介」を行いました。今回活動した2クラス共に、「しゅくだいやる気ペンを知っていますか?」の問いに手を挙げてくれたのは2、3名程度でした。しかし、しゅくだいやる気ペンが誕生するまで決してスムーズな道のりではなかったことや、とことんユーザーに寄り添いながら製品開発を行ったこと、昨年製作したテレビCMの話などをしていくうちに、子どもたちの目がだんだんキラキラしていきました。授業が終わる頃には、「一緒にキャッチコピーを考えてくれる人?」の問いに、皆さん輝く笑顔で手を挙げてくれました。😊
■キャッチコピー作成に向けて、子どもたち自身でのリサーチ活動📝
次のステップでは、「キャッチコピー作りのコツ」をテーマに授業を行いました。メモ帳を学校外でも常に携帯し、身近にあふれるキャッチコピーを見た時に感じたことや、ふとした時にひらめいたことをどんどんメモして溜めていくという、しゅくだいやる気ペンメンバーも日常的に取り入れているアイディア集めの過程を経験してもらいました。また、子どもたち自身が、「身の回りにある子ども向け商品のキャッチコピー」や「周りの大人に聞く印象に残っているキャッチコピー」のリサーチも行いました。その後の授業では、みんなが集めてきた情報をベースに、どんな点が記憶に残るポイントなのか、工夫されている点はどこなのか、テレビとウェブでは何が違うのか、などの議論を行い、キャッチコピー作りに向けたポイントを学んでいきました。
■いざ、子どもたちのウェブ広告を世の中へ!✨
5月末、竹早小で子どもたちによるキャッチコピー発表会が行われました。皆さん、これまで学んできだキャッチコピー作りのコツや、しゅくだいやる気ペンの特徴を元にキャッチコピーをブラッシュアップさせ、そこに込めた想いとともに、一生懸命発表してくれました。
2クラス分のキャッチコピーから、子どもたちによる人気投票、コクヨ目線での選定を行い、10作品をウェブ広告に流しました。結果、既存の商品キャッチコピーよりもクリック数が高い作品もあり、しっかりとターゲット顧客に届いていることが確認できました。
■結果共有会🏫
竹早小の2学期がスタートを切る8月末、2クラス合同での結果共有会を行いました。活動開始当初、竹早小としゅくだいやる気ペンで授業内容を練っていた際、先生から「子どもたちには、しっかり現実を見せてあげたい。大人が作り上げたゴールでは子どもたちは本気になれないし、満足しない。一方で企業側がボランティアになることなく、お互いにメリットが得られるような内容にしましょう!」という熱い言葉をいただいておりました。そのため子どもたちには、実際のターゲットである小学校低学年の親世代である、35-44歳が広告をクリックした、嘘偽りのない数値を一覧で公開しました。また、男女別・世代別でクリックする広告にも差があること等、ここまで考えて考え抜いてきたワードがどのように人の心に届くのか、できるだけ伝わるようにしました。共有会では、夏休み明けの子どもたちが、少し前のめりになりながら真剣な眼差しで聞き入ってくれた姿に、私たちの胸にこみあげてくるものがありました。🥺
今回の活動を通じて、しゅくだいやる気ペンチームは、改めて沢山の気づきを得ることができました。しゅくだいやる気ペンを一言で伝える難しさ、子ども目線だからこそ生み出せるワードの秀逸さetc・・・。何より、竹早小の子ども達や先生方が、それまで聞いたこともなかったしゅくだいやる気ペンに、ここまで真剣に向き合ってくださったことには、どんなに感謝してもしきれません。本当に、どうもありがとうございました。
しゅくだいやる気ペンチームは、今後も子どもたちをハッピーにできるような活動を続けてまいります!
■活動を通しての子どもたちの感想💬
スーパーなどで見かけるお肉や牛乳パックに書いてあるキャッチコピーに、どのような生産者の思いが込められているのかなどを、考えることができるようになりました。将来キャッチコピーを作ることがあるなら、経験を活かしたいです。
実際にやってみて、大変さを知りました。沢山時間をかけた末、いいものができると学びました。客観的に考えて、興味を持つかどうか?を考えるのが難しかったです。
東京学芸大学附属竹早小学校 主幹教諭 山田剛史氏より
今までもゲストティーチャーを迎えた授業はありましたが、今回の「やる気ペンのキャッチコピー」の授業は雰囲気が違いました。6年生が考えたキャッチコピーを発表するときには、コクヨの方々が真剣に耳を傾けメモをとる姿。教える人と学ぶ人という関係ではない、「共創」している関係が伝わってきました。結果を伝えていただいたときも、子どもたちはお世辞を言われている感じはなく、本当の仕事体験をしたと感じられたようでした。このような開かれた社会体験の機会を与えていただきありがとうございました。
【未来の学校 みんなで創ろう。プロジェクトについて】
東京学芸大学、東京学芸大学附属学校(竹早地区)の現場教員とNEC、コクヨ、内田洋行、博報堂などの企業および岡山県津山市、岩手県山田町、その他の教育委員会が密に連携していくことによって、構想をすぐに学校や授業で実験していくことに取り組みます。日本初の産官学連携の学校システム改革チームの誕生です。誰もが「好きに、挑む」ことができる未来の学校モデルの開発に挑戦することがテーマです。この取り組みを通じて、日本の既存の「学校像」を抜本的に変革していきます。