『BLACK(2006)』レビュー
『BLACK』は2006年に発売されたFPSです。
あらすじ:ある場所である人物に尋問される主人公。主人公は質問に答える形で、過去に参加した極秘作戦の詳細を明かしていく。
古き良き?現代戦FPS
2007年に発売された『Call of Duty 4』は、現代戦FPSの歴史を変えたと言っても過言ではない一作です。
シングルプレイの方では、ハリウッド映画さながらの演出をたっぷりと取り入れたキャンペーンが高く評価され、他のFPSでも、CoD4を意識したようなストーリー手法が採用されていきました。
『BLACK』は、そのCoD4の前年に発売されたFPSです。
したがって、CoD4的なお約束に則っていないのは当然として、それ以外の部分も、CoD4以降のFPSとは色々と勝手が違うわけですが、それでも良い現代戦FPSです。
FPSとしては、銃を手に敵をどんどん倒していくタイプのFPSです。CoD4だと仲間と一緒に建物に突入したり、ひっそりと行動したりなど、様々な演出が差し込まれますが、そうしたものはなく、シンプルに撃ち合いに重きを置いたFPSです。
その撃ち合いは、かなり良い方です。
敵の挙動や操作性などは相応に時代を感じさせますが、銃声や撃つ感触は良好で、ただ撃っているだけでも楽しいです。敵も良い意味でオーバーリアクションリで、倒していて気持ちが良いです。
また、このゲームは破壊にも力を入れているゲームです。
壁を破壊したり、大爆発を引き起こしたりと、大暴れできるように作られていて、それも射撃の楽しさに繋がっています。敵が隠れた先や待ち構える場所には、「撃ってください」と言わんばかりに爆発物が用意されているので、どんどん爆発してやります。
あと、ステージもそれぞれ特徴があります。
ステージは全部8個と少ないですが、敵が巡回する夜の森や、スナイパーが待ち構える墓地など、シチュエーションが多彩で、プレイのモチベを上げてくれます。一部ステージでは、ステルスプレイが推奨(強制ではない)されたり、複数の進行ルートが用意されていたりなど、”味変”もあり、こうした飽きさせない工夫は印象が良いです。
難易度と操作方法
ゲームの難しさについても触れておくと、FPS慣れした人であれば、特に問題なく遊べるであろうバランスです。
体力は回復アイテムで回復させる方式ですが、よく落ちていますし、こちらのダメージに合わせて回復量も調整されているようで、ギリギリの戦いになることはほとんどありませんでした。
また、本作では操作方法をカスタマイズできるので、昔の操作スタイルに無理やり合わせる必要もなく、これも遊びやすく感じます。
自分で再設定すれば、今の「コール・オブ・デューティ」に近い操作スタイルで遊ぶことができます。
逆に注意点としては、チェックポイントの間隔が長いことと、エイム時の動きが直感的ではなく、少し独特で、ここは慣れる必要があることが挙げられます。この辺りは昔のゲームと言ったところです。
総評
本作は、「Modern Warfare」と比較しても良い現代戦FPSです。
派手な爆発と破壊、耳に響く銃声、敵のリアクションなど、肝心のシューティング面がよく出来ていて、昔のFPSに耐性があれば、今でも十分楽しめる一作です。
ただ、FPSとしては面白いですが、ストーリーは、「んじゃ、今からケリを付けていくか」というところで終わるので、先の展開を楽しみに遊ぶことはしない方が賢明です。ストーリーに関しては「Modern Warfare」の完勝です。