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時代とともに変わるもの、消えるもの

最近、身につけるものに関心が向いています。
といってもファッションではありません。
服装で職業が大凡おおよそわかるユニフォームの類。
何回かにわけて書いてみようと思います。

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少し前の看護師のイメージは、「白衣の天使」ということばが表しているように、白いワンピースに白いナースキャップ、白いストッキングでした。
まず最初に取り上げるのは、幻となったあのナースキャップ。

私が看護師になる昭和の時代は、戴帽式たいぼうしきというのがありました。
看護学校の3年生になり本格的な実習が始まる前に、先生からキャップを被せてもらうのです。(それまでは、頭を怪我をしたときに巻くような三角巾を使っていました。💦)
キャンドルに火をともし、ナイチンゲール像の前で看護師として生きていくと誓うのです。

我はここに集いし者達の前に、これを厳かに神へ誓わん。
我が生涯を清く過ごし、我の任務つとめを忠実に尽くさんことを。
我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ。
悪しき薬は用いず、また知りつつこれを人へすすめざるべし。
我は我が力の限り、わが任務の標準しるしを、高くせんことを努むべし。
我が任務にあたりて、取り扱う私事のすべて、我が知り得たる一家の内事のすべて、我は一切洩らさざるべし。
我は真摯に医師を助け、我が手に託されたる人々の幸のためにこの身を捧げん。

ナイチンゲール誓詞

戴帽式が終わると、ナースキャップは看護師の象徴と誇りとなりました。
これをかぶっているときは、いつでも心は看護師です。

ところが、1970年代から諸外国で、1980年代になると日本でもナースキャップを廃止する動きがでてきました。
理由は、看護師の誇りだったはずのキャップがホコリだらけだと言われるようになったからです。
というのは、半分冗談で半分はホント。

ナースキャップは綿の布を中表に縫い合わせ、固く糊付けされてあの形を作っていました。
↓↓ 分解するとこんな形だったのですよ。

左:展開図 → 右:組み立て後

毎日取り替えるわけではないので、この糊が細菌の栄養になって繁殖する。それは感染予防上好ましくないとされたのです。
その他にも、キャップがカーテンに引っかかったり、人に当たったりして機能的ではないし、まずもってジャマ!。
徐々に増えてきた男性看護師にはそもそもキャップがないじゃないか!とか、さまざまな意見が上がり、あっという間に世界中からナースキャップが消えました。

廃止された当初は頭がスースーして物足りなくて、落ち着かなかったのを覚えています。
私は前髪をカチューシャ代わりにキャップで止めていたので、髪の処理がめんどくさかったなぁ。

古い映画やドラマでナースキャップを見ると、ホント懐かしい。
キャップのつける位置でその人の個性がわかったり、大きいのが好みの人、見えないぐらいちっちゃいのを被っている人いろいろでした。
看護婦長(あのころは婦長だった)は赤い線が入って貫禄を示している病院もありましたね。

時代とともに考え方が変わり、身につけるものも変化します。
今は感染対策のために髪全体を覆う手術室でかぶるようなディスポの帽子をかぶっている時間が多くなりました。

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タイトル画像は”柿葉”さん! そう!私が描いてみました~。
わーい、パチパチ。👏😁👏
途中の挿絵も私が描いたよー。


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