武者震いのBGMはスタンドFM
ついに父が試験外泊をすることになった。
約2ヶ月ぶりの我が家である。
明日からはじまる予測不能な生活を前に大きな深呼吸をひとつ。
***
意識を取り戻した瞬間から「家に帰りたい」と言ってきた父。
なだめすかし、治療とリハビリを頑張ってもらい、やっとここまできた。
転院から1ヶ月経って面会した父は、玉手箱を開けたようだった。
これまでが年齢よりかなり若く見えていたので、年相応になっただけだが。
「一度でいいから連れて帰りたい。」と主治医に話すと
「試してみましょう。今の状態なら7割ぐらいいけるかもしれない。」と言ってもらえた。
帰ってみなくてはわからない。
俄然元気を取り戻すのか、やっと戻ってきたと安堵して旅立つのか。
老夫婦2人の生活が可能なのか。
介護者がいなくてはどうにもならないのか。
家に帰ると、父はもう二度と病院に戻るとは言わない気がする。
そのまま、退院の形を取らざるを得ないかもしれない。
しかし、退院は退路を断つという意味でもある。
介護認定も受けていない状態で、家族だけでやっていけるのか。
職場には、もしかしたらしばらく休みをとるかもしれないと言ってきた。
仕事の段取りもつけてきた。
介護休暇の書類も一応もらってきた。
ただ、我が家にはもうひとり、気になる存在が。
難病を抱えるオットくんを長期間一人で置いておくのも気がかり。
愛情の分配が難しい。
いや、愛情のものさしと受け取られがちないっしょにいる時間の分配が難しい。
時間にして90分の距離。
身体はひとつ。
不安というより武者震いに近いざわざわした気持ちでここ数日を過ごしている。
そんな私の気持ちをほぐしてくれているのが、ゆうべも書いた奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家さんのスタンドSF。
今日は、最初から流しながら、明日の準備をしていた。
笑ったり、うなづいたり。
まだ1ヶ月分ぐらいしか聞けてないけど。
十分にリラックス効果があって、こういうのいいな、と思う。
さりげない夫婦のやり取りだけど、見知らぬ土地の見知らぬ誰かが癒やされているってステキだと思う。
それこそ、今の時代ならでは。
じょーじさん、ゆかりさん、本当にありがとうございます。
タイトル画像は”yukiko”さんにお借りしました。
「武者震い」で検索したら、唯一でてきた画像です。
梅雨明けの空だそうです。
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