柿ノ木

本を読んだり料理を作ってばかりいます🍳 音楽と長い散歩が好きです🐨

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最近の記事

ノートのないラトビア旅

旅先で手に入れた博物館や映画館の印刷物をしまっている箱の中に、何冊かノートが入っている。それを開くと、旅先で書いたであろうメモだとか落書きだとかが日付と共に載っている。 旅行のことを振り返る時は決まってスマートフォンの写真を用いるけれど、紙とインクもなかなか負けていないと思うのは、僕だけだろうか。 素敵な風景、美味しそうな料理、観光地の無邪気な人々、記念の自撮りなど、写真は旅のポジティブな側面を担当することが多い。 一方で、暇つぶしだったり美しさも何も追求せず書かれた走り書

    • 聴き耳と暮らす / Phil Smith – Tagebuch

      レコード店のガラス越しに偶然それを見つけた時、しばらくの間目が離せなかった。 買ったばかりのアイスコーヒーを少し飲み、小さい字のキャプションに目を凝らす。「詩集付き」と書かれているのは間違いじゃない。それを確認するだけなのに、1分はかかった。 どこかで見たことあるような気がして、色々と考えていたからだ。 もう一度、視線を戻す。 窓辺に渡された1枚の布、タイルの上の物言わぬ調度品や植物。真ん中にあるのは、薄暗いと思って眺めると明るさが満ちてくる不思議な写真で、絞られた布の下に

      • 続けていきたい料理

        水揚げされたばかりの鰯を、漁師が手に取って眺めている。 ピンと張った体に船のライトが照り返して、一仕事終えたような落ち着きと高揚を思わせた。 スーパーで見るものよりずっと大きい。これが東京に流通するのかと驚いていると「泳いでいない魚は小さくなる」と誰かが冗談で言った。 自炊を始めたのは、一人暮らしをしていた時だ。週一回食費節約のための作り置き。それが週三回になり、今では楽しくてほぼ毎日作っている。 今の家の近くには八百屋や魚屋があって、季節が変わると食材の顔ぶれも変わってい