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#8ぶどう山椒の夜明け「引き継がれる想い」

7月初旬から有田川町では「乾燥山椒」の収穫が始まり、例年8月の中旬頃まで収穫が続きます。この時期の山椒は、収穫後に各農家で乾燥させて出荷するため「乾燥山椒」と呼ばれ、主に粉山椒の原料として使用されます。

粉山椒のおすすめの使用方法を「山椒塩にして、ヤキトリ、トンカツやアイスにかけると美味しい」と教えてくれたのは、白藤久明(しらふじ ひさあき)さん。

白藤さんはぶどう山椒農家の4代目として、ご両親とともに農園を営んでいます。陶芸家でもある白藤さんは、全国の陶芸イベントに出展するなど作家としてもご活躍されています。

強い日差しが注がれる園地で、黙々と樹に向き合う白藤さんですが、幼少期、山椒の収穫が好きではなく、作業の手伝いを避けていたのだとか。
高校卒業後、陶芸家の道に進むため、短期大学へ進学。卒業後は北海道にあるペンションで陶芸体験の提供を通して腕を磨き、23歳で同町へUターンされました。

地元に帰った白藤さんは、陶芸家としての創作活動を続けていくなか、自然と山椒の作業を手伝うようになったそうです。園地での作業は、雄大な自然環境に身を置くことになるため、陶芸家としての感性に好影響をもたらすのだとか。
当時を振り返り「気付けば、白藤家が代々大切にしてきたものを引き継ぐ体制が整っていた」と話します。

今後、白藤さんが望む産地の未来について伺ったところ「自分の代では山椒の植え替えなど園地の基礎をつくる役割になる。この園地を子どもたちの代が引き継いでくれれば」とにっこりと語ってくれました。

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