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ぶどう山椒と共に歩んだ5年間

はじめまして。
ローカルで頑張っている人を応援しています。
普段は地方公務員っていうのを生業にしてます。
一時県外で就職をしましたが、「ぶどう山椒」という聞いたことがない産物と出会い、その魅力に惹きつけられて和歌山県の小さな自治体に転職しました。


なんやかんや業務を経て、2017年から和歌山県の遠井村という地域が発祥の「ぶどう山椒」という山椒の一種の振興に携わり、2022年で6年目を迎えます。

山椒と聞くと、和のイメージが強いかもしれません。
でも日本古来からの香りのため、フレンチやスウィーツでの利用、ジンやビール、アロマオイルへの使用など用途拡大はすごいことになって、市場ニーズも年々高まっています。


5年先に産地消滅する未来

日本屈指の大産地は和歌山県有田川町の清水という地域です。
農家の平均年齢はなんと80歳。後継者はほぼいません。
清水地域は山間地であり、いわゆる条件不利地域です。
S55年に6,700人いた人口はR3年に2,600人と60%減。
どの地方も共通でしょうが、どんどん都市部に人が流れていきました。

農家の年齢からも、あと5年で消滅する産地。
いま産地は大きな転換点を迎えています。

産地を未来に残すための〝人〟

行政職員という立場から、あらゆる取り組みをして、今のぶどう山椒の産地に一番大切なのは〝人〟だということがわかりました。

今の現役農家に頑張ってもらいつつも、これからの産地をつくる新たなチャレンジャーをどんどん引き寄せなければダメです。

問題は、誰もが簡単に農業を始められないこと。
というのも、「これから農業をやるぞ!」って人は所有者から農地を誰かから借りるか買うかしないとだめ。
一方、所有者は先祖代々の土地を「何処の馬の骨かわからんやつに貸したない!」というのが本音。
山椒、みかん、りんごなどの樹木の場合、貸した人に何年もかけて育てた樹を枯らされる可能性があるので、なかなか農地の流動化がうまくいってません。

そもそも外部と産地や地域との関わる仕組みもありません。
仕事で無理やりにそんな機会を設けたこともありますが、どれだけ頑張って外部と地域の調整に奔走しても、結局私は行政職員でしかなく、どう頑張っても産地や地域のプレーヤーにはなれないことを痛感しました。
その一方で、未来の産地をつくっていくのは、地域住民にその気になってもらうことが重要であり、その人たちが前を向いてくれればまだ明るい未来があると確信しました。


何をしていくのか

本業としてぶどう山椒に関わることはもちろんですが、これから頑張ろうとする気概のある人、すでに走り出しているが更なる高みを目指す人に寄り添い、同じ視点に立って伴走支援することだと思っています。
なかなか仕事の範囲ではできないことなので、プライベート中心にあれこれ働きかけてその人たちをぎらぎらに輝かせたいと思ってます。

そこに住む人たちが光を放てば、人は自然に集まってくるものだと思っています。


《 いまやってるサポート 》

■ぶどう山椒の発祥地「遠井村」を後世に残そうと奮闘する農家

project_toi

■地域で唯一の子育て世帯であり、ぶどう山椒を生業に山村でも暮らしていけることを体現する若手農家

きとら農園

■「美味しさ」の定義を誤魔化しのないシンプルな植物の組み合わせで表現するシロップクリエイター

BOTANICAL SYRUP  草譯(くさわけ)
 (GIN専門BAR「KINO」のブランド)

 ※ ぶどう山椒とは無関係



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