【アニメ】SYNDUALITY noir/シンデュアリティ ノワール/第18話「Beyond the sky」感想
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皆様こんばんは。
本記事は臨時投稿の【アニメの感想】です。
かけうどん一押しのロボットアニメ『SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ・ノワール)』第18話の感想です。
サクッと読みたい方は、すぐ下にある第18話あらすじ/簡易版に短くまとめてあります。より詳しい内容を知りたい方は、2項目以降をお読みください。
…今回は本当に、前回にも増して悲しくも切ないお話でした。
本作品に関する記事はこちらの特別マガジンにまとめてます。かけうどんオリジナル描き下ろしイラストも収録してます。
第18話あらすじ/簡易版
○トキオはアメイジア崩壊1年前に同地で生まれた子供。アメイジア復興組織に一時期所属するも、自らの意思で10年前に旅立つ。マハトやヴァイスハイトは楽園にたどり着くことで再び人類が地球上の覇権を握る時代を取り戻すのが目的。
○シエルの真のマスターはヴァイスハイト。(野良メイガスはウソ)シエルはこれまでに、主の命令で何度も初期化をされてきた形跡があり、過去に繋がりのあったトキオやムートン、シュネーたちのことを忘れている。
○ヴァイスハイトの真の目的は『メイガスなき世界の構築』。気象制御衛星の暴走によってもたらされたブルーシストが人類の天敵であるエンダーズを生み出し、その再来にもなるのがメイガスの存在であると言うのがヴァイスハイトの考え。しかし、トキオは真っ向から逆の意見と意思をぶつける。トキオはカナタを上手く脱出させ、ヴァイスハイトをイストワールには絶対近づけないと誓う。
○カナタを抹殺せよと命じられたシエルだったが、どうしても命令を実行できない。シエルは(ヴァイスハイトの思惑通り)カナタに連れられてイデアール脱出を図るものの、最後はヴァイスハイトの計略で初期化される。しかし、ヴァイスハイトの企て(=再起動直後にカナタを抹殺する予定だった)は実行されず、シエルは眠ったまま。恐らく、カナタが欲していたゼロ型メイガスの身体を、自らが犠牲になることで差し出したものと推察。
1.本アニメの概要
未来の荒廃した地球でたくましく生きる若者たちの冒険ストーリー。
描写がリアルかつストリー展開のテンポも良いロボットもの。
綺麗、可愛い、カッコいい、個性的なキャラクター。
ロボットアニメの『王道』を『全部盛り』、見所がたくさんあって、見てて楽しいアニメです。
(1)第1クールのおまとめ動画
(2)第2クールPV
(3)第1クールのおまとめ記事
2.第18話「Beyond the sky」あらすじ
今週もノワール/ミステルは出ません。シエル中心のストーリー展開ですね。各小項目のお題は私が勝手に付けているものです。ご了承ください。
(1)冒頭シーン
真っ黒なイデアールの制服に身を包んだシエルがヴァイスハイトの元に帰還。シエルは野良メイガスではなく、ヴァイスハイトがマスターでした。
シエルにねぎらいの言葉をかけつつ、優しくほほを撫でるも、彼女が退出した後、その手を丁寧に消毒するヴァイスハイト。(かなり陰湿な光景)
監視カメラ越しの映像には薄暗い部屋に幽閉されているカナタ。
カナタの傍らには小さなロボットが。
『さあ、皆さん、アメイジア復活のため本日も大いに学びましょう!』そう言って、ロボットが投影した映像には8人の写真入り名簿(成績表?)が。
その中には、ヴァイスハイトを筆頭にトキオ/リヒト、マハト/黒仮面の若き日の素顔が映っていました。
(2)再会
ヴァイスハイトに下がって良いと言われたシエルは退出。廊下には白い仮面に白いタキシード姿のトキオが立ってます。
『久しぶりだなシエル!』
『トキオ?何でここに!?』
シエルの返しに思わず、ずっこけるトキオ。
『俺は通りすがりの白仮面だ!まあいい、付いて来い』
トキオに連れて行かれた先は格納庫。先の戦いで脚部を破損したデイジーオーガが回収されていました。ムートンとトキオ、そしてシエルの手伝いもあって、デイジーオーガは修理されます。
昔の自分達のことを覚えていないシエルに、トキオは『俺はアメイジアで作られた人間だ。10年前にココを出た』と改めて説明します。ムートンも『坊ちゃんが生まれてすぐにアメイジアが崩壊した』とも。
どうやらシエルは、トキオ(リヒト)やムートンがアメイジアにいた頃の事を覚えていない。すなわち”初期化”されているようです。
『これからどうするつもりなの?』
シエルの問いに、『ヴァイス次第だな』と答えるトキオ。トキオも同じ質問をシエルに投げかけますが、『私はいつもマスター次第』と同じ答えをシエルは悲しそうに返します。
(3)暗殺命令
ヴァイスハイトからカナタを56せと命令され、拳銃を渡されるシエル。
ヴァイスハイトは、シエルがカナタを56せば、契約を解除して自由の身にすると約束します。しかし、それは、シエルの中にあるカナタたちとの記憶も全て消されることを意味します。
カナタを56すこと
記憶を失うこと
自由の身になれること
様々な感情にさいなまれつつ、シエルは拳銃を手に部屋を出ていきます。
シエルと入れ替わりにトキオが現れます。
『面白いものを見せよう』と、トキオに向けられたモニターには、カナタに銃を向けるシエルの姿が。
『悪趣味な!』と憤りを露にするトキオ。何のためにこんなことをさせるのかとトキオはヴァイスハイトに詰め寄ります。
気象コントロール衛星の暴走によるブルーシスト(青い雨)で人類が滅亡したこと。
ブルーシストによってエンダーズと言う天敵を人類は自ら作り出してしまったこと。
イデアールはイストワールにたどり着き、再び人類の覇権を取り戻すことが目的であること。
そして、『同じ過ち』を犯さないためにも、『メイガスなき世界』を実現すること。
ヴァイスハイトは自らの考えを全てトキオに話します。
『ムートンやシュネーが俺たちを裏切ると言うのか?』とのトキオの問いに、『メイガス三原則に守られる確証がどこにあるのか?』とヴァイスハイトは更問で返します。
『絆だ!』と迷いなく答えるトキオ。
憤慨した表情のまま、トキオは『ちょっと用事を思い出した』と部屋を出て行きます。
『手短に頼むよ』トキオを見送るヴァイスハイトの眼は全てをお見通しのようでもあります。
(4)脱出
ヴァイスハイトの命令に従い、カナタに銃を向けるシエル。しかし、その表情には迷いが。
なぜシエルのマスターはそんなことをさせるのか。シエルの望みは歌を多くの人に届けたい事ではなかったのか。カナタはシエルの願いを繰り返し説きますが、シエルは『マスターの命令に従うことが自分の幸せ』と思ってもいない事を口にします。
『ならなぜ君はそんなに悲しそうなんだ!』
カナタの核心を突いた質問に、シエルはとうとう涙を流して崩れ落ちます。
(それをモニター越しに冷やかな視線で見つめるヴァイスハイト)
カナタに『助けて…』と本音を漏らすシエル。
カナタはシエルを抱きしめ『こんな所は出よう!一緒にロックタウンに帰ろう!』と力強く説得します。
シエルはカナタを格納庫に案内します。途中イデアール兵士と撃ち合いになりつつも、2人は何とかデイジーオーガの元までたどり着きます。
『(ここまでは、恐らくあの人の思惑通り…)』そう心の中で呟いたシエルは、カナタに今だけ自分をカナタのメイガスにして欲しいと頼みます。少し迷ったカナタでしたが、シエルの申し出を受け入れて、シエルのナブラに触れ”契約の儀式”を形だけでしたが行います。
この時、シエルはカナタに何らかのプログラムを自分にインストールして欲しいと頼みます。(メイガスである自分にはその権限がないため。この行動は後に大きな分岐点へ)カナタは二つ返事で迷わず応じます。
『逃げるしか手はないのか…』
駆動系は完全に復旧しているデイジーオーガでしたが、武器がありません。まだゼロ型メイガスを入手していないカナタは焦りますが、『考えがある。必ず手に入る』とシエル。
そこへ、トキオがジョンガスメーカーで追撃…と言うか、追撃するフリをしながら、地上に出るエレベータにカナタを誘導します。
『俺にしてやれるのはココまでだ…』そう言ってトキオは遠ざかるエレベータを見送ります。
これからどうするのかと聞くムートンに、トキオは『ヴァイスハイトをイストワールには近づけさせない』と断言します。
(5)別れの歌
地上に出たカナタとシエルを待ち受けるマハトとイデアールのコフィン部隊。マハトの投降勧告に、カナタは『できません!』と即答します。
『1分間だけ猶予をやろう…』
マハトがそう言った直後、シエルがメイガス・スキルを発動。周囲の敵コフィンの行動を全て停止させます。
シエルの歌声に涙を流して固まるイデアール部隊のメイガスたち。
シエルのおかげで、デイジー・オーガは間もなくキャリアを置いてあるところまでたどり着けそうに思えたのですが…。
シエルのおかげでメイガスと人間の信頼関係が成立しないことを立証したと、ヴァイスハイトは嬉しそうにシエルに仕込んだトラップを発動させます。冒頭にシエルに『プレゼントだ』と言って彼女の首にかけてあげたネックレス型のデバイスを使い、初期化しようとします。
『君は目覚めると同時に、自分が最も愛した男を自分の手で殺し、また僕のメイガスになるんだ…』首飾りから生じる青白いホログラフの腕がシエルの首のナブラをしめつけ、シエルは初期化されます。
のはずでしたが…。
(6)ラストシーン
陰湿なヴァイスハイトのセリフは虚しく空を切ります。
『なぜ再起動しない?…シエル、何をした!?』
イデアールの格納庫でデイジーオーガに乗り来んだ時、シエルがカナタにインストールしてもらったプログラムが、シエルの右手の小指に指輪状になって光っています。
どうやらこの”細工”がヴァイスハイトの目論見を阻止したようです。
カナタの方を振り返るシエルのホログラフが弱々しく点滅しはじめ、徐々に消滅していきます…。
驚いたカナタはコックピットから飛び出し、デイジーの背面ハッチを開けてシエルを確認します。そこには、目を閉じたまま微動だにしないシエルの姿が…。
カナタは言葉を失います。
3.感想・考察
前に考察で書きましたが、新月の涙は人類自らが招いた災厄であったことが明確になりました。(読みが的中!)
(1)イデアール・チルドレン
トキオが自ら『俺はアメイジアで作られた』と言ってます。
…つくられた?
ちょっと意味深だなと。このすぐあとにムートンが『坊ちゃんが生まれた』と言い替えてはいますが。
公式の設定を読む限りでは、地球規模の大災害後、地下に逃れたごく一部の人類はAIに管理された地下都市で厳格な人口管理を受けていたとも書かれているので、ひょっとしたら新生児の出生率などは厳しく制御されていた可能性は十分にあったのではと思えます。
ここで、どうでも良い話を。
ものすごく短い描写でしたが、冒頭に出てくるポンコツロボットの表示した画面には興味深い情報が詰まっていました。
○全部で8人映っている。
○半分の4人は評価がついていない…もう4んでいる?
○上位3人のトップがヴァイスハイト、評価はオールS。
○2位がトキオ/リヒト、3位がマハト/黒仮面、いずれも2項目A以外全部S判定。
○4番目は殆どがA、登場してないとこをろ見ると、この人も4んでいる?
トキオと黒仮面は双子か兄弟かと思いましたが、苗字が違うようでした。また、コンバットスコアと書かれている数字は、黒仮面>トキオ>ヴァイスの順です。最も戦闘能力が高いのは黒仮面ということでしょうか。
あの、たった1.数秒間のコマを見て、ココに気付けた自分は…正直凄いと思います。自慢させてください(笑)
録画見直せばすぐわかるだろ!とのツッコミはご容赦ください。2回しか見てません(笑笑)
物語全体には何の影響もない話かもですが(汗)
(2)シエルの選択
今回、イデアールからの脱出中、ゼロ型メイガスの入手にこだわるカナタに、シエルが『考えがある』と明言していたのは、最終的に自らの身体を差し出す覚悟だったのかなと。(実はこの流れ、うちの妻は先週の放送時に既に見抜いてました…汗)
本物語には、『メイガス3原則』という概念が存在しますが、アイザック・アシモフ著SF小説で描かれた『ロボット3原則』と少し似ているようで厳密には違うアプローチの解釈が入っています。
それが、『メイガスはマスターと自らを成長させなければならない。』と言う点。最終的に、シエルはヴァイスの呪縛から解放される形にはなるのでしょうけれど、この行為そのものは自らの主に背き反抗することではなく、大切なことを気付かせるための彼女なりのやり方だったのかも知れません。
難しい解釈や考察は文字数の関係上ちょっと割愛しますが、ご了承ください。(書いてて総計8千文字くらいになったため…汗)
4.まとめ
前回もかなり切ない終わり方だったのですが、今回はそれを上回る悲しいストーリー展開でした。エンディングも暗い音楽ずっと流れてるし。
シエルは自らを犠牲にして、ノワールとミステルを助けるための器になったのでしょうか。
もしそうだとしたら、あの透明感のある歌声好きだったんで、もうシエルの歌が聞けなくなるのはとても残念です。何とかならないかなぁ。
ノワールとミステルの『同居状態』も、いいかげんどうにかしてあげてよ!とは思いますが、シエルが消えるなんて悲し過ぎます。
また、最期の別れの歌も悲し過ぎます…。
次回、本作品独特の明るいノリの展開に戻ることに期待したいです。
5.第19話予告
(公式動画配信され次第リンクをはります)
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
メイガスはいつもあなたとともに。