#09 自立と自律
ハイハイをしていた赤ん坊がやがてみずからの二本の脚で立ち上がる。これが「自立」で、自分の脚で立った後、今度は自分の意志のもとに方向づけして進んでいく。これが「自律」といいます。自立と自律には大きな差がある。自立は、能力・経済力・身体といった“外的な”要素による独り立ちなのに対して、自律は、価値観・信条・理念・哲学といった“内的な”要素による独り立ちのことを言っています。
最初から、自立と自律の意味をかいてしまいましたが、あなたは自立できているでしょうか?いやいや、自ら立っているから自立しているよ~。ということではありません。以下の3つの自立があって、自立しているといえます。
まずは、「技能的自立」会社に入社していきなり大活躍できるという人は居ないと思います。それは、その会社や業界で通用する知識や技術が身についていないからです。つまり、技能的な自立ができていない状態です。しかし、年月が経ちその知識や技能を身に着けるだけではなくそれを後輩に教えていく。また、改善していくことができて始めて技能的な自立ができているといえます。ただ、覚えるだけでは自立とは言えません。
次に「経済的自立」です。自分の収入で生計を立てていける。食べていけることです、経済的に親の世話にならずに生きていくことができる。結婚や子供の出産、家の購入などにおいても自分でやりくりができる状態になることです。
最後に、「身体的自立」他者の力を借りないでも、歩ける、食べられる、寝ることができることです。こうした生活を一人で出来るというのも自立に入ってきます。健常者にとっては当たり前かもしれませんが、だれもが不慮の事故などで身体的自立が奪われてしまうこともあります。
「自立」については、社会人となっているのであれば、ほとんどの人は「自立」しているのではないでしょうか?
ちなみに、安田大サーカスのクロちゃんは、20歳から42歳まで、母親から仕送りをもらい続けていると言っています。「月最高25万円」の仕送りをもらい続け、その総額は約6,000万円と言われていますが、いくらお給料を稼いでいてもこれでは自立しているとは言えないですね。。。。
そして、もう一つの「自律」自分で「方向づけ」して行動ができるようになることです。
「律」とは「規範やルール」といった意味である。自らの規範やルールを内に持ち、それにしたがって評価・判断・行動する状態を自律という。律を持つためには、自分なりの価値基準や信条、理念、哲学といったものが当然必要になる。自律はそのように意識やマインドといった領域にかかわるものである。
これは、「あの人の判断はブレない」「あの人は軸がしっかりしている」という人の事。それが「自律」していると言われる人です。「自律」している人には、ついていく人多いです。上の考えでコロコロ考えを考えてしまうような、本人の考えが無いような人には、そのうち周りの人が愛想を尽かす日が来ます。どのような考えの軸を持つのかというのは、その人の生き方にも繋がってくると思います。どんな人生観をもっているのか?そんなことを考えさせられるのが、こちらの書籍です。
<<<ネタばれ注意>>>主人公のコペル君が、自分を守りたくて取ってしまった選択を自分が何を大切に生きていくのかを考え、行動を変える話。「自律」して自分の方向性をしっかり見つけるという話です。
どうでしょうか?「自立」と「自律」あまり気にして使っていなかったと思います。実は、「自立」していると思っていたけど、全く自立していなかったり、「自律」については使っていた言葉ですけど意味を理解していなかったのではないでしょうか?
一人前の大人になるには、「自立」した上に「自律」ができていないとダメだなと思う。不惑のおっさんでした。
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