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180 鈍行で行く ③

KandK.一雄と久美子の夫婦旅。
 ついに二人の列車旅実現。ともに56歳。末娘に一宮駅まで送ってもらい、23時14分発、臨時夜行列車東京行きに乗る。乗客は、半分。
名古屋駅のアナウンスでは指定は満席。
私はすぐに寝にかかる。パパはウイスキー舐め舐め、辺りを見たり暗い窓外を見たり、夜行での人々の寝相百態面白し。
多分夫はほとんど寝なかったのではないか?!
早朝東京より上野、高崎に乗り継ぐ。
いつも思うことだが、夫もやはり、えらい朝早くから結構な人が出てるねって、眠らない大都会である。
両毛線にて桐生へ。モーニングでもと外へ出てみたが、どこもやってない。と言うよりtearoomそのものが無い。
駅そば食べて、わたらせ渓谷鐵道(足尾線)に乗る。
フリーパスなるもの購入。まず終点の間藤まで。時間を図ると、2箇所は下車して見れると踏む。
足尾銅山をと、通洞で下車。銅山観光をする。トロッコで中まで入り、あとは歩いて坑道見学。江戸時代よりの歴史を等身大の人形に見て、よく実感できた。
水沼では駅の温泉があり汗を流す。
露天風呂で会った若いお母さんは、下の子が障害児だそう。本人も施設保母だとのこと。明るい賢い人だった。上の男児とふたり旅だそうで、18切符を教えてあげる。
水沼よりの車中で、ガイドにあった、お焼きを売り子さんが販売。甘みのない、ふきのとうのお焼きを買った。素朴で風味のある美味。
第三セクターの乗務員は、煉瓦色の制服にベレー、おしゃれな服装で、私もカメラに収まった。
山が深くて車窓からの花見は思う存分。時は春。
神戸、今回は下車せず、(清流)と言う、列車レストランがあり、岩魚、山女魚など川魚を食べさせてくれるそうだ。
星野富弘美術館も一見の価値あるそう、情報はこまめに集める。
列車のネームも色々、クロビは、山の名。アカガネは、銅山のことが?!
まずは、わたらせ渓谷鐵道を堪能して、再び高崎へ。午後3時過ぎ。外へ出てみる。大きな駅で夫は驚く。
妻を立たせてパチリパチリ。希望と題した男女の裸像、モニュメントなど見てウロウロ、コーヒータイムはなし。
始発にて水上へ。夕方6時、利根川のほとり、去来荘着。
さて温泉と思ったところへ電話あり。どこまでも仕事は追いかけてくる。
それでも二人、しみじみと夕食を味わった。とにかく24時間温泉OKなので、夫の機嫌の、良いことと言ったら?!
翌日、朝風呂に始まり、タップリした朝食を取り、ゆっくりチエックアウト。費用は安く快適で大満足。
一日とは思えぬ充実した昨日に続き、今日も、いざ!
 宿舎の前のお菓子屋さんでお土産を買う。サービスに一つ、お饅頭をくれたが、ありがたがった私が、列車の中でゆっくりお茶にすると言ったら、では、もう一つとおまけをくれた。
ラッキーと、気を良くして、駅へ向かう途中、橋を渡るところで、そそり立つ谷川岳をみた!雪をかぶる神々しい姿!しばし見とれて、シヤッターを押し、猫の耳を、しっかり目に収める。
3度目の高崎。二人で分担し、私はホームに並び、夫は弁当の買い出し係。
軽井沢行きの娘さん多数。要領良く私は2つ分の席確保。
夫は娘っ子の嬌声にビックリ。大荷物の若い女群団、賑やかなこと!
春霞で、赤城も、榛名も、妙義もなし。トンネルを抜けると、中軽井沢で、どっと、下車して行った。あれは何だったという変わりようで、列車内はしんとなる。
高原を走る列車内でホッとして、だるま弁当を食す。浅間山はなんとか見えた。ずっと沿線の花を愛でつつ戸倉着。
本日のメイン、千曲川を前に、山々が高く広く、なんとおおきな、眺めであることよ!
長い橋を渡り、ガイドには15分とあったが、興奮してパチリパチリ、30分も歩いて上山田温泉街に着く。
駅員にも聞いて確かめたが、共同浴場はないそうだ。がっかりしていたら、川向うの戸倉温泉には2つあるという。歩いても時間が掛かるので、何処か入浴だけできる旅館もあるはずと、聞いてみることにする。
入った所が格調高い高級そうな、しげの家。運の良いことに、開湯100年で4月3日、1から4時まで、上山田のすべての旅館、ホテルが温泉開放、街の人々に無料で入浴してもらう、その時なのだった!
よそ者の私達も、特別にOKして貰え、高級な、総大理石の硫黄泉に、ゆっくり入れたというわけだ。
地元の婦人たちから、よかったねえと言われた私達夫婦、喜びも極まれりだった。
諦めないで一歩前へ。何でも言ってみる聞いて見る精神。夫は、妻の実力に感心仕切り。
帰りに出会った人からは、共同浴場の情報を得る。駅のホームで話した、男性からも、しげの家が高級旅館であることを聞かされた。普通では、風来坊のような私達の出入りするとこではなかったみたい。
長野駅でも、僅かな時間を外に出てみて、
またまたびっくり!オリンピックに向けて、98.2.7。駅の周辺が急ピッチで変わっている。もちろん駅舎そのものも、巨大な近代的建物に変わっていて、たまげた。
大工事を受け持つ人たちの息遣いまで伝わりそうなエネルギーに満ちている。
古いムードと新建築の混在。
篠ノ井線も楽しみで、うきうき。隣り合わせた知的な感じの女性より、沿線の花々の名を次々教わる。長野の人は、長い冬のあと、待っていた春の訪れは殊の外の喜びという。
信州は、梅も桜もみんな一緒に咲く。
姨捨。にほん3大車窓の一つも、今日は靄にかすみ、あの広やかさは雲の中。
松本でも外に出てみた。夫は、この街の雰囲気が好ましいようで、黄昏の街角で旅情に浸る。山も歴史も好きな人は思いも深かったと察しられた。
駅弁買って最終のコース。松本を夕方6時に乗れば一宮へは10時ちょっと過ぎ。
雨の予報も外れて幸い、傘無しで済んだ。夫の夜行初体験は大成功。
ハマった!そうなので、今後が楽しみ。帰宅は10時半。

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