地球と動物と人に優しいチーズケーキ〜リジェネラティブ・アグリカルチャー〜環境再生へ
なかなか買えない、チーズケーキ。
と言っても有名パティシエが作った、というフレコミはない。
オンラインのみでの受注販売になっており、金曜日と土曜日の20:00から限定発売されるのだが、いつもなぜか見逃してしまって買えない。
20:05には気づいたら完売してしまっている。
他の人に聞くと20:00にはもう既にエラーになるらしい。
根気よくまたチャレンジしよう…と思っている矢先に、メール登録している人だけ限定で買える、という企画があったのでさっそくオーダーしてみた。
しかし到着するまで2ヶ月待つ。今は人気が出てさらに半年待ちになっていたからラッキーだったかもしれない。
それは「CHEESE WONDER」。
〜6個入りで2,980円(税込)
https://www.utopiaagriculture.com/products/cheesewonder/
チーズケーキが好きな人なら、新しいモノが好きな人なら、もしかして既に知っているかもしれない。
父と弟夫婦へのお土産に、そして母のお仏壇に供えるために美味しいものをいつも探していてオーダーしたのだけれど、私としてはコンセプトが気に入ったのも理由だった。
この製造元の「ユートピアアグリカルチャー」は地球と動物、そして人に優しい放牧運営をしながら、果たして温室効果ガスがオフセットができるのか、北海道大学と共同研究をしながら活動をしている。
そんな考え方がもはやケーキ屋さんの域を超えているのがおもしろい。
確かに、毎年COPが注目されるように、温暖化防止対策をメインに世界では動いている。
その温室効果ガスの原因として、メタンガスもその存在理由を問われており、また、世界全体の温室効果ガスの18%は畜産業から出ているとも言われている。
世界の畜産・酪農大手20社が排出する温室効果ガスはドイツやイギリスの経済活動で出る二酸化炭素排出量を上回っているそうだ。
世界的に人口が増え、食肉の需要が増えてきている、ということもあるし、工業的な畜産業は牛などへの負担も大きく、環境破壊へとつながるという意見も分かる。
酪農について、ヴィーガンからの厳しい意見も実際あったそうだ。
2018年からリジェネラティブ・アグリカルチャーという、環境再生型農業というものが注目されている。
アメリカでは砂漠化が深刻な問題になっており、その原因は動物が減っていることに起因するという。
本来なら動物達の糞尿が栄養分となり、足で踏み固められ、つまり土を耕すことになり、そこで植物が育つ。そして動物達はその植物を食べ、そして自然に循環していく、その力を農業に活かしていくという考えだ。
このユートピアアグリカルチャーでは、森林を切り拓いて牧草地を作るのではない。まだ未使用の山間を使い、牧草から始める酪農家もいる。
そして牛を放牧するにあたって、糞尿の肥料成分や有機物を微生物が分解し、足で土が踏み固められ、そして牧草が育ち、たくさんの微生物によって肥沃になった土壌が、そして牧草が糞尿によるメタンガスやCO2を吸収する。
土壌は大気の2倍、植生の3倍CO2をためることができる、と言われているが、けれどもそのポテンシャルはまだまだ未知数だという。
化学肥料で土地を肥沃にすることで、土壌汚染、水質汚染へとつながっていたことに気づいた。
そして大量生産の輸入のとうもろこしを食べさせるのを減らしていく。
つまり、牛がメタンガスを出すから悪いのではなく、育て方が悪かった、ということが分かったそうだ。
実現したいのは、のびのびと牛が育ち、土壌が回復し、おいしいお菓子が生まれる。
なんてステキなんだろう。
人々が、自然の中の一部にいるということを、もう一度思い出した瞬間だった。
お菓子は食べなくてもよいものではある、それでも食べたくなるお菓子だからこそ、地球環境に悪影響をもたらさずに心から楽しめる、本当に美味しいお菓子作りを目指しています。
うん、確かにそう言われればお菓子は生きる上で食べなくてもさほど必要ではないかもしれない。
世界レベルでいえば、人によってはお菓子、ケーキといえば贅沢品だろう。
けれども美味しいものは人を幸せにする。
人は発展しながらも自然と共生していけたら最高なんじゃないかな。
実際は生き物と共生していくから、全てうまくいくかは分からないともいう。
でもやらなければ、チャレンジしなければ、進めないという姿は勉強になる。
美味しいチーズケーキを食べたら地球環境に貢献する。
カーボンニュートラルはそんな事があってもいいんじゃないかと思った。
つづく