「なんとなく赤字」がふくらんでいませんか?
1月から家計簿をつけてきたら、3カ月、6カ月、10カ月などを区切りに、集計を見て、振り返りをしてみませんか?
集計から「予算オーバー」が見えてくることもあるでしょう。その原因に、「なんとなく赤字」はありませんか? 1つ1つは小さな金額でも、積み重なると大きな額になります!
あなたの赤字の原因は?
家計簿初心者のAさん。幼稚園年少さんと2歳の子育てに奮闘中です。家のお金がどう使われているか、把握したくて、家計簿をなんとか半年、つけ続けました。収入から税金、社会保険、貯金を除いた生活費:予算月33万円ですが、集計をみると、約37万円(月平均6万強!)もオーバーしていました。贅沢をしているつもりはないのに!!
このような経験、皆さんにもあるのではないでしょうか?
「なんとなく赤字」の原因を挙げてみると、
①思わず衝動買い:「安かった」「気に入ったから」と予定外の買い物をしたり、予算より高いものを買った。
②家族とのかかわり:思いがけない病気だけでなく、「たまには外食」や「思い立って、家族で〇〇へ」など。育ち盛りの子どもの衣服は、消耗品!
③友人とのかかわり:友人や親せきの出産祝いや結婚祝いは、予定外でも贈りたい。
④家電の故障:家電にも寿命があります。使用年度を考えて、買い替え時期は?
⑤予算がうまく立てられなかった:予算に入れ忘れたものがあったり、前年と同じ金額で予算を立てたため、今年の生活の変化に対応できなかった。
⑥ボーナスがあるから大丈夫:毎月はちょっと赤字になっても、ボーナスが出たらと、思うと、かわいい雑貨の「ちょっこと買い」が止まらない。
「なんとなく赤字」対策は?
家計簿記帳30年以上の、岩谷幸子さんに、「なんとなく赤字」を減らす方法を聞きました。
①家計簿で振り返りを(気持ち面):
私も家計簿をつけ始めたころは、予算があることを意識せず、洋服や小物を買っていました。小さなものでも積み重なれば、家にはモノが増えていくし、予定していた貯金ができなかった、と後悔することも。家計簿を見直すと、買わなくても済んだものや買ったことすら忘れていたものがあったことに気がつき、ムダな買い物はやめようという気持ちが強くなります。
②遊び心で工夫し、家事力アップ(生活面):
私は若いころ、自分の味付けに自信がなくて、出来合いの調味料に頼っていました。ある時、どんな調味料を買っているか、書き出してみたら、長い巻物のようになりました。〇〇の素、〇〇ソース、香辛料、ドレッシングなど。1回しか使っていないスパイスなどもありました。当時に比べ、スーパーの品ぞろえは、ドレッシングの種類も増え、合わせ調味料から鍋つゆまで実に種類が豊富ですね。市販品の「原材料」を見て家で作れるとわかり、基本的な調味料の味付けが、素材の味と香りを生かすことに気がついてからは、「いかにお金をかけずにおいしいものが作れる」か、楽しみながらチャレンジしてきました。
「なんとなく赤字」に気づいた時に本気になると、手作りの技術が進歩するというご褒美もあります。
③買いたいものリストを作る(行動面):
買いたいものを手帳に書き出して、時々見直します。なんでこんなものがほしいと思ったんだろうと、思うこともあれば、逆にやっぱり必要、と何度も思うものも。買い物の優先順位を考えることができると、「買う」「買わない」と判断がつきやすいです。必要と思ったものは、潔く次の年の予算に入れます。
④赤字が膨らんだら、同じ費目からの支出を抑える(振り返り):
赤字になった費目で、削れるものはないか考えます。例えば、アクセサリーを衝動買いした場合、衣服費の中で、購入を来年に延ばせるものはないか、子どもの視力低下が進んで眼鏡を変えることになったような場合には、保健衛生費の美容院代や化粧品、ティッシュ類の消費を控えるなど。その費目の中で解決しない場合には、ゆとりの部分の外食を減らすなどします。
まとめ
岩谷さんは、「どうしようもない赤字もあるのですから、あまり予算に縛られ過ぎずに、今年の失敗を来年の予算生活に生かそう、と長い目で見て、だんだんと家計上手になっていけばいいですね。
なんとなく赤字の原因②の『家族とのかかわり』で赤字となった場合は、予算があることを家族に伝えて理解を得ることも大事です。家族の誰かが、面白がって予算を守るための工夫を考えてくれたりしますよ。家族も家計について関心を持つと、予算を立てる段階から予算が家族のものになり、気持ちも楽になると思います」と、語っています。
また、岩谷さんが全国友の会(月刊『婦人之友』の読者の集まり)の「家計報告」の集計をしていた時に、大きな赤字の原因は急な家の修繕や家電の故障が多いことがわかったそうです。
そこで、下記のBさんのように、「そろそろ修理かも予算」を検討されるのもよいかと思います。
住宅設備や家電の修理は出費が大きく、純生活費の予算が守りにくいと、家計簿記帳26年のBさんは、「住居・家具費」に「備えの予算」を組み込んでいます。中古マンションに入居して13年になりますが、5年前にトイレが、4年前に風呂が故障。そのたびに、大幅な赤字になったことから、「購入、修理、買い換え履歴と費用を一覧表にして、そろそろ修理かもに備えて、予算にとり、故障しなければ、翌年に繰り越します。」