もしかしたら誰でもできるマーケティング/コミュニケーション戦略の立て方について
先日、友人が働いててて、僕も少しお手伝いしている株式会社BLAMさんが運営しているオンラインセミナー(ウェビナー)の「デジマギルド」で話して欲しいということで、マーケティング戦略/コミュニケーション戦略について話してきました。
マーケティング戦略/コミュニケーション戦略の立て方に法則はない?
マーケティング戦略/コミュニケーション戦略とお題を決めつつ、内容はどうしたものかとかなり悩みまして、教科書的な話はコトラーさんでも森岡さんの本でも読めばそちらのほうがずっといいですし、何より個別の企業・サービス・商品の状態により過ぎるので、再現性のない話になりそう、ということで困りました。
あとあと友人や先輩にきいても、マーケティング/コミュニケーション戦略は再現性というものはなくて、個々のパターンで全く違うよね。ということでそれはまぁ僕もそうだなと思います。
とはいえ、何かしら糧になるものを教えたいなと思って悩んで考えたのがこのnoteの内容になります。
先にお伝えしておきますが、これに沿って考えれば素敵な戦略が考えられるものではありません。数多くあるマーケティングフレームと同様に思考のサポートをするもの。もう少し言えば、ここをがんばって考えると戦略っぽくなるよ、というものです。
内容的にはある程度仕事をやっていないとなんのことを言っているのかわかりにくい内容だと思うので、実際に自分で理解して使えるのは5年目移行くらいかなと思っています。(ちなみに私は13年目。。。。)
あと、私は総合広告代理店のストプラ/ストラテジスト職なのでそれに類する方か、企業のインハウスマーケター、経営企画の方ぐらいの方向けの文章かなと思っています。
ちなみになぜ、こんな話をオープンにするかといいますと、自分の考え方がどうなのかの反応が知りたいというのもありますが、正直戦術レベルは正解がある、あるいはAIがやったほうが早いし、安いし、効率的、というものが多くなってきたので、人間は大きな指針を考えるのに時間を使おうぜ、という気持ちからです。日々の作業に忙殺されてはダメ絶対。
さて本題に。
戦略と戦術の違いについて
戦略・戦術についても教科書にたくさん書いてあるので、その中から自分にしっくりくる定義を見つけて使えばよいかなと思っています。
ざっくりとした理解としては、
・戦術はPDCAできるもの改善が効くもの。
・戦略は一度切りのもの、大きな企み。
ぐらいに思っています。
つまり、戦略とは日々の改善ではなく、大きな指針のことを指しています。
戦略の考え方
戦略の考え方を説明するために、まず企画書の流れ、企画の流れを概念化してみます。
横は時間軸です。まず左に今・現在があります。右上に未来があります。縦軸は売上・事業規模と思ってもらえればよいです。
今と未来の間に「課題」があります。未来の状態に向かうために何を解決しなければいけないのか、が課題にあたります。
課題が設定されると、それを解決されるためのソリューションを考えることができます。これは戦術の場合も、戦略の場合もあります。
企画の流れは、今→未来→課題→ソリューション、の順に流れていくのが通常です(先に結論から書く場合もありますが要素としてはこれで十分)。
他に企画書には調査データなどがありますがそれは意思決定のための補足材料という認識です。
仮に「未来」の部分に改善レベルの数値目標をおきましょう。例えば前年度比105%とかですね。商材や状態にもよりますが、この程度だと現状のやり方を効率化するなど改善で達成できる場合が多くなってくるため、ソリューションは戦術ということになります。
では、未来の部分で売上を2倍、3倍、10倍にしましょうとなるとこれはもう戦術ではなんともならない。つまり戦略、大きな方針を打ち出さなければいけません。
さて、ここで10倍にしましょう、という目標を掲げられた時にどうするか。ここで戦略を考えなければいけなくなります。
このnoteの本題で、端的に言いますが、「今」か「未来」か「課題」をユニークに設定することで、戦略が生まれます。生まれやすくなります。
ユニークとは何か。非常に曖昧な表現で申し訳ありませんが、
**納得性:“説得”ではなく“納得“できるか
発見性:これまでになかった視点のモノ/コト
能動性:聞いてワクワクするか。やってみたくなるか。 **
の要素を満たしているものかなと思います。
尊敬する日本を代表するビジネスデザイナーの濱口秀司さん曰く、
「BTC(ビジネス・テクノロジー・コンシュマー)」です。端的に言えば、
このBTC領域でユニークなシフトをつくることが、ビジネスデザインという活動だと思っています。昔はひとつでユニークであればよかったが、今は2つか、3つがユニークでないといけない。
とおっしゃっています。
ここに習わさせていただきましたが、戦略については3つのどこかひとつでも今までになかった形で設定することで、戦術の話から戦略の話へレイヤーを変えることができます。
もちろん、唯一の方法ではないですが私は結果的にこうなっていることが多いです。
具体的には
**「今」は企業/サービス/商品の価値をとらまえ直すことが多い。
→「この商品にはこんな価値があるんですよ」
「未来」は、社会的なコンテキストの中に企業/サービス/商品を置き直すことが多い。
→「あなたの会社は今後の未来においてこんな価値が生まれる/生むべきだ」
「課題」は、ターゲット/顧客の課題のとらまえ直し、あるいは新しいターゲットの開拓が多い。
→「実はターゲットとしていた層にはこんな課題がありました」**
という感じです。
じゃあ、具体的な見つけ方はどうするのか?については個別の技術/方法になってくるのと、人によって得意不得意の生まれる分野かなと思っています。
私は「今」と「課題」をとらまえ直すことは得意ですが、「未来」を規定し直すのは苦手だなと思っているので、学び中です。
抽象度の高くなってしまいましたが、戦略の考え方は自分にあったやり方を見つけることかなと思っていますので、誰かの参考になれば幸いです。
次回は
・コロナの変化について
・顧客理解/ターゲットインサイトの方法
のどちらかについて書こうかなと思っています。
ではまた。