移動式クリニック、コロナ禍のパレスチナを走る
コロナ禍で、日本ではコロナ以外の患者さんのための設備が縮小されたり、薬が行き届かなかったりしています。でも病院は、基礎疾患のある人や妊婦さんにとって、無くてはならない場所。
中東パレスチナでは、コロナ禍でも、日本の献血車のごとく移動する病院があって日々の暮らしを支えているらしいのです。
なぜ、そんな車が誕生したのかというと、話はパレスチナが置かれているちょっと厄介な社会状況に立ち入ります。簡単に言えば、場所によって、治めている政府が違うのです。まずこんな感じで、
パレスチナはこの地図の真ん中にあって(探してみてね)、さらに寄ると
ここにあたり、この右側の「自治区」をさらに区切ると、
ばーん。やっと来た。こんな風に、AからCの地区に分かれています。これは兵庫県とか島根県とかの区分ではなく、誰がこの地区を支配するのか、で色分けされています。
移動する病院があるのはこのうちC地区です。
なぜなら、21世紀にすごい話なんですが、ここを支配している政府が「建物を建てたかったら許可を申請するように。無許可建築は全部壊します」と言っているがために、学校も病院も家も全然建てられないから・・・・。
でも、ここで出てきた発想が、
建てるのが駄目なら、動かそう!
だから、たくましい。かくして、動く病院は平常時も妊婦さんの検診などに対応し、コロナ禍でもいち早く、医療スタッフにはマスクや防具が支給されたそうです。52000人の住民の命を守るこの病院は、診察だけでなく、家庭訪問やスタッフへの専門的な教育(DV、妊娠にまつわる知識、障がいにまつわる知識など)、そして若者のワークショップも開いているそう。
日本では過疎の問題への対策として移動式○○といったサービスが増えてきていますが、パレスチナでは他にも似たような状況の集落への移動図書館サービスなど、日本とはまったく違った理由からこうしたアイデアが生まれているのです。
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出典:This Week in Palestine December, 2020
地図写真出典1https://rekisi-daisuki.com/entry/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C
2https://starsands.com/inochinokodomo/mame/
3https://blogs.yahoo.co.jp/close/index.html