【開業するために必要なこと5】印鑑は仕事用に作ったほうがいい?
Question
仕事の契約書などで、捺印が必要な箇所があるのですが、個人名の簡易的な印鑑しか持っていません。これでもOKでしょうか? また個人事業主でも、仕事用の印鑑を作ったほうがいいのでしょうか?
Answer
個人名が入った印鑑があれば、仕事上は特に問題ありません。まずは、仕事用の印鑑として「丸印」を作っておけばいいでしょう。「銀行印」「角印」「ゴム印」などの印鑑は必要に応じて作成しましょう。
個人事業主は、会社と違って、あくまで個人として契約や取引をするので、個人名が入った印鑑があれば、仕事上は特に問題ありません。100円ショップで売っているような安いハンコ(これを「認印」や「三文判」といいます)でも、仕事で使うことができますし、法的にも問題ありません。
ただし、いわゆるシャチハタなど、内部にインクが入っているゴム印のものは、税務署に提出する開業届や申告書など、役所に提出する公的な書類では使えないので、気を付けましょう。
これは印象の問題ですが、仕事で作成する契約書や請求書などの書類に、きちんとしたハンコが押してあると、取引先やクライアントからの信用が高まります。書類をもらう側からみると、三文判が押してあったりすると、ちょっと安っぽく思われてしまいます。形式的な話ですが、仕事上は「見た目」も大切です。
せっかく独立するのでしたら、一番使うことになる「丸印」を作りましょう。三文判よりサイズが大きくて、書類上も見た目がよくなり、箔が付きます。契約書や請求書、領収書など、今後、多くの場面で押印が必要になるので、仕事用の「丸印」はとても重宝します。
これで、仕事用のハンコと、三文判のようなプライベートのハンコをきちんと分けることができます。
個人事業主は、仕事とプライベートの区分があいまいになりがちなので、印鑑の使い分けによって、その区分をしっかりと意識するようにしましょう。
仕事用の印鑑には、「丸印」の他にも、「銀行印」「角印」「ゴム印」などがあります。個人事業主としては、「丸印」以外は必要に応じて作成すればいいと思います。
「銀行印」は、仕事用の銀行口座を開設するときに使います。個人事業主は、一般的な個人用の口座を開くのと同じ手続なので、認印や三文判でも対応できます。最近では、サインや指紋認証などの技術を使い、印鑑不要で口座を作れる銀行が増えていますので、銀行印は必要になったときに作成すればいいと思います。
「角印」は、請求書や領収書など、対外的な書類に押すもので、仕事上の「認印」のような役割を持っています。「屋号ってどう決めるの?」で説明した「屋号」で仕事をする場合は、書類に屋号入りの角印が押してあると、さらに見た目が良くなり、信用度がアップします。
「ゴム印」は、「店判(たなばん)」ともいわれる、住所や屋号、連絡先などを入れたハンコで、封筒の裏面や領収書などに押されるものです。最近はインターネットでも安く注文できますし、郵送物が多い方は、手書きの手間が減るので、あると便利です。
▼出典
『駆け出しクリエイターのためのお金と独立準備Q&A』
(桑原清幸・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資
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