【東・東南アジア周遊日記⑥〜タイ編part4〜】
前回のあらすじ
世界遺産アユタヤを観光しに向かった少年かけちゃん。効率的かつ効果的な情報収集の方法を身につけ、より現地で深い体験ができるように。若いスポーツマン男子でもかなり体力を消耗したため、自転車で行く際は水分を多めに補給することを強くおすすめする。アユタヤに行く際は参考にしていただきたい。
「バンコクの夜に支配されまくる少年〜ドギマギが止まらない〜」
さて、タイでの生活も残り3日。
タイに来てやり残したこと。それはもちろん。
「夜遊び」だ。
初めてのタイで1人での夜遊びは人によってはハードルが低いのかもしれない。
とにかく知らない世界を知ってみたかったため、宿泊先から比較的近かった「タニヤ通り」に行った。
事前情報も得てなかったため、どんなものかドキドキしていたが、タニヤ通りという看板が見えた瞬間、60歳くらいの客引きのおばちゃんに捕まった。
「日本人?お兄さん日本人でしょ!」
どうやら日本語が通じるらしい。タニヤ通りは日本人観光客も多く、人気なことから日本語を話せるママが多いとのことだ。
話した瞬間、すぐに腕を絡まれ、今にもビルの中に連れ込まれようとしていた。
「何があるの?」
そうママに尋ねた。
ママは
「綺麗な可愛いお姉さんがいっぱいいるよ。見るだけだったら無料だから。」
そう言って私を笑顔でビルの中に連れ込もうとする。おそらくママは断るのが苦手という日本人の性格を知っているため、一旦中に連れこんでさえしまえば、大丈夫と思っているのではないだろうか。
かくいう私は夜の街を知るために来たわけなので、向こうから来てくれるなんて願ったり叶ったりだ。サラサラお金を払うつもりもなく、とりあえずシステムや様子を観察するために建物の中へ入った。
タイ人のママと2人でエレベーターの3階へ。
3階に到着したエレベーターが開くと、ママがタイ語で何か言った。おそらく「集まれ!」的なことだと思う。
その瞬間、ドレスに身をまとった綺麗な女性たちがゾロゾロとコの字型の大きなソファに集まって来て座った。
大体20人とちょっとだったと思う。
私は女性全員が見えるコの字型ソファの目の前に、隣で一生懸命説明をしてくれているママと2人で立っていた。
「え?これってどこ見ればいいん?」
目をまっすぐ向けるとドレスに身をまとった綺麗な女性が、全員私を見て笑顔で手を振っているわけである。
さすがに耐え切れなくなった私は一生懸命に平然を装いながら目線を左に逸らした。
そこでももちろん同じように綺麗な女性たちが笑顔で手を振っているのである。
苦しくなって右を向いても、、、(以下同文)
あの状況に立たされた時、どこを見るのが正解なのか。天井か?地面か?
ただし私も立派な23歳の男である。ドギマギしている姿なんて見せたら「チョロい」と思われかねない。弱肉強食の世界。下に見られたらそこで試合終了だ。
食われないよう、精一杯カッコつけながら無になって隣のおばちゃんの説明を聞いていた。
頼みの綱はおばちゃんの説明しかない。おばちゃんの方を見ている時間が一番安心できるのだ。
「話終わるな、話終わるな」
そう思ったのも束の間。
いざ選ぶ時間となった。
みんなが一斉にアピールをし出す。
「お兄さんかっこいいー!」
「私どうー?」
「一緒に飲もうー!」
あの時の自分の顔は思い出したくもない。
鼻の下がどれだけ伸びていたのだろう。
なんとか彼女らの誘惑を切り抜け、「もう少しここら辺を歩いてみるよ」とママに言い残し、エレベーターに逃げ込んだ。
一軒目から度肝を抜かれた瞬間だった。
バンコクの夜。
これが当たり前の世界なのか。
この世界にはまだまだ知らないことがたくさんありそうだ。
次回
【東・東南アジア周遊日記⑦〜タイ編part⑤〜】
「初のソイ・カウボーイに潜入。一目惚れした。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?