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【東・東南アジア周遊日記⑦ 〜タイ編part5〜】

前回のあらすじ

調査という名のもと、無事タイの「カラオケ」とやらに潜入することに成功。そう思ったのも束の間、ドレスに身をまとったキレイな女性たちがソファに座ってみんな笑顔で手を振りながら私を見ているではないか。まだ若造の少年かけちゃんは耐えきれず、目線を死に物狂いで逸らすも、そこもまた美女が手を振っているではないか。とうとう隣で説明してくれているおばちゃんにたどり着いた。タイの夜、おそるべし。



タイ生活も残り2日となった。

宿の位置をナナ駅周辺に移動し、万全の体制を整えた。

宿泊先のホテル

「後悔のないように行くしかない。あくまで調査なのだから。」

「調査」という名目であることを忘れず、バンコクの夜と言えば「ソイカウボーイ」という通りが有名で、その中の「ゴーゴーバー」に行ってみることにした。

ソイカウボーイ所在地

とりあえず1軒行っただけでは、自信を持って「ゴーゴーバー行ったよ」なんて口が裂けても言えないため、ノルマを3軒とした

とりあえず事前に有名どころのゴーゴーバーは調査していた。どうやら「crazy house」というところが有名らしい。あとは日本人から定評のある「バカラ」

この2つには絶対に行ってみたいと強く意気込んでいた。

ソイカウボーイの雰囲気

午後21時。
1軒目は「crazy house」に決めた。
店の前には中が見えないようカーテンがあり、実際にカーテンを潜らなければ中が見えないような仕組みになっている。

初めてはやはりドキドキするものだ。

かなり緊張しながらも中に入っていった。

「え?何これ???」

少年は唖然とした。

ステージに女性が何人もいる。

さすがに過激すぎて服装は様子は控えさせていただくが、理解が追いつかなかった。

と同時に、

「周りの男の人たちは一体これをどのような気持ちで見ているのだろう。」

という気持ちに変わっていった。

滞在時間は約10分。
頼んだビールを飲み干してすぐに店を出た。

正直な感想としては「楽しかった」というより、「様々なことを考えさせられた」と言った方がいいだろう。

想像していたレベルのさらに上を行っており、1軒目から度肝を抜かれた。
と同時に2軒目に行く気が失せたが、ノルマはあと2軒。

「調査のために」と重い腰を上げながら2軒目「バカラ」に向かった。

「なんでこんなことしないといけないんだ。なんでこんなノルマを設定してしまったのだろう。」

こんなことを思いながらカーテンを潜り、入店。

とりあえず若造(しかもイケメン!?)が入ってきたからだろうか。

ステージに立っていた女性たちの8割が一斉に僕の方を見た。

とりあえず彼女らに軽く会釈をしながら席へ着く。まだニヤニヤしながら見ている彼女らを横目に2杯目のビールを注文した。

「やれやれ。ここも数分で出るか。」

そう思いながらステージを観察。

その瞬間、思わず目を疑った。

とんでもないくらいどタイプの美女がそこにいた。

冗談抜きで「ど直球火の玉ストレート」だった。

しかも彼女のすごいところが出入り口のドアの前にずっといるのだ。しかも真顔で。

基本的に彼女らはステージの上で踊りながら、ソファに座っているお客さんから指名してもらえるように笑顔を見せたり、誘惑したりしたりと様々な策を行う。

しかし彼女は出入り口一点をずっと真顔で見ているのだ。

「誰も誘惑する気はないのだろうか。」
「これはテクニックか?」

そんなことを考えていると気づけば彼女の罠にハマっていた。

ずっと彼女のことを考えている。まずい。抜け出せない。蟻地獄にハマってしまった。

ゴーゴーバーではステージの女性を指名すると、女性と隣りで話せる代わりにドリンクを奢ってあげなければならない。

今日は調査目的のために来たため、指名する気はさらさらなかった。

ここでもちろん葛藤が始まる。

さて、呼んじゃうか。帰るか。

そこで参考程度にチラリとメニューを見た。

「え?1杯がそんなに高いの?」

今は詳細な金額は忘れてしまったが、ものすごく高かったのを覚えている。

そのメニューが私を蟻地獄から救ってくれた。

気が戻ってきた少年はビールをグッと力強く飲み干し、最後にジーーーッと拝み、店を出た。

どうやら一目惚れしてしまったようだ。

体から稲妻が走るこの感覚。

いつぶりだろう。

バカラを出ると時刻は21時半を過ぎていたため、最後のゴーゴーバーへ向かった。

「どこでもいいや」と思っていたため、「rainbow」というところに入ってみた気がする。が、すぐにドリンクを飲み干し5分足らずで店を出た。

とりあえずノルマの3軒ゴーゴーバーを制覇することに成功。

正直、もういいかなと思った。

どんなものかは分かったし、一目惚れはしたものの、これはあくまでお金の世界。

お金こそ正義で女性はお金しか見ていない。そこに私の求める純愛とやらは真反対に位置していると言えそうだ。

23歳にして初めてのゴーゴーバー。そしてソイカウボーイ。1軒目はかなり考えさせられたが、まあまあそれなりに楽しめたのではないかと思う。

明日はナナプラザを調査しないと。

こうして少年は夜の街ソイカウボーイのゴーゴーバーを経験し、また一つ、大人になったのであった。



次回

【東・東南アジア周遊日記⑧〜タイ編part6〜】

「ナナプラザ?どんなもんじゃい!」

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