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【発達障害育児】問題行動の改善
今回は先日、Xでポストしました下記の内容について少し深堀してみます。
他害、癇癪、叫ぶ、暴れる…これらは何一つとして発達障害の特性では無い。
— 案山子(かかし) (@kakasi108311) September 10, 2024
では何かと言うと2次障害か本人のコミュニケーションである。
どうにかしよう…と思う人は多いが、その原因は環境配慮や関わり方、誤学習など多岐に渡るので、順に対応する事で解決に向かう事が多い。
大切なのは紐解き!
■最初に
まず、発達障害の子供を育てている親の殆どが子供の何らかの行動で苦しい思いを抱いています。と言うより、そうならない限りは基本的には病院に連れて行きませんし、診断が付きません。
つまり、親から見た時の問題行動が必ず発露しています。
しかし勘違いしてはいけません。
問題行動は発達特性ではありません。
「発達障害=問題行動」では無いのです。
■大前提の「発達特性」と「社会障害」
大前提として発達障害は「発達特性」と「社会障害」に分けて考える必要があります。本人の根幹である特性があり、その特性が社会と不適合を示している部分が障害となっています。
もし特性が社会と不適合を起こさない状況になると障害は無くなります。それどころか、適切な環境に身を置いた時は通常の人では到底、到達出来ないほどの成果を生み出す事があります。
■問題行動を紐解く
今回の主題になる「問題行動」についてですが、これは大別すると2つしかありません。
・親や周囲が困っている
・本人が困っている
このたった2つです。
しかし、発生した問題行動が、このどちらに属しているのかを冷静に判断して切り分けるのかが非常に重要になります。
まず基本的には「問題行動」と呼ばれるのは「親や周囲が困っている」事を指します。なぜなら「問題」の判定は外部評価になるからです。
困っているから問題行動とする、が正しいのです。困っていないのであれば、それは問題行動では無いと言う判断が下されます。
これは発達障害が「発達特性」と「社会障害」に分けられる事に似ています。社会的(親や周囲)からみて障害(問題)である行動、なのです。
特性とかは全く関係ありません。
■本人の困り感と問題行動
こうして発生する問題行動の中には「本人が困っている」と言うパターンがあります。確かに「問題行動」であり、周囲も困っているのですが、本質的には本人の困りが表出した結果の行動が「問題」になっているケースです。
「他害」「癇癪」「叫ぶ」「暴れる」
これらは、いずれも問題行動でしょう。
それは「親や周囲から見て」問題行動です。しかし発達障害を持つ子供は時として自分の中で感情の発露が抑えられなくなって上記問題行動に繋がります。つまり本人自身も「ダメな行為」と分かっているのにやってしまうパターンがあります。※誤学習も多々ありますが…
私は大きく「不安だから発生する」と言っています。
発達特性は脳機能障害であり、定型社会で感じる感覚とは異なっている部分があります。それは世の中の当たり前が少しズレていると表現して良いと思います。常に少しズレている。そして、ズレている事を日本の社会は簡単には許容してくれません。だから常に不安に怯えています。
常に不安を感じる所に刺激が入るとどうなるでしょうか?
コップに水が溜まっている所に刺激を与えたら…零れてしまいます。
これが本人自身が理解している「問題行動」です。
今回の主題となる部分ですね。
■問題行動は改善出来る
こうして長々と記載しましたが、本人自身が「ダメ」と分かっている問題行動は適切な関わりで減少します。改善する事が可能です。
詳細は各自が調べて欲しい所ですが、
・ABA(応用行動分析)
・構造化支援
・将来の見通し
の3点を抑えておけば、殆どのケースで対処が可能です。
最初にすべき点はチェックを行う事です。
どういった時に、どういった問題行動が発生するのか?
これをともかく記録します。
次に、記録内容を分析します。
・天気に左右されていないか?
・曜日に左右されていないか?
・時間に左右されていないか?
・関わる人に左右されていないか?
・食事は?排泄は?睡眠は?
考えられる全てを記録し、それらを総合的に分析処理します。
上記分析を実際にすると分かりますが、変数(変わる部分)は出来るだけ少ない方が分析が非常にしやすくなります。
ここで役立つのが「構造化」です。
「構造化」は別の言い方に合わせると「定型化」「視覚化」「シンプル化」です。出来るだけ変数を減らし、問題行動に繋がる可能性がある物を排除し、本人にとって有益な内容を、より有益な形に整える作業です。
変数を整えると自然と分析がシンプルになっていきます。
その結果、特定のパターンによる問題行動が見えてきます。見えてこない時は構造化が足りないか、記録内容が間違ってます。
そして原因が見えて来たら、その原因に対処を加えます。
絶対に対処不可能な原因の場合は、変数を追加する事で原因自体を変質させる事を目指します。例えば…天気は変えられないですよね?こう言う時はイヤーマフや電気の明るさ変化など、他の変数を加える事で問題行動を減らせないか検討する形です。
ここで重要になるのが「ABA」です。
行動には原因があります。原因を変質すれば行動が変わる。行動が変われば、その先も変わる。ABA分析では根幹たる特性への影響ではなく、その周囲に変数への関わりを強く持ちます。
これら「ABA」「構造化」を行った上で、本人の不安を解消する為に「将来の見通し」を持ちます。
イメージとしては、
「ABA」はコップに刺激を与えない環境を目指します。
「構造化」はコップを大きくしたり、水を減らしたりします。
「将来の見通し」はコップを耐震補強します。
水が零れないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?
「水が減れば」「コップが大きくなれば」「刺激を与えなければ」「揺れなければ」きっと、水は零れないでしょう。
つまり、問題行動が減少するのです。
■まとめ
問題行動は本質的には周囲が問題と感じている行動であり、時と場所、状況によっては問題ではなくなる場合があります。しかし、現状段階では問題の行動ですので、これを適切な形でかかわる事で減少させる事は可能です。
特に本人が自分自身で困っている、堪えられない時に発生する問題は変える事が可能です。
そのために「ABA」「構造化」「見通し」の3つを学び、常に子供と冷静に向き合いながら関わっていく事が重要になります。
■最後に
ここまで記載しましたが…普通の人は出来ないそうです。(笑)
そういう時は専門家を頼ってください。