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エッセイ

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2022年8月の記事一覧

涙の掃除機

涙の掃除機

僕は、これまでの人生で二回、泣きながら掃除機をかけた事がある。

一回目は小学生の頃だったか。

朝っぱらから床を汚して親に怒られていた少年の僕は、その日の夕にはそんなこととうに忘れて、友達の家で、相も変わらず、馬鹿みたいに遊んでいた。
親からは「お前自分で掃除したことないからその大変さ分からないんだろ」「帰ったら自分で掃除機かけろ」とか言われた。妥当な説教だったが、当時の馬鹿な僕からしたら、単に

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