資格商法に自ら飛び込んだら痛い目を見た話。
資格マニア…ではないけれど、資格は好き。今回はそんなわしの性格が仇になって失敗したお話を。資格商法ってこういうのを言うんですね。
脊髄反射で行動するからだよ!バカだね!
それなりの資格を持っていることが落とし穴
介護・福祉関係を中心に、それなりの数の資格も持っているわし。
ざっと思い出せるだけでも、
<介護・福祉関係>
◎社会福祉士
○介護支援専門員
◎介護福祉士
◎社会福祉主事任用
◎児童指導員任用
◎児童保護司任用
◎知的障害者福祉司任用
●学士号(産業福祉学)
●社会福祉士実習指導者
●認知症介護実践者研修
●社会福祉士会基礎研修Ⅰ
●社会福祉士会基礎研修Ⅱ
<ガテン系?>
◎防火管理者
◎衛生推進者
◎第1種衛生管理者
<その他>
◎中型自動車運転免許(限定解除)
△漢字検定2級
◎狩猟免許(わな)
◎狩猟免許(網)
※注
◎=国家資格
○=公的資格
△=民間資格
●=認定講習等
を所有しています。
いずれも仕事で必要になったもの、もしくは趣味活動の一環で取得したものです。
資格が目的になってしまった経緯
とある日、仕事とは関係ない趣味の資格も欲しいなぁ、とネットをうろうろ検索しておりました。
わし、自宅で熱帯魚を買っています。
と言っても90cm水槽一本で「楽して維持出来る水槽」を目指しているものでお金も手間もそこまでかかってはいません。
もう10年近く置いており、子どもの情操教育にも役立っている小さな癒やしの空間となっています。
そんな折、『アクアリウムプランナー』という資格が目に入りました。
へえ、面白そうだな…と思ったわしは、物は試しと申し込んでみました。
それが奈落への落とし穴だとも気づかず。
薄っぺらい封筒が届く
申込から数日後に試験問題が代引きで届くそうです。
代引き…?クレカや銀行振込は不可なのか…?
在宅受験というのは書いていましたが、今まで代引きで送られてくる試験問題あったかな…?でも在宅試験自体が初めてなのでこんなもんなのかな…。
と思いながら待つこと通日。そして到着した試験問題。
めっちゃ薄い封筒1つが届きました。
代引き10,000円を払いつつ受け取るも、非常にいや~~な予感がします。
開封。
鑑文、問題のみ。問題はペラ2枚の20問。
返信用封筒もなし。しかも切手を貼って出せと書いてあります。
この瞬間悟りました。
やっちまった!!
恐ろしい難易度の試験問題(低い方で)
いやまて。そういえばわしは在宅受験型の資格試験は初めてだ。こんなモンなのかも知れん。
落ち着いて書類を見てみよう。
問題数は少なくてももの凄くハイレベルな専門的な問題が出されているかも知れない。なぜか額に汗をかき腕に鳥肌を立たせながら、封筒を開け試験問題に目を通してみました。
表紙入れてA4ペラ3枚。
全20問。
もの凄く低レベルな問題。
当時、わしの小学生の娘でも解けました。
確実にやらかした。
資格商法だこれ。
しかも自ら飛び込んでしまった。
ホームページがヤバい
悔しいのでどんな会社か調べてみます。
改めて実施団体である『日本デザインプルランナー協会』なる団体のホームページを見てみました。
トップ画面では、フリー素材感抜群の"何かを考えながらペンを持っている女性"がお出迎えしてくれます。
略称はJDP。
…ん?JDP?
しっかりと『各種デザイン・設計・芸術関連などの分野の資格を扱っている資格認定団体です』と書いてあります。看板に偽りなし。
しかし、このあたりから怪しくなってきます。
『デザイン技術の各スキルの水準がある一定以上であることを認定する機関です』と明記されています。
文中の
「ある一定以上であることを認定」
「客観的な評価の尺度」
「各スキル技術者の社会的地位の確立」
という文言が特にポイント高いです。
少なくとも今回の問題文から推察するに、
○ある一定以上であることを認定
↓
◎(低いけど)一定の知識レベルを持っていますよ!
○客観的な評価の尺度
↓
◎当団体が自信を持って(低い知識レベルを)認めますよ!
○各スキル技術者の社会的地位の確立
↓
◎この資格を持っていれば(低い知識レベルを持っていることを)PRできますよ!周りに認められますよ!
という事を言いたいのではないかと思います。
認定している資格が山ほどある
そしてこの団体、扱っている資格めちゃくちゃ多いです。ありそうで聞いたことない資格ばかり。
百聞は一見にしかず。どうぞ。
取り敢えずインテリアデザイナーとインテリアアドバイザーの違いを知りたい。分ける必要あるんかいな。
日曜大工スペシャリストって名乗るのもダサいなあ。試験問題も電動インパクトの写真とか載せて「これは何でしょう?」という問題とか出そうだな。
合格証が有料!
わしは『試験に合格(資格を取得)したら合格通知がもらえる』と思い込んでいましたが、その概念は間違っていたことに気づかされました。
合格者専用ページには「認定証は有料」としっかり書かれています。
さらに、合格認定証発行申込フォームを覗いてみると…
合格認定証 5,500円。
認定カード 5,500円。
なんてこった。ここでもお金がかかるのか…。
そりゃ多くの資格では「合格認定証」や「登録証」は有料であることが多いですが、合格通知は無料で送付してくれたりしません?
この団体、合格通知もホームページ上に掲載するだけなんですよ。追加料金なしに現物くれないんです。
わしが持っている最も珍妙な資格(?)の『亭主関白道 初段』ですら追加費用なしで認定証交付されたというのに。
官公庁へのリンクが貼ってある
ホームページのフッターには各種ページや関連ページへのリンクがありますが、なぜか経産省など官公庁へのリンクが。
これ、国のお墨付きを得ている団体・資格だと誤認されませんかね。
同じデザイン関連団体と略称が被っている
略称JDPにひっかかったわし。
試しにGoogle先生でJDPと検索すると一番最初に表示されるのは公益財団法人日本デザイン振興会。
ああ、そうだ。ここと同じなんだ。
公益財団法人としても登録されている、真っ当な団体です。
グッドデザイン賞を認定している機関なのでメディアにもよく出ていますよね。
同じ「デザイン」に関わる機関で同じ略称なんだね。
日本デザイン振興会は60年の歴史があるそうですが、JDPという略称を使い始めたのはどっちが先なんでしょうね。
知らない人、間違わないかなあ。
運営会社の実態は…?
次に、日本デザインプランナー協会に掲載されている『特定商取引における表示』を見てみましょう。
ほほう、一応ちゃんと連絡先書いていますね。
ちょっと調べてみます。
がっつりレンタルオフィスの東京拠点
Google先生に『東京都中央区日本橋兜町5-1 AIG兜町ビル3階』を教えてもらいます。
がっつりレンタルオフィスでした。
福岡拠点が本拠地か?
続いて福岡の拠点。
どうやらサンマリノビルという建物の中らしいですね。部屋数もけっこうあり、飲食店などのテナントも入っています。
結局何をやってる会社なんだ
運営会社の『株式会社ファンタジスタnet』を調べてみました。
最初に表示されるのが2013年のプレスリリース。
次いでヘネシーカパルアという名のショッピングサイト。
プレスリリースサイトを見てみましょう。オラわくわくして来たぞ。
ホームページが死んでる
まず概要にあった同社のURLですが、
死んでました。
関連ページもほぼ死んでる
運営サイトの一覧も掲載されていました。
ここまで来たので1つずつリンクを辿ってみましたが、
半分以上死んでました。
他のホームページも色々アレだった
同社の(生きている)運営ページの1つに『ヘネシーカパルア』というサイトがありました。上記URLは死んでいましたが、別ルートから辿ることに成功。
どうやら通販サイトのようで、トップでは『ここでしか手に入らない商品がたくさん!』と謳っています。
鬼の値段なんですが。
両面テープ2巻で1,444円ってどういうこと…。
当然、ヘルシーカパネアだけではなくAmazon・楽天等からも購入する事が出来ますので参考までに。
何なら地元の個人経営の文房具店に売っていますよね。もっと安く。
結論
まだまだ先がある!
この後も関連リンクを辿ったり検索をしたところ、某一級建築士事務所まで行き着いてしまったのですがこのへんで勘弁して下さい。凄く疲れた。
何だか商売の闇を少しだけ覗いてしまった気がします。
「気」だけかも知れないですけど。
脊髄反射で資格申込はしないように
今回の教訓としては「資格が欲しいからって飛びつくなよ」の一言に限ります。
そもそも今回は、自己顕示欲が強く資格がレゾンデートルになっているわしの軽率な行動が発端なんです。それで不要なお金を払ってしまい、挙げ句にストーカーのように運営会社を追っかけてしまいました。
お金と時間のムダすぎる。
結局受験しませんでした。意味ないです。1分で全部解けましたし。
申込料はもう「勉強代」として考えないことにしています。
皆さんは同じ轍を踏まないで下さい。
以上、資格商法に自ら飛び込んで痛い目を見たわしの話でした。
お粗末!