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投票の仕組みについて

「多数決を疑う ~社会的選択理論とは何か~(著者:坂井豊貴)」を読み、なぜ選挙の投票結果に納得がいかないのかが分かる、重要な多数決の話だと思ったので、共有いたします。


3つ以上の選択肢がある一人一票というルールの多数決では、票割れのために、1対1の多数決では他の選択肢に負けてしまう場合でも、勝つ時がある。(ペア敗者基準という)
(例 A<B、A<C(1対1)→A>B, C(選択肢3つ))
そこで「ボルダルール」という多数決方法がある。
ボルダルール:一人の票は、1位に3点、2位に2点、3位に1点と投票する。
このルールであれば、1対1では負けてしまう選択肢が、勝つことは無い。
※投票の点数6点、3点、2点とする「スコアリングルール」は、ペア敗者基準を満たさない。
また、配点を固定しないルールでは、少数の熱狂的なグループを優遇しかねない。
ただし、ボルダルールも、1対1の多数決で全ての選択肢に勝つ選択肢が、必ず勝つわけではない。3つ目の選択肢が結果に影響を与える。1対1で必ず勝つ選択肢を必ず勝つようにするためには、独裁制のみである。
問い:多数派は正しいのか?また、少数派は多数派に従うべきなのか?
回答:以下を考慮した投票であれば、多数派は正しい可能性が高く、少数派も従う方が良い。
1)判断するための情報が開示されていること、偏見や思い込みで判断しないこと。
2)ルソー(社会契約論の著者)が考えた「一般意志」の判断で、皆んなが投票していること。
一般意志:自己利益の追求に何が必要かをひとまず脇に置いて、自分を含む多様な人間が共に必要なことは何かを探ろうとする意思
【まとめ】
・総合的な評価としてボルタルールがよい
・多数決の集約ルールによって結果が全て変わってくる。結局のところ存在するのは、「民意」というより「集約ルールが与えた結果」にほかならない。
・多数決ほど、その機能を疑われないまま社会で使われ、しかも、結果が重大な影響を及ぼす仕組みは、他にはなかなか無い。
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私なりにまとめたので、本書とは多少ニュアンスが異なります。また、住民投票をまともに行えない状況の改善案の話など、省いている項目も沢山あります。

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