令和5年 司法試験 再現答案構成(民訴)
設問1
1 ①裁判に対する国民の信頼
②真実発見・相手方の保護
→法的根拠=信義則(2条)
①より、ア)著しく不当な方法により収集された証拠であり、かつ、
②より、イ)証拠能力を否定することが相当と認められる場合には、
証拠能力を欠く。
2 あてはめ
220条により文書提出命令の対象となっていない証拠であり、(問題文の事実を摘示し)著しく不当な方法で証拠がとられた(ア充足)
しかし、唯一の証拠であり、証拠価値は重大+訴訟当事者を家に招いたうえ、閲覧できる状態で部屋を出たという相手方の帰責性は大きい(イ不充足)
3 したがって、証拠能力は認められる。
設問2
1 不利益変更禁止の原則
趣旨(処分権主義の控訴審における現れ)→「不利益」の判断方法=判決効を基準に判断
2 原審の判決における既判力の生じ方
(1)甲の存在(114Ⅰ)・乙の不存在(114Ⅱ)
(∵相殺によって不存在という部分にまでは既判力は生じず、単に不存在のみに生じる)
(2)では、訴訟外の相殺の再抗弁に既判力は生じるか?
確かに、訴訟内の相殺の再抗弁に既判力が生じない理由である、仮定の上に仮定を積み重ねるという点は訴訟外では妥当しない。しかし、もう一つの理由たる判決理由中の判断に既判力を及ぼすという例外的事柄(114Ⅱ)を広げすぎるのは不適切という点については、訴訟外でも妥当する。なお、二重行使の弊害は信義則で対応すれば足りる。→したがって、丙には既判力は生じない(114Ⅱ)。
3(ア)→控訴棄却
4(イ)→控訴棄却
5(ウ)→丙に既判力が生じない以上、原則としては控訴棄却(302Ⅱ)。
しかし、丙について債権行使をすることが後訴で信義則によって遮断される可能性がある。それゆえ、この可能性を判決効と同視して、原判決を取消し、認容するべき(※誤って差し戻しと書いたかも・・)である。
設問3(1)
1 既判力→115条各号に該当しない。
2 反射効の定義を論証
(1)規範を立てた(①従属関係+②手続保障 があれば反射効は肯定)
(2)あてはめ
Zは①OK。Zは免除の事実について主張できていない。反射効によって不利益を受けるZはYによって手続保障が代替されていたとみることはできない(②不充足)。よって、反射効は生じない。
設問3(2)
1 参加的効力の趣旨(敗訴責任の分担)→援用できない。
※時間がなくて課題②はてきとー。