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博士課程進学を決意した転機

「博士課程への進学を決める」


その一歩を踏み出すことは、簡単ではありません。特に社会人としてキャリアを積みながら、家族を持ち、日々の生活や仕事に追われる中で、新たな学びへの挑戦は大きな決断を伴います。

私にとって博士課程への道は、自分ひとりでは進めなかったものです。家族の支え、リカレント教育での新たな出会い、そして過去の困難を乗り越えた経験が、私の背中を押してくれました。

妻の一言がくれた覚悟

進学を決断する上で、最も大きな後押しとなったのは、妻の一言でした。これまで私の博士課程進学には首を縦に振らなかった妻が、「進学していいよ」と言ってくれた瞬間、迷いは消えました。その一言が、どれほど大きな意味を持つものだったか。家族を守るという責任を背負いながら挑戦する私にとって、彼女の承諾は最大の支えでした。

リカレント教育で出会った恩師

もう一つの大きな転機は、リカレント教育での出会いです。この教育プログラムで担当してくださった教員が、私の研究テーマの可能性を見出し、博士課程進学を勧めてくれたのです。さらに、その教員が博士課程で指導教員としてサポートしてくださると約束してくれたことで、進学への道筋が具体的に見えました。

この教員との出会いは、まさに運命的でした。修士課程で取り組んでいた研究をさらに発展させるための知識とツールを持ち、私の課題意識を共有できる存在。その存在があったからこそ、「自分にもできるかもしれない」という希望を持てました。

精神科領域という未踏の分野

私が博士課程で研究するテーマは、精神科領域における理学療法です。この分野に興味を持ったのは、修士課程の経験がきっかけでした。

修士課程の最終年度、私は研究テーマの大幅な変更を余儀なくされるという挫折を経験しました。データ提供者から急に許可を取り下げられ、計画を一から立て直さなければならなかったのです。この時、私は精神科領域での経験をテーマに選び、短期間で新しい研究を構築しました。この困難を乗り越えた経験が、私にとって精神科での研究への関心を深めるきっかけとなりました。

精神科では、身体的な能力以上に精神的な状態が大きな影響を与えます。意欲の低下や精神症状が、患者さんの姿勢や歩行能力、さらには生活全般に影響する。こうした現象をより科学的に解明し、実践に役立つエビデンスを築き上げたい。そう考えるようになりました。

未来への期待と挑戦

進学先は国立大学で、国際的にもつながりのある研究環境です。この場で精神科領域における理学療法のエビデンスを構築し、国際学会で発表することで、この分野に貢献したいと考えています。

もちろん、挑戦には不安も伴います。英語論文の執筆、国際的な発信、そして家族や仕事との両立。しかし、私は「挑戦する価値」を強く信じています。なぜなら、この挑戦が自分だけでなく、次世代の理学療法士や精神科領域の患者さんにとっても大きな意味を持つと感じているからです。

読者へのメッセージ

この記事を読んでくださった方の中には、「学び直し」や「博士課程進学」を考えつつも迷っている方がいるかもしれません。私自身も、たくさんの不安や迷いを抱えながら決断しました。しかし、進むべき道は必ずしも自分だけで決めるものではありません。家族や恩師、過去の経験が私を後押ししてくれたように、皆さんの中にもきっとその力があるはずです。

次回の記事では、精神科領域での初めての挑戦や、現場で直面した課題についてお話しします。ぜひお楽しみに!

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