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Vol.3【なぜ写真なのか】
今日はこれについて。
もともと、子供のころから写真は好きだったけど、なぜ趣味ではなく仕事にしようと思ったか。
これは、意外にも消防時代のある経験が影響してます。
その日は、朝から静かで、管轄内で災害のない穏やかな日でした。
訓練したりしながら過ごして23時。
一件火災が発生し出場。(私の勤務していた消防では出動のことを出場といいます)
消火活動は翌朝にまで及びました。
家屋はほぼ全焼。幸いにも死者はなく、居住者は皆さん軽症でした。
朝から火災の原因調査が始まり、私も自分の隊の隊長と調査に参加。
火災の原因調査は、焼け落ちた家屋の部材や、ほぼ灰になった家具や家財をかき分けながら進めていきます。
そうして、火災の原因に関係なさそうなものは、灰として一山にされます。
私の後輩が真っ黒にすすけた何かを、手順通り灰の山にいれる。
“ちょっと待て、それよく見てみろ!”
隊長が声を上げて、不思議そうに後輩がそれを隊長に渡しました。
周りこそ真っ黒にすすけているものの、中はまだ焼けていません。
家族写真の入ったアルバムでした。
“パソコンやCD含め、家にあったデータ類は、たとえ焼けてなかったとしても、俺たちが水をかけてる時点で全部ダメだろう。でも写真は違う。焼け残って濡れていたとしても、拭いて乾かせばまだ見れる。だからせめてこれくらいは、手元に届けてやるんだ。”
この一件以来。自分も隊長と同じように、現場でできる限り思い出の品を残してあげられるように活動しました。
そしていま、写真を残す側として活動しています。
私は映像の撮影、編集もできます。でも、強い意志を持って写真に取り組んでいます。
その理由の一つが、皆さんにお話しできてよかったです。