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和菓子No.2 御城之口餅(本家菊屋)

今回の和菓子は
奈良県大和郡山市にある創業400年以上の老舗和菓子屋さん、
《本家菊屋》さんの名物、「御城之口餅(おしろのくちもち)」

御城之口餅

普通のきな粉餅のように見えますが、
実はこのお菓子、とても歴史があるんです。
しかも、かの有名な豊臣秀吉が関わっています!

というわけで、早速見ていきましょう。


【本家菊屋の歴史】
本家菊屋さんの創業者は菊屋治兵衛(きくやじへい)さん。
豊臣秀吉の弟の秀長につき従っていた菓子職人さんで、
秀長が天正13年(1585年)に郡山城に入城した際、
一緒に大和国にやってきて、本家菊屋を創業しました。

つまり、菊屋さんは創業当初から
秀長と深い繋がりがあった
というわけです。


【御城之口餅の誕生】
ある時、治兵衛さんは秀長から
「兄(秀吉)をもてなすお茶会をするので、
何か珍しいお菓子を作ってほしい」

と命ぜられます。
そこで治兵衛さんが考えたのが、
粒餡を餅で包んできな粉をまぶした、一口サイズの餅菓子でした。

秀吉はお茶会で振舞われたこのお菓子をとても気に入り、
「鶯餅」と名付けました。
一説には、これが全国の鶯餅の原型だという説もあります。

時が経ち、いつの頃からか
菊屋さんがお城の大門を出て町人街の1軒目に位置することから、
「お城の入り口で売っているお餅」=「御城之口餅(おしろのくちもち)」
とい呼ばれるようになり、今日に至るのだそう。


では、秀吉も食べたという「御城之口餅」を食べた感想を。

【感想】
コロンとした一口サイズの可愛らしいお餅。
きな粉がたっぷりまぶされたお餅の中は
しっかり甘みのある粒餡
きな粉団子を食べている感覚に近いです。
砂糖の甘みが効いたきな粉の風味がダイレクトに伝わってくる分、
餡の小豆の風味はあまり感じられません
でも、このお菓子は小豆感が無くても物足りなさを感じません
なぜなら、これはきな粉が主役のお菓子だと思うから。
勝手な想像ですが、一口サイズで、かつ、
きな粉たっぷりの状態で、小豆の風味をしっかり出すのは
かなり難しいのではないでしょうか。
だから小豆感が無くても私は満足です。
香ばしいきな粉を堪能できますしね!
餡子を欲しているときに食べるのはあまりお勧めできませんが、
きな粉好きには嬉しいお菓子ですね。


豊臣秀吉が菊屋さんと関わりがあったとか、
豊臣秀吉の弟が郡山城主の時代があったなんて
「御城之口餅」に出会うまで全く知りませんでした。
おかげで郡山城についてもっと知りたくなりました。

こんな風に、和菓子から歴史を知ることもあるんです。
ほんとうに、和菓子の世界は豊かです。

(和菓子屋さん情報)
《御菓子司 本家菊屋 本店》
奈良県大和郡山市柳1-11
公式ホームページ↓

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