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リモートプロジェクトにおいてコミュニケーションをどう設計すると良いのか?
こんにちは。
僕は、兵庫県に住んでいて、「プロジェクトマネジメント」の仕事を「フルリモート」でやってます。今は、フリーランスで仕事をしていて、取引先は東京にありますが、仕事で行ったことはありません。
前回の記事で、「というテーマで書きました。
今回は、「リモートプロジェクトにおいてコミュニケーションをどう設計すると良いのか?」というテーマで、note に書きます。
まず、ここでのコミュニケーションのスコープは、プロジェクトメンバー間のコミュニケーションとします。
「オフィス」と「リモート」のコミュニケーションの違いは、相手の状況を察しやすいかどうかです。同じオフィスで働いていると、相手がどういう状況なのかを雰囲気などで察することができますが、リモートでは、お互いの状況がわかりません。
例えば、ちょっとした雑談しようにも相手が集中して作業しているのか、誰かと話しているのかで変わります。また相談を受けるときも、相手が切羽詰まった状況なのか、それともちょっとしたついでにきているのかで、いま対応するかどうかが変わります。
オフィスであれば、何気なく実施していたコミュニケーションですが、リモートのプロジェクトの場合には、プロジェクトを円滑に推進するために、コミュニケーションがどうあるべきかをプロジェクトメンバーと確認しておくことが大事になります。この確認すべき内容がコミュニケーションの設計だと考えています。
プロジェクトを推進するコミュニケーションパターン
コミュニケーションをどう設計するか考える際に、メンバーとのコミュニケーションを、3つに分類しました。
1. 質問:0にするコミュニケーション
2. 相談:量を増やすべきコミュニケーション
3. 雑談:目的のないコミュニケーション
この3分類をどう設計していくとよいかを解説していきたいと思います。
1. 質問:0にするコミュニケーション
はじめは「0にするコミュニケーション」についてです。0にするとは、コミュニケーションしないという意味です。オフィスでも、リモートワークでも、よく見かける質問があります。
- 「xxx のファイルの場所どこだっけ?」
- 「xxx の進捗ってどうなってるっけ?」
- 「xxx はいつだっけ?」
こういった「情報を引き出すための質問」は、Slack や チャットでも簡単にできます。そして、「質問する側」から見ると、すぐに回答がもらえるため、効率が良いように見えます。しかし、質問される側は作業を中断しているかもしれません。もしかしたら、質問した側も急ぎの質問ではなかったかもしれません。しかし、「忘れないために、いまSlackで送っておいた」ということかもしれません。
これは、作業が止まらないように、わからないことがあれば、常に質問していくというのは正しいのですが、質問する側、される側の生産性が落ちることにもなるため、0を目指す必要があります。
リモートワークでは、「コミュニケーション量を増やそう!」といったことを聞きますが、このような「情報を引き出すための質問」はなくすべきです。そして、プロジェクトの開始時に「情報の共有ルール」を決めておく必要があります。
「情報の共有ルール」
無駄なコミュニケーションをなくすためには、「プロジェクトの目的、ゴール、参加者、体制、予算、スケジュール、コミュニケーションルール」などの基本情報をまとめ、共有ツールでまとめて管理しておきます。
またファイル共有(Google Drive、Dropbox、共有サーバ、)、ドキュメント共有(Confluence、esa、notion、)、コミュニケーションツール(SlackやChatWork、)なども構造化やタグ付けなどをして、情報を探す側、保存する側が迷わないようにすることを意識します。
また迷わないようにするために、大規模なプロジェクトでない限り、細かい区切りはしないほうがよいと思います。ファイル共有をMECEや正しさを優先して、広く深い階層構造を作った結果、利用されないということになります。
参考にファイル構造を整理しました。
参考)ファイル共有、ドキュメント共有ツールの場合
- プロジェクトフォルダ
- 01_プロジェクト概要
- 02_数値管理
- 03_進捗管理
- 04_MTGログ
- 10_チーム別フォルダ
- 99_その他
参考)Slack の場合
- 少数の場合は、10_xxx、20_xxx、30_xxx などで管理
- 大人数の場合は、aa_bb_xxxx、aa_cc_xxxx などのプレフィックスで管理
ただし、情報を引き出すための質問は0にするべきですが、「質問してはいけない」という雰囲気を出してはいけません。調べることもできず、質問もできないと、仕事が停滞し、より生産性が悪化することになるからです。
あくまで、仕組みとして質問をなくなす必要があります。
2. 相談:量を増やすべきコミュニケーション
次に、量を増やすべきコミュニケーションについてです。先程の「情報を引き出すコミュニケーション」では、コミュニケーションを0を目指すべきといいましたが、下記のような内容のコミュニケーションは増えるようにします。
- 「xxx の進め方がわかりません、相談させてもらえないでしょうか?」
- 「xxx の課題について、意見を聞かせてもらえませんか?」
- 「xxx の進め方について、やり方を変えたいと思うのですがどうですか?」
こういった質問は、一人で意思決定 / 判断できないため発生しています。
特に、プロジェクトという「定型化されていない業務」をすすめるなかで、新しい課題や仮説が発見された場合では、状況が代わり、今までの情報を引き出すだけでは判断できない場合があります。
このような場合は、Slack などのテキストで伝わればいいですが、前提条件に変更がある場合に、短いテキストで伝えることが難しいと感じたら、すぐにビデオチャットへ切り替えるべきです。ビデオチャットは、完全に双方の時間を拘束するため、生産性が低く感じてしまいますが、認識齟齬になってしまうよりも、口頭でニュアンスを伝え、決定事項をメモとしてテキストで残したほうが結果的に後々の生産性が高くなってきます。必要と判断した場合は、たとえ、5分だけだったとしても、ビデオチャットを活用するのがよいです。
またリモートでは、このような自分で判断できない課題に向き合った時には、すぐにアラートをあげてもらう必要があります。リモートでは、メンバーの状況を察知することができません。課題に対して判断できずに停止したり、誤った判断のまま進めてしまうとプロジェクトの生産性が悪化していきます。
プロジェクトを開始時には「判断ができない場合はすぐに相談する」ということを徹底しておきましょう。そして、プロジェクト内に発言しやすい雰囲気を作ることが大事です。(変更・決定した事項については、プロジェクト全体に共有して、情報として引き出せるようにしておく必要があります)
3. 雑談:目的のないコミュニケーション
最後に、目的のないコミュニケーションについてです。目的のないというのは、明確に業務に関係するものではないため、一般的には推奨されないものかと思います。具体的には下記のような内容ですが、このような一見プロジェクトに関係のない話で盛り上がっていることは、プロジェクトとしては歓迎すべきだと考えています。
- 「xxx って、サービスって知ってる?使いたいんだけど知ってる人たら教えて」
- 「xxx というニュースがありましたので、シェアします」
- 「プロジェクトの進め方って、こういうやり方があるんじゃないかな」
このような、明確な目的もなく、とりとめもなく話すことは「雑談」と呼ばれるものです。ふとした思いつきのことであったり、プロジェクトに関係するニュースや情報についての共有などがあります。リモートワークでは、こういった明確な目的のない「雑談」が重要になります。
雑談の効果
・ 発言しやすい雰囲気を作る
・ プロジェクト / チーム に想いが共有できる
雑談の効果は、「発言しやすい雰囲気を作る」ということです。仕事に直接関係のない話ができることで、メンバーは、少しずれているんじゃないか?と思われる内容の発言もしやすくなります。リモートワークで、一番問題なのは、メンバーが発言しないことです。
リモートワークでは、働いているかどうかを成果物で判断することができますが、正確な状態を把握するには、メンバー自ら発信してもらう必要があります。
先程も、「相談:量を増やすべきコミュニケーション」のところで書きましたが、プロジェクトマネジャーは、メンバーに発言をもとめ、そして、こういう雑談を増やすことで、発言しやすい環境を作っていくことが必要になります。
もうひとつの雑談の効果は、「プロジェクト / チーム に想いが共有できる」ということです。以前にもプロジェクトについて定義をしたのですが、私は下記の3つ+1に該当するものがプロジェクトに該当すると考えています。
プロジェクトの定義
・ 目指したい姿がある
・ 定型化された業務が存在しない
・ リソースが限られている
・ +ひとりでは解決できない
この定型化された業務でない場合には、メンバーそれぞれが課題を発見・解決し、目指すべきゴールへと推進する必要があります。ゴールやプロセスが明確な場合は問題ありませんが、メンバーというのは色んな役割や立場をもって働いています。そうすると、日々色んな視点でプロジェクトに向き合う中で、アテンションがさがってしまってり、目指したい姿が微妙にずれたりしてしまいます。
そういった場合に、日々の雑談という形で、プロジェクトやチームに関する情報について発信することで、メンバーとプロジェクトの目線をすり合わせることができます。
プロジェクトマネジャーは、雑談などの情報の流れを見ながら、プロジェクトの方向性や想いを少しずつ伝播させ、雰囲気を作っていくことが必要になります。
まとめ
リモートの場合は、ある程度コミュニケーションが行われているかどかが可視化することができます。プロジェクトマネジャーは、そのコミュニケーションが適切に行われているかをチェックし、プロジェクトが推進できているかの指標にすると良いと思います。
たとえば、
・情報を引き出すための質問が頻繁に行われている場合は、情報共有の仕組みが機能していないか、コミュニケーションのルールが浸透していません。
・プロジェクトメンバーの相談がまったくない場合は、何か課題を発見しても発言しにくい雰囲気があるのかもしれません。
・雑談がまったくない場合は、発言しにくい雰囲気があるか、プロジェクトメンバーが指示待ち状態になっている可能性がります。
こういった計測をしやすいといのがあるので、リモートワークのコミュニケーションもやり方次第で、プロジェクトを推進しやすくできると思っています。
少しでもリモートでプロジェクトを推進するお役に立てれば幸いです。
読んで頂き、ありがとうございました。
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