アウトプット

【1日1冊】対立する組織で推進する方法/他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論(著)宇田川元一

こんにちは。

本日は、「他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論(著)宇田川元一」の紹介です。
NewsPicksパブリッシングの本ですね。先日読んだ「編集思考」もNewsPicksパブリッシングでした。旬なテーマの本が多くでてきそうで、これからも楽しみです。

正しい知識と実践との大きな隔たり

本書の著者は、「埼玉大学 経済経営系大学院 准教授」という「経営学」の研究者です。研究者である著者が、『「科学的に正しい答え」も、実践との間には大きな隔たりがある』と正しい答えが実際には活用することが困難であると書いています。

これは本を読んで実践しようとしている人は幾度とぶつかっている課題だと思います。本書では、「はじめに」で、既存の方法 = 科学的に正しい答えを適用すれば解決できる問題を「技術的な問題(technical problem)」、既存の方法で解決できない複雑な問題を「適応課題(adaptive challenge)」と説明があります。(定義したのは、ロナルド・ハイフェッツ)つまり、私たちが本で得た知識をそのままビジネスの現場で適用できないのは課題の種類に違いがあるということですね。

技術的な問題とは、たとえば、職場でインターネットが接続できない、机の数が足りなど、すぐに必要な業者に手配すれば解決できる問題を指します。こちらは対処するための知識があれば、解決することができます。

適応課題とは、たとえば、職場で情報共有の効率化のために、新しいコミュニケーションツール(SlackやChatworkなど)を導入しようとした際に、新しいツールは使いたくない!などと他のメンバーから反対されるというような問題を指します。こちらは課題に対しての知識だけでは解決できない問題です。

自分と相手との関係:適応課題の4つのパターン

適応課題とは、「自分」と「相手」との関係の差によって発生している複雑な課題になっています。適応課題は4つのパターンにわけることができ、これは企業などではどれも存在するケースだと思いました。

適応課題の4つのタイプ
- 対立型:お互いのコミットメントが対立するケース
- 回避型:痛みを回避するために本質的な問題を回避するケース
- ギャップ型:価値観と行動に差が生じるケース
- 抑圧型:言いにくいことを言わないケース

適応課題を解決するには、「対話」を通じて、「自分」と「相手」で新しい関係を構築することだとあります。そして、対話のプロセスを「溝に橋を架ける」という行為としてプロセスを4つにまとめています。

対話のプロセス
- 1. 準備:「溝に気づく」
- 2. 観察:「溝の向こうを眺める」
- 3. 解釈:「溝を渡り橋を設計する」
- 4. 介入:「溝に橋を架ける」

自分の「箱」を理解し、相手を「人」として認識すること

この対話プロセスを読んでいて「自分の小さな「箱」から脱出する方法」の自分「箱」にはいってることを認識し、相手を「人」という存在として認識するというのと共通するものがあると感じました。仕事などに集中してしまう時、無意識のうちに、自分以外の相手を道具のように扱ってしまいます。そうすることで、誤った判断/行動をしています。解決方法として、自分が小さな「箱」にはいっていることを認識し、相手を「人」として認識することです。

本書では、関係性の問題は、「ナラティブ」(解釈の枠組みとしての物語)」が異なることの理解不足により発生しているとあります。そして、適応課題を解決するために、相手の「ナラティブ」を理解し、相手との解決策を見つけることです。

これはあくまで、相手との解決策を発見するための手段です、決して、相手のナラティブを忖度し、迎合するための手段ではありません。
意見の違う相手や組織の中でコンフリクトがあるなかで事業を推進する際に、参考になる情報だと思いました。

本日の1枚まとめ

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本日のメモ

頭が痛くて、吐き気もします。風邪引いたか、ウィルス腸炎か、、

支援は、コミュニティ研究の取材、サービス開発などに費用にあてさせて頂きます。