『イニシエーション・ラブ』ブックレビュー
著者 乾くるみ
刊行 2004年
もう一度読み返したくなる、と言われるミリオンセラー恋愛小説。
名作『イニシエーション・ラブ』を、ネタバレせずに紹介します。
ドタキャンしたメンツの代役、つまりは人数合わせのため合コンに呼ばれる鈴木。
雰囲気を味わってみようという軽いノリで、参加を決めた。
しかし酒の席で、女性も参加するとなれば、周囲から孤立する予想をしていた。
自分が喋ることで賑やかな場を白けさせるかもしれない。
そんな不安から緊張を感じ始める鈴木だが、なんとか会話の調子を合わせていく。
合コンで恋愛相手を探すつもりもなかったはずなのに、気が付くとひとりの女性に注目していた。
彼女へ向かう好意はとどまることなく加速していく。
初々しくも大胆な激動ラブストーリー。
各章のタイトルには内容に沿ったヒット曲の名がつけられています。
https://a.r10.to/hyTUqZ
ここからは感想というか、私の解釈を述べます。
太字のあたりがポイントになるかな。
カノジョは欲しいと思っていたが、合コンがきっかけの簡単で軽い恋愛などしたくない。
そんな考えを持っていた鈴木だが、マユコを見た瞬間から夢中になる。
“マユコは軽い女などではない”
鈴木の勝手な臆測ではあるが、好きになった相手に悪いイメージを持ちたくないのだろう。
ふたりの仲が発展するにつれ、鈴木の心境に変化が訪れていく。
胸が高鳴る恋愛に刺激を受けた鈴木は、それまでの凝り固まった考えから抜け出て、もっと冒険をして生きようと思ったのだ。
相手を思っての行動には、ときとして平常の精神を凌駕してしまうものがある。
鈴木には輝かしい未来しか見えていない。
幸せの陰には危うさが隠れているのだ。
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