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おすすめハラスメントを許すな
生きていてそれなりに人付き合いがあると友人知人はたまた先輩や上司から何かをおすすめされる事があると思う。
それがアニメなのか漫画なのかスポーツなのか温泉なのかは人それぞれ趣味によって違ってくると思う。
筆者は実際に友人知人からよくアニメやお笑い番組などネットで見れる動画をおすすめされる事が多い。
それ自体はまぁどちらかと言えばプラスの事だと言えるのではないだろうか。
自分の知らないアニメを知るきっかけになって、そこから面白いと思えたりハマる事もあるからだ。
なら、人からおすすめされる事は問題ではないしおすすめハラスメントだなんて言うのは良くないのではないだろうか?
ただ、それは的確な頻度と筆者の好みを理解した上でおすすめされたという前提のもと成り立つ話である。
そもそも自分からおすすめのアニメを教えてと言っていないのにも関わらず、人からおすすめのアニメを教えられる事は何だか疲れてしまうのである。
筆者は天邪鬼な部分も持ち合わせているので、正直人から安易におすすめされたアニメはあまり見る気にならない。
きっと友人からすると自分の好きなアニメを見て一緒に話したい、そういった動機で勧めてくるのであろう。
それはそれで筆者が本当に毎日暇を持て余している暇人なら良いのだが、あいにく筆者は自分が気になっているアニメや漫画すら見れていないのが現状なのである。
それなのに頼んでもいないのにおすすめされると何だか見なければいけない義務感を多少なりとも感じてしまうのだ。
無論気が向いたら見るねと言ってやり過ごす時もあるが、筆者の気になっているアニメや漫画群に強引に割り込まれる感覚を覚える。
以前、こんな事があった。
昨年の夏頃だろうか、筆者は友人の1人よりリゼロとこのすばを同時におすすめされた。
どちらも有名なアニメで筆者も前から気にはなっていたし、どちらもアマプラで視聴できたので、リゼロとこのすばについて情報収集してより面白そうだと感じたリゼロを視聴した。
実際、リゼロは続きがとても気になるアニメで久々に面白いものを見れた。(エミリアたんの太ももとレムのおっぱいに挟まれたい)
そんなリゼロを視聴しているタイミングだったが、友人としてはこのすばを是非見て欲しかったらしくさらにはアマプラで配信期限も先に来てしまうとの事でLINEで「おすすめしたこのすば、もうすぐ配信期限間近だよ」と言われた。
とは言え、すっかりリゼロ厨になっていた筆者としてはリゼロを見てからこのすばを見ればいいやくらいに思っていて、あまり配信期限は気にしていなかった。
リゼロも見終わった頃、異世界転生ものが連チャンになるのでこのすばを見る前にこれまた友人よりおすすめされた女子無駄を見てからアマプラでこのすばを見ようとした。
そうすると、このすばはアマプラにて配信が終了してしまっていた。
情報収集で気にはなっていた作品だったので、配信終了してしまった旨を友人に悲しみのLINEを送ったらこう言われた。
「早く見て欲しいと言ったつもりだったんだけどね」
この発言には筆者も少し面白くなさを覚えた。
しかし、結果としてこのすばもAbemaTVを駆使して何とか視聴する事が出来た。
このすばもリゼロとはまた違った面白さのある異世界転生もので良かった。(ダクネスとウィズのおっぱいに包まれたい)
そしてその友人と直接会う機会があったので、リゼロやこのすばについて語ろうと思って話した。
しかし、どうも筆者と友人間で語りに温度差があるのを感じた。
筆者が見たばかりというのもあるだろうが、それにしてもおすすめした本人の方が熱量が低いのはどういう事だろうか?
おすすめしておいて見たのにそれは無責任な態度ではないか?
と、その時率直に思ってしまった。
それからもその友人からは何かと自分の見たアニメをやたら「神アニメ」という一言でおすすめしてくるようになった。
筆者の感覚では神アニメと呼べるアニメなんてそうそうないのだが、明らかにその単語を多用されると萎えてしまう。
というかおすすめするなら「神アニメ」という一言で単純に片付けるのではなく、簡単にプレゼンの1つでもして欲しいところである。
とまぁ、そんな事もあったのだが、これだけおすすめされたのを見ているのだから、筆者も1つくらいおすすめさせて欲しいと思い、その友人には「彼方のアストラ」を勧めた。
彼方のアストラは筆者がここ数年見た中で1番よくできていると感じて、主観抜きで万人にも勧められる作品だと思ったので。
しかし、間の悪い事にアマプラでは配信していなかったので、半ば押し貸しという形ではあるが彼方のアストラの漫画全巻セットを友人宅に置いて帰った。
それから暫くしても彼方のアストラを読んだよという報告も感想も一切上がってこず、LINEでは淡々と別の話題が繰り広げられていた。
痺れを切れして「彼方のアストラ読んだ?」と聞いてみたら、『3巻まで読んだけど面白いね』との返答。
それならまぁ直に全巻読むだろうと思って待っていたら読んだ報告も感想も相変わらずなく、結局4ヵ月後にまたその友人宅に行った時も全巻読んでなかったので回収した。
たかだか全5巻の漫画をである。
筆者はこれまでにおすすめされた何作品かのアニメを見てしっかり感想も述べたのに、筆者からおすすめした漫画は1つもまともに見て貰えなかった。
こんなバカな事はあるだろうか。
そう思ったら何だか余計に人からおすすめされるのがしんどくなってしまった。
実はつい先日もその友人からアマプラで見る事のできるお笑い芸人の番組をおすすめされて、友人宅に行った時にTVで半ば強引に鑑賞会が始まった。
ちなみに筆者はお笑い芸人にはそこまで興味がなく詳しくない。
しかし、他に見たいものもなかったので2時間ほど鑑賞したが正直言ってあまり面白くなかった。
年末のガキ使の寒いノリが個人的にはあまり好きではないのだが、延々とそれを見ているかのような気分にさせられた。
その時に脳裏に「おすすめハラスメント」という単語がよぎった。
現代ではパワハラ・セクハラ・ロジハラ・キメハラといった多くのハラスメントが叫ばれるようになった世の中であるが、おすすめハラスメントも実は蔓延っているのではないだろうか?
そう思ってGoogleの検索窓に「おすすめハラスメント」という単語を入力して検索したが、2021年3月現在ではまだ出てこなかった。
もしかしたら数ヶ月後には同じような思いをした人が「おすすめハラスメント」と検索した時にこの記事が出てくるのかもしれない。
もし見つけた時にはコメントにでもご自身の事例を書いて頂ければと思う。
最後におすすめハラスメントの定義と、人に何かをおすすめする時の心構えを書いて終わりにしたい。
おすすめハラスメントの定義
・おすすめを聞かれてもいないのに、むやみやたらに人に何かをおすすめする
・自分のおすすめするものを強引に見せたりやらせたりする
・自分のおすすめしたものを見たりやらなかったりした時に責めるような言動をとる
・相手の好みや趣味嗜好をしっかり理解しないで、自分の好みや趣味嗜好に合うというだけで安易におすすめする
人におすすめする時の心構え
・おすすめしたものは見てもらったりやってもらったりして当たり前と思ってはいけない
・相手が自分のおすすめしたものを見てもらったりやってもらったりした時はしっかりと感謝を伝えて、そのおすすめしたものの話をする時は同等以上の熱量で応える(逆に言うと自身の中に熱量がそこまでないものは安易におすすめすべきではない)
・人におすすめする以上は自分もおすすめされた時にしっかりとそれに向き合う