How to Portrait./ポートレートの撮り方。
人生は旅だ
"I'm enough"
うまく生きるを手放して
私の中に光るものを拾い上げて
踊るように、笑うように
何色でもない
わたしだけの色
今の全てがわたしを作る
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あるターニングポイントを迎えた彼女。
そんな彼女から依頼を受け撮影しました。
わたしは、山形県在住で写真活動をしているPhotographerのKajiwaraと申します。
”natural posture/自然体”をテーマに、クライアントワークをしながら、個人の作家としての活動もしております。
わたしのHPです。
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先ずは写真をどうぞ。
photo / 白と黒
全ての写真はこちらから。
いかがでしたか?
今回は、このポートレートを撮影するまでに自分がした事、考えた事を全て記そうと思います。
結論:良い写真は、撮る前に何をしたのかが重要です。
フォトグラファーと名乗り、クライアントワークをしている人間が何を考え、何を行動し、この写真を撮ったのか。
公開している写真全てを解説していきます。
写真を撮る側の人も、撮られる側の人も、参考になる内容だと思ってます。
ポートレート撮影をする方々に対して何かしらのヒントになれば幸いです。
先ずはテーマとイメージを共有しましょう
私が依頼を受けて先ず一番最初にする事。
それは、ビジョンのすり合わせと共有です。
良い写真を撮りたいのは誰しもが思うこと。
その為に、撮る目的を互いにすり合わせ、共通のイメージを持つことが重要です。*ビジネスも一緒で、戦略と戦術の話っすね。
そこの共有がないまま撮影すると、その場しのぎの撮影になり、色々撮ってみたけど、イマイチ説得力の無い、普通のポートレートで終わる可能性が高くなります。
ビジョンのすり合わせには、言語化が必須です。
そこで、撮りたいテーマやイメージのキーワードを先ずはクライアントに考えてもらいます。
そのテーマやキーワードから、自分がイメージしたビジョンを言語化し相手に伝え合意形成を図ります。
先ずは、抽象度が高いところから始め、そこから具体に落とし込みます。
これは、写真を撮る中で、一番重要な作業です。
ここで7割決まると思ってます。
今回の撮影で依頼者様から来たテーマとキーワードがこちら。
テーマに至るストーリー(背景)も貰ってますが、ここは割愛。
これを受けて撮りたいテーマとして自分が提案したのが二つ。
人生と余白
自分色と未来
クライアントのこれからの可能性しかない未来と、華やかだけじゃない現実を表現しながら、それを受け入れ歩む本人の等身大を撮りたいと思い、人生と余白をいうテーマが浮かび上がってきました。
また、自分という色に染まりながら、未来に向けて旅をする彼女を撮りたいと感じ、二つ目のテーマには自分色と未来を提案しました。
イメージカラーとしては、白と黒をイメージしました。
白:軽やか、はじまり、純潔
黒:覚悟、ゆらめき、不安、決心
これは、後ほど現像する際の自分のイメージになります。
ここも事前に頭の中で、設定してました。
また、事前にある程度具体的なメインビジュアルを共有します。
そのメインビジュアルを幹として、当日の現場で起こる色々な変数に対応しながら枝葉のアイデアを提案するって感じです。
撮影場所や天気など、自分じゃどうにもならない変数が、具体的な目的になってしまうと、順応性に欠けます。どんな状態でも撮るテーマやイメージを共有して、限りある環境でも対応できるような抽象度を上げたテーマやイメージ作りが最適です。
趣味で撮られている方の場合、上記の共有が無いまま、場所だけを決めてなんとなく撮る方も多いと思います。
ですが、この段取りの有無で、写真のクオリティも全然違うかなと私は思うのです。
実際の写真を用いて解説します。(全13枚)
では、そんなテーマで撮った実際の写真たちを用いて解説していきます。
*実際には500枚ほど撮っていて、その中から120枚を納品してます。
この13枚はその中から抜粋したものです。
当日は、雨のち雪。風も強く時間帯で天気が大きく変動し、予測が難しい撮影日でした。
(撮影日はこの日で必ず撮る必要があり、別日への移行ができませんでした)
撮るロケーションとして構想していたのは2点。
【静】家内撮影で、依頼者様本来の素の部分に向き合う写真を撮る。自己、余白をイメージ
【動】電車の中とホームで撮影。旅、自由、未来をイメージ。
あとは、天気次第で外でって感じを当日の朝に自身の脳内で設定してました。
先ずは、家内撮影。
天気予報から前日にモデルハウスをレンタルさせていただきました。
現場の光の入り方や構図設定をして、依頼者様と現場でどのような写真を撮るか再度イメージのすり合わせ。
その後撮影開始。
一枚目
ソファーがあったので、髪をセットしてきたのに(笑)、いきなり寝てもらうところから撮影しました。
先ずはリラックスから。
このシーンでは素顔の中にある、彼女自身の中身を撮りたかったので、おしゃべりをしながら撮影しました。
彼女の目が非常に強く印象的だったので、少し目元が緩くなっている瞬間にシャッターを切りました。
どうしても最初は、カメラ目線で撮ると、意識しすぎて何処となく不自然な表情になりますが、喋りながら少し意識をカメラから遠ざけて撮影を開始。
いい表情の彼女が撮れた一枚だと思います。
二枚目
リラックスしたところで、いよいよ撮影モードで撮り始めます。
因みに連写は好きじゃないので、基本的には連写モードで撮影はしません。
「撮れた」じゃなくて「撮った」でありたいので。
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