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【#n】おつまみ考察【ブラスフェマス・考察】

 プレイ中やテキスト回収中に気になったものを雑多に書いていきます。ふんわりしていたり、疑問のままのものもあります。

※ネタバレを含みます。



・三人の祭司長

 祭司長については明言されている情報が分散しているので、ただの「仮面のパーツの人」になってしまいがちですが…。

 聖下エスクリバーに何らかの謎を解明するよう使命を与えられた三人の祭司長のようです。
 聖下が祭司長たちに調べさせたのはおそらく、克己の聖傷テキストにある「反転の玉座の先、巡礼の最終地点、パリウムとベルベットの地」についてと思われます(明言はないが「教皇エスクリバーが辿り着くことのできなかった」→聖下にも成しえなかったと言われている事柄がこれくらいしか出てこないので…)。しかし祭司長たちはその答えに行き着くことはなかったようです。

【ドルフォス】
 銀の魅力に憑りつかれた祭司長。「ドルフォスの銀肺」等、フレーバーテキストやアイテム上での情報が多い人物。

 焦貌の聖女修道院を管理していたのはドルフォスだろうと推測できます。
・「高山の鍵」の伝承は銀に関する言及から、おそらく語り手はドルフォス。
・ドルフォスの鏡仮面の伝承に金細工職人についての言及あり。修道女たちの身に付けている仮面を作る職人がいたはず。
・封印されたサファイアの文章「自身を俗世から隔絶しようとした者、自らの選択によって自身を閉じ込めた者のもとには…」は、修道女たちにもドルフォスにも当てはまる。
(自ら志願して厳しい山頂にある焦貌の聖女修道院に来た修道女、伝承「ドルフォスの告白」シリーズから俗世を厭い一人になることを望んだドルフォス。)


【オレステス、クレセンテ】
 ドルフォスに対し情報が少ないですが、おそらくクレセンテの師匠がオレステスと思われます。

クレセンテの告白
残酷に過ぎていく時は、私がかつて父として崇めた者の精神に大きな損害を与えた。彼は村に蔓延する偽りの迷信を心の底から信じ込み、心を奪われてしまった。その濁り曇ってしまった目で母なる神の祭壇を漁り、存在しないものを探している。そしてドルフォスも今や、輝ける御方を裏切ってしまった。内観主義を言い訳に用いて、怠惰と信仰心の無さを隠しながら彼は、信奉者と共にあの凍える塔の中に閉じこもっている。残ったのはこの私だけだ。適切な判断を下し、大理石の間に登ることのできる、この私だけが残った。終わりなき本棚に保管された禁書の数々も、答えを探し求める私の熱意に抗することはできないだろう。

攻略アイテム『クレセンテの彫仮面』伝承より

 主語を補足すると「私がかつて父として崇めた者」は師オレステス、「輝ける御方」はエスクリバー。
 オレステスが「母なる神の祭壇を漁り、存在しないものを探している。」というのは、万母の母の埋葬された聖人メルキアデスの墓を暴いたということかもしれません。(メルキアデス戦の後にオレステスの仮面が手に入る点からみても…)
 海外wikiでもクレセンテの伝承文はドルフォスとオレステス「らしき」人物と言われていたため、はっきりとした言及ではないです。

 ちなみに海外wikiでクレセンテは女性ではないかという指摘があります。
確かにエレベーターにある三人の像のうち一人、女性かもという人物がいますね。

(余談)黒魔術師の仙骨

『禁書の図書館』の創設者であるこの司祭は、『暗黒の者』というあだ名で広く知られていた。妖術を実践していたところを捕まった彼は、異教の書に囲まれていたという。

遺骨『黒魔術師の仙骨』テキストより

 犯罪者や異端者、市井の人のものにまで個人名が記載されている遺骨の中で唯一、これのみ個人名が記載されていません。

 記載できない理由があるとすれば既に他の部分で名前が出てしまっている人物、禁書の図書館で拾えることからこのエリアに関する人物ということで、助祭長となったクレセンテではないだろうか…と個人的に深読みしてしまいました。
(クレセンテ女性説からみると“彼”と呼ばれている点に違和感がありますが)
 元々一司祭であり禁書を所持していたクレセンテが聖下の目に留まり、罪を咎める代わりに祭司長として、禁書の中から聖地へ至る道の情報を探させた…のかもしれません。



・マップにおける縦の描写

 3D的な構造のゲームでは「位置」の辻褄が合うよう設計されているのは珍しくないですが、ブラスフェマスもまたさりげなく、立体的な描写が織り交ぜられています。

 はじめに、スクショを切り貼りしただけですが下記にマップを掲載しておきます。最終アップデートにて追加されたエリアも含んでます。

マップ全体図(最終アプデ含)

※謎のマーカー(お地蔵さんみたいな顔のやつ)が付いてるのは気にしないでください…確か天使の位置メモ用と思われます。「悲哀なる修道院」エリアのスタート地点上部も1マス分埋まってません(上から落下すると埋まります)。


例1.「焦貌の聖女修道院」とテンチュディアの肉体

 棘の髪を持ったがために不条理に遺体をばら撒かれてしまったテンチュディア。彼女の伝承文によると、この奇蹟を天罰と考えた両親は彼女をある修道院へ送ります。

(中略)彼女を修練者として、はるか遠くの修道院へと追放し、そこに閉じ込めた。この修道院は厳しく封鎖されていることで有名で、ここであればこの異端なる存在は人々に見つからないだろうと、両親は考えたのだ」

攻略アイテム『テンチュディアの遺肉』伝承より

 しかしその棘の髪が他の修道女達に見つかり、宗教裁判官からの処罰を恐れ秘密裏に殺されてしまいます。

(中略)遺体は、修道院の周囲にばらまかれた。埋葬された遺体がバラバラで、全身が同じ場所に埋められていなければ、その魂は夢の向こう岸に渡ることができないからだ」

攻略アイテム『テンチュディアの遺骨』伝承より

 サブクエストで悔悟者はバラバラになった遺体を集めます。彼女の三つの遺体(遺骨、髪束、遺肉)が拾える場所をマップで見ると、極端に離れた位置ではありません。

テンチュディアの遺体のある場所(3か所)


 個人的な…いわゆるゲーム的思考だと、もっとマップ上に広く分布するよう配置したいところだと思います。実際このクエストは、青銅の門を通過する前(作品序盤~中盤)に完了できてしまいます。

 しかしこれは敢えて逸話に沿った位置、つまり焦貌の聖女修道院をテンチュディアのいた修道院と仮定して、修道院の位置する山頂からばら撒かれて落ちたような配置にされたのではないか…と推測できます。


例2.聖禁の壁と静寂の中庭にある遺体

この聖なる床の上であれば安全だ。足音も恐怖の声も、聞かれる心配はない。奇蹟は、木から落ちるオレンジが音を立てないことを望んだ。柱や壁の間を吹き抜ける風の音だけが聞こえるようにと……そして今、私の耳に聞こえてくるのは、奇蹟による罰を受ける者たちの恐ろしい悲鳴だけ。私は辛抱強く待つだけだ。

遺体の声(静寂の中庭)より

 攻略ヒントやNPCの補足説明である場合も多い「遺体の声」ですが、この文章は何か意味深で抒情的なニュアンスを感じます。しかし一体何について言及しているのか…。

 内容自体が比喩的なので憶測ではありますが、この遺体の主は異端者の収容された監獄「聖禁の壁」から投身したのではないかと思われます。

聖禁の壁エリアと遺体のある場所


 正直あまり使わないショートカットなのですが、聖禁の壁から静寂の中庭まで抜ける梯子が配置されています(上記拡大マップの、縦長緑色のエリア)。
 このことからも、「囚人を捕える壁」と「大聖堂の出入口(≒脱出口)となる中庭」が結びついていることが分かります。

 「木から落ちるオレンジ」は身を投げた彼自身であり、聖禁の壁から逃げおおせたことを示していて、肉体は滅びたとしても(自分の信仰した)神が再来するのを言霊となり待つのみ…という意味ではないでしょうか。



・『聖下エスクリバー』

 このゲームのラスボス、黒幕…と思われたのが一転、真エンドで天の意志の御許に至れなかった(上記「祭司長」参照)人物と判明しました。
 しかし最後に悔悟者と対峙するのはやはり彼であり、天の意志の守護者としての自己の在り方を見いだします。

宗教裁判長が身に付ける剣の熱はすさまじく、彼の到着が冷たい壁越しにわかるほどだったという。

『宗教裁判官の鍵』テキストより

  宗教裁判長は「剣」を所持していたという点から、聖下エスクリバー(あるいは彼の持つ剣が人の姿をとったものとか)だったのではないかと思います。

 ちなみに「宗教裁判"官"」と記載されているすべてのエピソードは聖下(または聖下の分身)ではないかとも思いましたが、遺骨の中に『宗教裁判官ラッセルの頭頂骨』があるのであくまでも役職名のようです。



・ティルソと口付けの廉施者たち

 ティルソをはじめとした口付けの廉施者が「時の流れが異常だ」と言っているのに、アルベロの村民は普通に苦しみなく日常を暮らしているように見えます。
 確かにアルベロの景色は一日中夕方のようなオレンジ色で、日没の続くままに見えます。

 しかし異常な時の流れを責め苦と訴えるのはティルソと廉施者たち、奇蹟の病?の罹患者のみなのではないでしょうか。

 仲間たちが死亡してゆく中のティルソの台詞「命の太陽が私たちを襲ったとき」という表現から、
・廉施者たちはかつて太陽を信仰していた集団だった
・しかし奇蹟により日没が続くようになり、太陽の信仰者たちに苦痛が与えられることとなった(他の信仰者や民衆は日没の中でも苦痛を受けない)

のでは…と思いました。

(太陽を信仰していた宗派が存在したらしい「雰囲気」はあるのですが、明示はされていません。父なる神を太陽と表現している可能性もあるので、はっきりしたところは何とも言えません)



・『レデント』の巡礼と『導師』

 たすけておじいちゃん、レデント。個人的に好きなNPCの一人です。

 しかしレデントは何を望んで旅をしていたのか。おそらく(石灰岩の小指、薬指、親指の伝承文から)巡礼することそのものに意味があるのかとは思いますが、彼は最期に旅の終わりを嘆いていたのか、苦痛が終わらない(罪悪感から解放されない)ことを嘆いているのか…。

 初見では導師に会うために旅をしていて、聖遺物の爪を見て導師の死を理解し、絶望した上での自死なのかとも思いました。
 ただ導師は初期の宗派の規律を定めているくらいなので、自身も高齢のレデントが導師に生きて会えると期待するでしょうか。

 巡礼そのものが目的だったとしても、長い間一緒に旅をした彼が死んでしまうシーンはとても悲しく、虚しさを感じる場面でもありました。もし自分が信仰を同じくする者であれば、亡くなった彼を祝福する気持ちになれたでしょうか。



・眠れる画廊の石像群

 「博識なる石灰眼」と「沈黙した鈴」のエピソードから、眠れる画廊の石像群の中には、真実を目撃してしまった人間が石化したものが含まれている可能性があると思います。眠れる画廊には謎の父子(「逆韻文の聖杯」伝承)が侵入していたりもします。
 眠れる画廊にある石像には布がかけられているものが多数残されているので、その中の一つがアラヴァロズや、侵入してはいけない場所を訪れた者達なのかもしれません。



・二連菱形のシンボル

 ブラスフェマスのシンボル(名前は不明なのでここでは便宜上「二連菱形」と呼んでいます)。聖母教会やペルペチュアの霊廟、地下の敵が持っている旗、告白者の石像周辺など、様々な場所に存在しています。
 ドットが細かいため見えづらい部分もありますが、微妙にデザイン違い(中心部にツイストワンがいない?ように見えるもの等)のシンボルも存在しています。

(余談)ブラスフェマス2のロゴ

(厳密にはブラスフェマスとは明言されてなさそう??なので、これで違うゲームの可能性もありますが…)「Ⅱ」のロゴが公開されていましたね。

https://twitter.com/qapitan/status/1627263194577108995?t=Da7jRtu5tHJpda49G9AHZg&s=19

 二連菱形かは不明瞭ですが、二重螺旋構造のような模様が彫刻されているように見えます。
 1の世界と源流は同じではありつつ、異なる宗派や団体がベースとなるかも…しれません。



・胆汁瓶

この胸から血を流しましょう。流れる赤い血で、空腹の者を満たすために。血よ、流れ出でよ。死せるこの大地に血が流れ、奇蹟のその目の前で祝福を授けるために。そしてこの地で休む者たちが、夢の向こう岸、永遠なる行進の道にて生きてゆけるために。血よ、流れ出でよ。

ロザリオ『伽藍鳥の彫像』伝承より


 この伝承は胆汁瓶を満たすことができる血の泉の人物のことかもしれません。
 伽藍鳥とはペリカンのことで、ペリカンが自らの血で子を育てるという伝説があったり、キリスト教でステンドグラスや建物の装飾のモチーフとしても使われているそうです。

 血液なのになぜ「胆汁瓶」?と思いますが、かつて胆汁を入れていた医療用の容器を代用して、聖なる血を持ち運んでいるよということかなと個人的には思いました。
 空の胆汁瓶の伝承を読むと「桶や瓶などの入れ物」とあるので、容器自体は何でもよさそう。



・ミウラの闘牛の深紅なる心臓

非常に獰猛な闘牛の死体から見つかると言われている、奇怪極まりない遺物。統治者の卵とも呼ばれている。所有者の苦しみを感知するとその表面が揺れ動くという性質を有しており、体力が少なくなった際の攻撃速度を上昇させる。
曇った眼の中で煌めいたその輝きは、異質なる不可視の太陽の日食による反射光であった。ありとあらゆる国境を超えてその名を轟かす、とある傑作が残した消えることのない印である。

ロザリオ『ミウラの闘牛の深紅なる心臓』テキストより

「すべてに感謝いたします、我が主よ」(伝承)
好きなフレーズの一つです。

 後半が微妙にわからないので、ごく個人的な意訳ですが
「曇った眼の中で煌めいたその輝きは、異国で生じた(肉眼では遠くて見えない)太陽の日食を反射した光であった。国境を超え名を轟かす傑作によって引き起こされた(?)、永遠のしるしである。」
みたいな感じでしょうか。"masterpiece"(傑作)が日食を指しているのか、とある人物が作った一級品という意味なのか、等々。

 ブラスフェマスは聖書や宗教関係の内容から引用された要素の他に、他のゲームやコンテンツをオマージュしたアイテムもいくつかあるため、ブラスフェマスをプレイしたラテン語圏、英語圏のゲーマー友達がいないと難しいかも…

(2024.8.26追記)
「ミウラの闘牛の深紅なる心臓」についてコメントいただいてます。
情報提供感謝です!



・「Videte Ne Quis Sciat」

 遺体の声で唯一、日本語訳されていない「Videte Ne Quis Sciat」。
(誰にも知られてはいけない、という意味らしいです。ラテン語の聖書からの引用で、盲目を治したイエスがそう患者に語ったとのことですが…
日本語の文献があまり見つからなかったので、気になる方は海外の記事を含めて調べてみてください。素人で申し訳ないです)

 初期実装遺体なので真エンドとの直接的な繋がりは無さそうです(game kitchenから出てる他のゲームのキーフレーズらしいです:5ch情報)。

 しかし四つ目の貌とクリサンタ(盲目)を考えると、何かを目撃してしまったものを封じる、痛みを伴う真実を隠すという意味もあるかもしれないですね。最終アップデートの内容が初期から決まっていればですが…



・小ネタ:悔悟者の梯子降り

 モーション改修があったらしく、steamの初期トレーラーでは現在のモーションとは異なる梯子の降り方をしているのが見られます。大の字にシャーッと滑り降りる様子が少しかわいい。






【ブラスフェマス(blasphemous)テキスト @Wiki】 https://w.atwiki.jp/text_blasphemous/  ←こちらは公式フレーバーテキストをまとめています。よかったら見てね。