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半年かけてマニュアルをつくり、半年経ちました。

今年ももうあと3週間ほどで終わってしまいますが、今年はどんな一年でしたでしょうか?
年を取る度に一年が早く過ぎると言いますが、本当に毎年そう感じています。

今年は社員数増加とそれを実現するためのマニュアル作りに取り組もうと考えて1年のスタートを切り、正月ごろから取り組みました。

マニュアルは業務に関する取り決めをまとめたものであり、
・会社が目指しているもの
・マーケティングはどのようにやるのか
・営業活動はどのようにやるのか
・朝会はどのようにやるのか
・採用後の社員教育の手順
といった内容をまとめたもので、プリントアウトしてファイルにまとめると3~4センチぐらいになる分厚いものになりました。
今回の記事では、なぜマニュアルをつくったのかや、感じた効果などについてまとめておきます。

なぜマニュアルをつくったのか

そもそも、今年は社員を採用して会社を大きくすることを目指した一年でした。
そのために年明けから採用活動を開始して、色々と試行錯誤を繰り返してきました。

採用広告を掲載したり、成果報酬型の採用サービスに申し込んでみたり、採用に関する本を読んだり、またセミナーに参加したりと取り組んできました。
結果として採用は7月の2名のみの1年となってしまい、反省点が多くまだまだ改善が必要ではあるなと感じています。
とはいえ、その2名が優秀だったので本当に運がよいというかなんというか、感謝しかありません。


もちろん、ここについては来年に再トライ予定ですが、社員数が増えてきてそれぞれの社員が自分なりのやり方で仕事に取り組むとどうなるでしょうか。

社員全員が自分の好きなように仕事をすると当然ですが、仕事が標準化しませんし、どのようなキャリアで入社してきたかが異なるために、提案するサービスや提案方法も一貫性がなくなってしまいます。
もし、この状況で問題が起きるとそれが会社全体の問題なのか、その人のやり方だけに問題があったのかもわからなくなってしまいます。

ここで問題を起こしてしまった社員に注意をするとなるとどうでしょう。
その社員は「前の会社ではこのやり方が当たり前だったのに・・・」と少し違和感を感じてしまうことにつながりかねません。

サービスを標準化して、何か問題があったら社員を注意するのではなくマニュアルに問題がないのかを調べて、改善していくという流れを取ることで、同じ問題は起きづらくなります。
社員が増えていくとしても、マニュアルがあれば戦力になってくれるまでの時間を短くすることができて、さらにそれが再現性高い状態を目指せるとも考えられます。

社員を増やしていくことを考えると、属人性をできる限り排除してまずはマニュアルに沿って仕事をすれば最低限の仕事ができるという状態を目指すことが大切と考えています。


どうやって運用している

マニュアルは今年になってから作り始め、半年後の6月頃にいったんの完成となりました。
もちろん、その後も細かく改善を続けていますが、大事なことはしっかりとそのマニュアル通りに仕事に取り組んでもらうことが大切です。

そのため、
・毎月一度は全体を通して読んでもらう
※数時間はかかります。
・特に営業についてのマニュアルは月の最初の打ち合わせ前に一読してもらう
といったお願いを社員にしています。

打ち合わせをただこなしていくのではなく、毎回の打ち合わせで何を目的にしているのか、どのような流れで提案をまとめていくのかを何度も何度も繰り返して読んでもらうことによって、標準化を図るように努めています。


課題もある

もちろん、課題がないわけではありません。
特に、せっかくマニュアルを作ってもいつの間にか自己流になっているという事態は発生してしまうものです。

マニュアルに「その日のうちにSFAに情報を入力する」と書かれていても、そうできていないケースがあったり、「毎日の掃除では掃除機をかける」と書いてあってもいつの間にかクイックルワイパーになっていたりと掃除がおろそかになっているケースもありました。

勝手に行動が楽なやり方に変わってそれがよしとなっている会社が成長していくことはありえません。
どうしても人間は正しいことよりも、楽な方法や自分にとって都合が良い方向に動いていってしまう性質があるためで成長は楽ではない方向への努力を要するケースが多いと考えているためです。

マニュアルにない行動でも良しとしてほったらかしにしておくと、
・電話すると書いてあるけど、相手はなんとなく忙しそうな時間だからメールにしよう
・郵送すると書いてあるけど、多分興味ないから送らなくてもよいかな
・毎日換気すると書いてあるけど、寒いから1日おきにしよう
と、少しずつ少しずつ、行動が変わっていってしまいます。

正しい方向への変化はよいことですが、その際はマニュアルそのものの文言を変えることが大切です。
マニュアルを変更せずして行動を変更していくのが当たり前になると会社の成長は難しくなります。


効果は?

マニュアルは作成にかなりの時間がかかり、改善の必要もあり、さらには定着するのにも時間や労力がかかります。
それでも効果はたくさんあります。

・マニュアルと異なる行動であれば注意することができる
会社という組織においては、『常識』が異なる社員が働いています。

例えばある人は待ち合わせの時間ちょうどに来るのが常識と考えていて、もう一人は最低でも5分前についていることが当たり前と考えているとします。
5分前についていることが当たり前の人が上司だとしたら「ちゃんと5分前に来ようよ」と部下に注意するかもしれませんが、これだと部下は「時間通りなのに・・・」と感じてしまうかもしれません。

でもマニュアルで
・待ち合わせは5分前についておくこと。
と書いてあれば、うちはこういうやり方なのでと伝えて標準化を図ることができますし、納得しやすくなります。

・営業を標準化できる
特定の社員に頼った営業ではなく、誰でもマニュアル通りにやればうまくいく状態ができれば、営業を標準化することが可能になります。
成約率が悪いのであれば、営業社員を責めるのではなく
・マニュアルのどこに問題があるのか
・マニュアル通りにできているのかどうか
といった原因を考えて改善につなげやすくなります。

・これから成長してくれる、素直な社員も採用対象にできる
中途採用だと即戦力を求めるのが一般的ですが、マニュアルがあれば素直で努力できる社員であれば採用を検討することが可能になります。
そうした社員を教育しながら、その社員教育の方法もマニュアル化していく、そうすれば成長への道が見えやすくなります。


今後は?

ラーニングスのマニュアルは作るのに半年ほどかかり、運用を開始してからもまだ半年です。
これから改善を重ねなければいけなませんし、しっかりと定着しているという段階でもありませんし、ここには課題を感じています。

これからも改善と定着に向けた取り組みは欠かせないでしょうが、でも、それでもマニュアルがあるとないとでは大きな違いを感じています。
7月に入社した社員も既に何年もラーニングスにいたかのように戦力として働いてくれていますが、もともとの力に加えてマニュアルやビジョンブックの効果もあったことと感じています。

自分の常識で人を叱責するとお互いにストレスが生まれてしまうものです。
人を責めるのではなく、マニュアルを見直して改善し、それを徹底してもらうことをこれからも取り組み続けたいと考えています。

なお、今年はマニュアル作成と社員数増加を目標としていましたが、来年もまた新しい取り組みを考えています。
今年もあと3週間ではありますが、逆に言えばまだ3週間あります。
来年に向けての準備も含めて、最後まで気を抜かずに仕事に取り組んでいきます!

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