きっと
ある時君がこう嘆いた。独りってなんなんだろう。
一つずつ解いてみる。今の自分はどう生きている?何に逡巡して生きている?そう問いかけてみた。
君は言う。分からない。ただ、僕だけが辛いなんてことは思ってないよ。みんな辛いんだ。そうなんだ。
痛いほど分かる。気持ちがとんでもなく滅入って、傍から見れば独りではない。落ち込んでいる時に寄り添って、声をかけてくれる人が居る。そしてその優しさに甘えて、自分の闇を少し分ければ、彼は言う。
「君だけじゃないよ」
分かっている。だがそうではない。君はただ、君を生きている君自身が辛くて苦しいと言っただけだ。他のことは範疇にない。限りなく主観的で、辛いのは君なんだよな。普段辛さを他人に口にしないのは、そう言われるのを分かっているし、そのような考え方も十二分に理解できた上で、
「僕が辛い」
という想いを抱いているからなんだよな。
ただただ、隣で「辛いよな、そうだよな」と聞いていて欲しいんだろう。君はそれさえも贅沢だと分かっていて、閉鎖的になってしまうのか。
苦しいほど分かる。僕がその想いを温めてやるさ。いつかとんでもなく沸騰して、生きる意味を見つけられそうになった時、僕と一緒に世界を見よう。
大丈夫。急がなくたって良いんだ。心灯して、呼吸できている。その灯火を消さないように僕は一生懸命手をかざす。君は体育座りで目を瞑って内に閉じ込もって居て。
来る未来の僕らはどこまでも行けるよ、きっと。