話題の「Replit Agent」の凄さ、活用テクニック、社会へのインパクト
テキストを入力するだけで、バックエンドまで含めたWebアプリケーションを生成してくれる「Replit Agent」が話題を集めています。
個人的にも、久々にAI領域で全ビジネスパーソンが触るべきツール、だと確信するくらい感動している機能です。
このnoteでは「Replit Agent」は何がすごいのか?、何ができるのか?使う際のコツは?将来への影響は?などの疑問に答える形で解説していきます。
「Replit Agent」は何がすごいのか?
Replit Agentは、ユーザーがテキストを入力するだけで、フロントエンドからバックエンドに至るまで、Webアプリケーションを生成してくれるAIツールです。
テキスト入力するだけでWebアプリを生成してくれるサービスとしては今までもvercel v0や、Boltなどがありましたが、Replit Agentはそれらと違い、以下の観点で革新的です。
今までの開発AIがフロントエンドエンジニア的だとすると、Replit Agentはフルスタックエンジニア的な存在である、と言えます。
イメージしやすいように、いくつか具体例を紹介します。
■ 読書管理アプリの作成
簡単なテキストで指示しただけで、
登録/ログイン機能あり
キーワードから国立国会図書館のAPIを叩いて書籍のデータとサムネイルを取得
各アカウント毎に読書のレビューのステータスを保存
という機能を持った読書管理サービスをつくることができました。
■ 記事やPDFのリンクから要約/ポッドキャスト生成サービスの作成
GoogleのNotebookLMのように、記事やPDFのリンクを渡すと、要約をしてくれ、さらに2人のAIパーソナリティによる日本語Podcast音声を生成するようなサービスも一瞬で作れてしまいました。
「Replit Agent」を使う際のコツ
Replit AgentでWEBサービスを生成する際は、以下のフローがオススメです。
① PerplexityやGoogleで作りたいイメージに関する技術ブログをピックアップ
② ChatGPTに記事を読ませて「基本機能」「API仕様」「技術スタック」を含む仕様書を作成させる
③ 仕様書の形でReplitに指示する
▼ 読書記録サービスをつくる際にChatGPTで生成した仕様書
雑に指示をしてもそこそこ動いてくれますが、# システム構成 や、# 技術スタック、 # API仕様 などの要素を定義して渡してあげた方が狙い通りのものが作れる感触はあります。
「Replit Agent」的なフルスタック開発エージェントが今後の働き方、ビジネスに与える影響
「Replit Agent」のようなフルスタック自律型開発エージェントが発展すると短期的には以下のような影響があるでしょう。
簡単な社内システムは非エンジニアでもガシガシ構築していくようになる
(現在でも社内に一人Zapierマスターがいると自動化が捗るように)商談時に顧客の眼の前でデモを一瞬でつくって営業するようになる
(営業の新たなスキル軸の一つになりそう)社内外の開発プロジェクトにおいて、バックエンドまで含めて動作するデモをまずつくってイメージ合わせするようになる
(モックアップくらいの労力でファンクショナルプロトタイプをつくるようになる)シンプルに開発コストの低下、開発期間の短縮が起こる
フルスタック自律型開発エージェントとの共同開発スキルがエンジニア的に重要になる
(実運用を考えるとReplit Agentなどで完結はしないので、どこまでを任せるかの線引き、AIが作るコード部分との連携、レビュー/修正プロセスなどの観点でAIとの共同開発が上手いエンジニアと下手なエンジニアで差が出そう)
そして長期的には、SNSによってコンテンツの制作コストが著しく下がり、大手メディアからインフルエンサーなどの個人にパワーが移っていったのと同様に、AIによってサービス制作のコストが著しく下がる(ほぼ0になる)と、企業という大きな単位が運営するSaaSサービスから個人制作の大量の無料サービスにパワーが移っていく、というのは言えそうです。
その中で、最近キーワードとして流行りだしているソロプレナー(1人起業家)的な存在も一般的になっていくでしょう。
まとめ
Replit Agentは、Web開発を新たな局面に入ることを予感させる革新的なツールです。
特に中小企業や個人開発者にとって、その低コストかつ迅速な開発能力は大きな恩恵をもたらすでしょう。長期的には、「コンテンツ」というものが企業が生み出すものから個人が生み出すものへと広がっていったのと同様に、「ソフトウェアサービス」というものも個人が生み出すものへと変化していくでしょう。
今後も要チェックな領域です。
私自身は、このような先端テックと、自社の事業戦略をリンクさせて、サービスの立ち上げ・成長を支援するアドバイザーとして活動しているので、ご興味ある方はラフにお話しできればと思いますので、以下からお気軽にご連絡頂けますと幸いです。
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