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第九話🧙‍♂️ 日本代表強化の鍵とラーメン屋との関係

ラーメン屋から事務所に歩いて帰る途中、
私は今日の会見の内容を思い出していた。

日本代表 新監督、ジョブ・トーマス氏、
会見の司会をしていた赤いドレスの女性、
そして、私の頭部から噴き出す汗、、、

すべてがフラッシュバックして、
それらが無関係だとは思えなかった。

我々は、きっとどこかで繋がっているのではないか。
そう思った。


そんなことを考えながら歩いていたら、歩道の小さな段差でつまずき、私は道路で豪快にこけてしまった。

痛かった…。

血は出なかったが、皮膚が少しこすれて、
かゆかった。

頭部からは、コップ一杯分くらいの水が噴き出した。

私は自力で立ち上がり、
何事もなかったかのように、再び歩き始めた。

ひゅう~と口笛を吹きながら、、、




(急いで事務所に戻り、記事を書き上げなくては…)

私は記者である。名前は 河田童子。

『バスケットボール・ナイト』というWEBサイトで記事を投稿している。

高校まではバスケットボールを勤しむごく普通の学生であったが、卒業後、10年間、海外に留学をしていた。アマゾン川流域で、船こぎのアルバイトをしながら、バスケットボール科学を学んでいた。
現在33さいになり、日本で記者をしている。

私は、“自分は暑さに強い”という自信があった。
しかし、今年の日本は暑い。
アマゾンでもこんなに暑くなかったのに。
日本はどうしてこんなに暑くなってしまったのだろう?

地球のオゾン層が破壊され、ちょうど今、日本の上空だけが頭頂部ハゲのように薄くなっていて、そこから太陽光線が降り注がれているのかもしれない。

オゾン層だって人間の頭髪と同じだ。
どんなに耳上や襟足に毛が生えていたとしても、頭頂部が薄ければ、それは大変な問題なのである。地球温暖化と同じくらい大変な問題なのである。

今、日本は大変なのだなぁ。。。

そんなことを考えながら、
私は事務所に向かって歩いていた…




記事の見出しは決まっている…

『日本代表新監督、強化の鍵は“フィジカル”!!』


会見中、何度も出てきた『フィジカル』という言葉。

『スピードではなく、フィジカル』、、、
何度もこの言葉が発せられた。

今、日本代表に必要なものは、
『フィジカル』だと断言していた。

世界を相手に『フィジカル』で勝てる選手、
接触から逃げない選手、
さらには、一対一でミスマッチを作れる選手、
こういう選手を監督自ら鍛え上げ、育てていきたいのだという。


具体的な選手の名前も何名か出てきた。


Yuki Kawamura、、、

Hirotaka Yoshii、、、

Yoshiyuki Matsuwaki、、、

Satoshi Shimura、、、

Koya Kawamata、、、

、、、


アルファベットで書いてみたが、実際の発音はきれいな日本語発音だった。


驚いたのは、そこに富樫勇樹選手の名前は無かったこと。

新生日本代表の方向性が見える、
“新しい”会見であった。


私はワクワクしていた……




さて、4時間ほど歩いただろうか。
事務所はすぐそこだ。

私は、美空川に架かる橋の手前で立ち止まり、辺りを見回し、誰もいないことを確認、
そのまま堤防の斜面を下った。

そして、橋の下へと駆け込む。

ここが私の事務所である。


橋の下は日陰になっており涼しかった。

(さあ、執筆に専念するぞ!!)




つづく🧙‍♂️