国分寺五郎のオヤジメシ料理帖 -なんちゃってツマミ集(大根葉の漬物、紅白なます、たたき胡瓜の昆布あえ、松前漬け、食べるいりこの佃煮)-
はじめに
本物の酒飲みは、お酒を飲んでる間は、酒がまずくなるからということで、米の飯は食べないという。そして〆の飯といって、最後にご飯を食べるらしい。一方、炭水化物大好き人間の私としては、ご飯を美味しく食べるため、お酒があるので、飲み始めると同時にご飯も食べる。ご飯と一緒だと酒がまずくなるという話も全く実感しない。運動中に水を飲むとバテルとの一昔前の絶対的戒めと同じく、一種の迷信のたぐいだとすら思えてしまう。
専業主婦という言葉が普通に存在した時代には、酒飲みの亭主が家に帰ると、晩酌と酒の肴が並ぶというのがよくある光景だったと思われる。共働きが主流となり、女性たちも活躍の場を外に求めるようになった現在では、そのような光景は今は昔となりにけりである。
そこで定年後の、特に酒飲みを自認するオヤジたちに、時代の趨勢にあわせ、ツマミを自活することを提案する。自作のツマミであれば、ご飯前にお酒をチビリチビリやってもだれも文句言わないだろう。
我が家では、メニューに困った時、居酒屋メニューと称して細々としたものをあれこれ作り、お家飲み屋を楽しんでいる。年金生活者として予算は限られるので、冷蔵庫にあるもの、あるいは業スーなどで安く手に入る食材で作っている。
本日のお題:なんちゃってツマミ集
①大根葉の漬物:短く残った大根葉で作る美味しい浅漬け
②紅白なます:千切した大根と人参だけで作る酢の物
③たたき胡瓜の昆布あえ:たたいた胡瓜と昆布をあえただけの浅漬け
④松前漬け:当たりめで作る松前漬け
⑤食べるいりこの佃煮:食べるいりこを使ったなんちゃって佃煮
食材
①大根:短く残った葉っぱでも立派な漬物が出来る
②人参:輪切りにして千切りにするため、太めのが良い
③胡瓜:たたけば味が良く浸み込む
④刻み昆布:業スーで238円
⑤食べるいりこ:業スーで348円
⑥当たりめ:100円ぐらい
⑦かつお節:おかかともいう
⑧お酒:酒飲み用のつまみなので、五品全部で使用した
調理
①大根葉の漬物
大根の葉っぱを切り取り、葉っぱの付け根部分を切り捨てる。大根の根の一番上2cmを漬物用に切り取る。なます用の大根も切り取り、残りの大根は新聞紙にくるんで、ポリ袋で冷蔵庫保存。
葉っぱを水洗いし(葉っぱの根元は土に気をつけ念入りに洗う)、塩をふり、軽くもんでおく(葉っぱが全部残っている大根の場合は、適当な長さに切って、塩して、軽くもむ)。漬物用の2㎝厚の大根は、皮をむいて1cm厚2枚に切り、さらに半分に切って半円にしてから短冊形に切り刻み、別途、塩して軽くもんでおく。
大根葉と短冊大根をときどき強くもむ。大根葉がしなっとなったら、絞ってから短く刻んで器に移す。同様に短冊形大根がしなっとなったら絞って器に加え、鷹の爪をはさみで切り入れ、ほんだし、酒、醤油を少々をかけてあえれば出来あがり。
②紅白なます
紅白なます用に大根を千切し、塩して、軽くもんでおく。同様に紅白なます用、そして松前漬け用に人参を千切し、塩して軽くもんでおく。大根も人参も最初薄く輪切りにし、その輪を細かく千切に刻むのが最も簡単な切り方。細い人参でもこの方法でOK。
大根も人参もときどき強くもんで、しなっとなったら絞る。ボウルに大根を移し、人参も加える(松前漬け用の人参を取り分ける)。念のためもう一度絞ってから、ほんだし、酒、砂糖、醤油それぞれ適量を、そして入れすぎに気をつけながら酢を加え、あえれば出来あがり。
③たたき胡瓜の昆布あえ
たたき胡瓜の昆布あえ、松前漬け、そして食べるいりこの佃煮用の器を3つ用意し、それぞれに適量の刻み昆布を入れ、酒でもどす。
胡瓜を水洗いし、両端を切り落とす。まな板にのせ、塩をかけて力を加えながら転がす(板摺する)。包丁の柄で胡瓜をたたきつぶす。つぶした胡瓜を酒でもどした刻み昆布の容器に投入し、醤油をかけ、あえれば出来あがり。
④松前漬け
松前漬けと、食べるいりこの佃煮用に、みりんと醤油と砂糖、それぞれお玉に一杯を混ぜ合わせ、一煮立ちさせてタレを作る。
はさみで当たりめをできるだけ細く切る。酒でもどした刻み昆布の容器に、取り分けておいた千切人参と、細く切った当たりめを投入し、タレを少々かけてあえれば出来上がり。
⑤食べるいりこの佃煮
フライパンに薄く油を敷いて、食べるいりこを焦がす。
全体に焼き色がついたらタレをかけ、タレが水あめ状になるまで煮詰める。酒でもどした刻み昆布の容器に移し、いりごまをかけ、かつお節をかけてあえればなんちゃって佃煮の出来上がり。
ツマミ 5品の出来上がり
大根葉の漬物、松前漬け、紅白なます、食べるいりこの佃煮、そしてたたき胡瓜の昆布あえのツマミ 5品の出来上がりです。いまからご飯前のチビリチビリの酒盛りです。上戸の女房殿にもお裾分けしようか。