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開発ストーリー「蒸しかごが生まれるまで」

油を使わずヘルシーで、茹でた時よりも食材の栄養価を損なわない蒸し料理。

健康のことを考えもっと取り入れたいと思っていても、蒸篭や蒸し器の準備や後片付けのことを考えると、おっくうになりがちです。

そんな悩みを解決するのが家事問屋の「蒸しかご

いつものフライパンで、簡単に蒸し料理が完成します。フライパンから取り出して、そのまま食卓に出しても違和感なく並べられます。

また、少量の水で蒸し料理ができるので、沸騰までの時間も短かく、手軽にもう一品増やすことができます。

口コミが口コミを呼び、今では家事問屋の中でも 3 本の指に入る人気製品となっています。

「手を抜く」のではなく、「手を掛けることのハードルを下げる」ことができたら。家事はきっと、もっと楽しい。そんな思いで細部にもこだわり抜いた「蒸しかご」の開発ストーリーをご紹介します。

入社初の製品開発。想いをカタチに…

「目の粗い網を、家事問屋でも何かに活かせないかな?」
「蒸しかご」はそんな発想から生まれました。

開発を担当したのは、当時入社3か月の20代女性。初めての製品開発でした。

「京都・金網つじさんの、目の粗い『とうふすくい』がとてもかわいくて大好きなんです。その網が『蒸しかご』誕生のきっかけになりました。目の粗い網ならではの“水切れの良さ”に着目して、何か作れないかなと考えたのです」

そこで注目したのが当社の「フライパン用蒸しプレート」。

パンチングが施された今の形状は、とても洗いやすく使いやすいのですが、その反面プレートに水が溜まったり、餃子や肉まんをそのまま載せると生地がくっついてしまったり…。

それを目の粗い網にすることで改善できるのではないか。社内でひたすら実験を繰り返し、製品図面を作成しました。

▲蒸しかご開発の際に注目した、当社の「フライパン用蒸しプレート 」

フライパンを使って「蒸す+水切れ」に着目

図面を携えて相談に伺ったのは、いつもお世話になっている株式会社リトルウッド。しかし、先方からは 「なかなか難しい…」との返答が。

細かな微調整をして図面を何度も引き直し、その都度サンプルを作っていただきました。

担当者が特にこだわったのは、
 ●そのまま食卓に出せるデザイン性
 ●洗いやすい形状
 ●器物からの取り出しやすさ
 ●小さな野菜が落ちない網目のサイズ
 ●脚の高さ

といった点でした。

特に脚の高さは、お湯がブクブクと沸騰した時にも食材に触れないようmm単位でいくつもサンプルを作り、テストを繰り返しました。

また、持ち手は高い方が持ちやすいのですが、ふたの邪魔になったり、食卓に上った時に存在感が出すぎたりしないよう、ちょうどいい高さを模索しました。

▲数mm単位で高さを調節した試作品の一部
▲取っ手がフライパンからはみ出ず、かつ食材にお湯が触れないギリギリの高さを求めてテスト

乗り越えて分かった、細かな気づき

入社3か月で担当した初めての製品開発。右も左もわからずもがきながらも、女性ならではの細やかな視点で、ディテールの美しさにもこだわりました。

「そのまま食卓に出しても手抜き感のないデザインにするため、横から見た時に、ワイヤーの曲線が網にきれいに沿うようにしたかったのですが、それは技術的に難しいことでした。

素人が『ああしたい、こうしたい』というだけではなかなか解決策が見つからないのですが、工場に何度も通い、工程を見たり、職人さんと話したりを繰り返し徐々に打ち解け、納得のいくものができました」

多忙な日々の中でも、手にしていただくことで少しでも気分が上がるようなもの。使い勝手が良く、長く愛用していただけるものにしたい。

新入社員のまっすぐな思いが詰まった「蒸しかご」は、半年の時間をかけてようやく完成したのでした。

▲網とワイヤーの曲線がきれいな横顔の美しさにもこだわりが

家事問屋では、電話やメールのやりとりのみで済ますこともできる時代だからこそ、対面のコミュニケーションを大切にしています。

こまめに工場に足を運び、現物を見ながら意見を交わす中で、職人さんから思いがけないアイデアが飛び出すことも多々。

何かあればすぐに工場に飛んでいく私たちに、職人さんも応えてくれます。

そうして地道に築いてきた信頼関係こそが、ものづくりの街・燕三条に拠点を置く家事問屋の大きな強みであり、財産です。

▲網製品を製造している創業64年の株式会社リトルウッド

開発者の想いが詰まった「蒸しかご」

「蒸しかご」は、広く使われている直径24cm、26cmのフライパンにちょうどいいサイズ。

蒸すのに必要な水の量は約150~200mlです。5mmほどの厚さにカットした野菜は5~6分で蒸しあがる、忙しい毎日の強い味方です。

野菜はもちろん、肉や魚、シュウマイや餃子の皮も網にくっつきにくく、水が溜まらないのできれいに蒸すことができます。おいしく仕上がる「蒸し枝豆」もオススメ。

少量の蒸し料理が手軽にでき、食卓にそのままサーブできるので、手間なくおかずを一品増やせて、洗い物を減らせるのもポイント。コンパクトで収納の場所も取りません。

蒸し器として以外に、揚げ物の油切り、水切りザル、ケーキクーラーなど、アイデア次第で幅広い使い方ができるところも好評いただいています。

▲揚げ物の油きりに。そのまま食卓へ
▲油揚げの油抜きにもちょうどいい

2019年に入社3か月の新入社員が初めて開発を手掛け、生産が追い付かないほどの人気製品となった「蒸しかご」

普段使いのフライパンにセットするだけだから、準備も後片付けも簡単です。

ちょっとハードルの高いイメージがあった蒸し料理が、忙しい毎日の強い味方に早変わり。

機能美をとことん追求した「蒸しかご」で、ヘルシーな蒸し料理をもっと気軽に楽しんでみませんか?

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