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【再編|絶望三部作】第1話 ①:Evermore(第2章:ガッタ・メイク・イット(ライフ))

こちらの物語は『メニー・クラシック・モーメンツ ~ Many Classic Moments ~』の ” スピンオフ作品 ” になります(期間限定公開)。

本作品は「2024年11月5日 12:00」をもちまして限定公開終了しました。
読んでいただいた読者の皆様には、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました^^

梶モード

第2章:ガッタ・メイク・イット(ライフ)

◆ 第1話:まつりばやし ①


 サトシとは、オンラインの掲示板で知り合った。

 当時、ゲイの出会いと言えば、新宿二丁目のようなゲイタウンへ繰り出すか、同性愛者向け雑誌の文通コーナーを経由してピンとくる ” 相手 ” とコンタクトを取る、というやり方が主流だった。
 インターネットというものが市民権を得る遥かに昔から ” オンラインで相手を見つける ” というスタイルをたしなんでいた二人は、ちょっと先を行く、未来人っぽい感覚を身につけていた、と言えるのかもしれない。
 限られた人間同士が閉鎖された特殊な空間でコミュニケーションに興じる…。
 黎明期れいめいきのサイバースペースなんて、そんな変わり者たちの ” サロン ” だった。
 俺がそこにいて、サトシもそこにいたっていうことは、きっと、そういうことなのだ。

 二人は知り合ってすぐに ” 意気投合 ” した。
 互いの素性が知れていないにもかかわらず、最初からやけに ” 会話チャット ” が弾んだ。
 相性が良い、というのはこういうことを言うのだろうか。
 寝る前にちょっとだけチャットしよう…、が、気付くとすっかり夜が明けていた。
 そんなことも二人の間ではザラだった。

 そんな関係がしばらく続いた数ヶ月後、突然彼から、

「今度の金曜の夜、会えませんか?」

 というメッセージが送られてきた。
 俺も「会ってみたい」という思いが募りに募っていたこともあって、素直にその気持ちをサトシにメールで伝えた。

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