福祉用具選定をリハ専門職が行うことへの違和感
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は「福祉用具選定をリハビリ専門職が行うことの違和感」をテーマに書いてみたいと思います。私個人の独断と偏見です。
病院に入院した利用者が退院時に福祉用具が必要になるケースは少なくありません。
「車いす」「歩行器」「手すり」「電動ベッド」等々の移動や自宅環境に関わる福祉用具を使用しないと「入院前の生活」を行うことが難しくなった場合です。
もちろん「入院」だけではなく、身体機能に変化があることで福祉用具を利用した方が良い「時期」がくることは多々あります。
その福祉用具を選定するに当たって「リハビリ専門職(以下:リハ専門職)」が代表に上げられますが私は個人的に違和感を感じています。
今日はそんな話を書いてみたいと思います。
リハビリ専門職とは??
ここで言うリハ専門職とは「PT(理学療法士)」「OT(作業療法士)」「ST(言語聴覚士)」を簡潔にリハ専門職と表現しています。
これもまた適切な表現ではないかもしれませんが、そこはご容赦ください。
簡単に言うとPTは立ち上がる・起き上がる・歩くなど日常生活を送る上での基本動作に対するフォローを、OTは食事や文字を書く動作、工芸・工作など手指を使う動作のフォローが主になります。
STは言語関係(失語・発音・コミュニケーション・嚥下)に対するフォローをする専門職です。
「足の先生」「手の先生」と入院した利用者が表現するのを聞いたことがありますが、足の先生はPT・手の先生はOTを現わしているのだと思います。
福祉用具の専門は??
福祉用具のスペシャリストは「福祉用具専門相談員」です。
福祉用具の「レンタル品」から「購入品」、または自宅の「改修」に関する様々な最新の情報を持っているのが「福祉用具専門相談員」だと私は思っています。
そう考えた時「福祉用具を選定する」のは「福祉用具専門相談員」の領域であって、リハビリ専門職が行うのは専門分野とは異なる行為だと思います。
なぜ私がそのような感覚を持っているかというと、私は元々「回復期病棟」のある病院で長らくケアマネジャー(以下:ケアマネ)として働いてきました。
そこでは入院中の患者が退院の目途が立つ頃にはリハ専門職が福祉用具に対してあれやこれやと提案をしケアマネに情報提供をしてきました。
「●●という車いすをデモで持ってきてもらえませんか?」
「●●と●●という歩行器を試したいのですが…」
と度々連絡をしてきて実際に福祉用具事業所へデモ納品(自社だからこそ出来た…)を依頼していましたが、正直退院後自宅の環境や利用用途を福祉用具専門相談員と見直して選定した方がバチっとハマることが多かった記憶があります。
当時はリハ専門職が退院前に自宅の環境確認の為に「家屋評価」なるものをやっていましたが、あくまで入院中の利用者の機能に合わせた福祉用具を選定するので退院後に変化することは多々あります。
何より福祉用具の専門は「福祉用具専門相談員」です。
「餅は餅屋」に任せるのが私は適切だと思っています。
では何故リハ専門職が福祉用具の選定をするの??
これはリハ専門職が「身体機能」の専門家だからだと思います。
脳梗塞後遺症や骨折などを経て「身体機能」に変化のあった利用者を機能向上を目的としてリハビリを行う。
その中で利用者個々の身体機能に合った動作方法等を提案するに当たって人によって必要になるのが「福祉用具」だから。
福祉用具が必要となった時にその勢いのままに「商品選定」までリハ専門職が行っていることが多いのだと思います。
でも冒頭にも書いたように「最新の情報」を持っているのは「福祉用具専門相談員」です。
ということは「身体機能」や「利用用途」を説明した上で、その状態にもっとも合った福祉用具を選定するのは「福祉用具専門相談員」が好ましい。
実際以前私が勤めていた組織の福祉用具専門相談員は非常に豊富な知識を持っていて、リハ専門職が利用者の身体機能を伝えれば適切な福祉用具を選定、もしくは提案してくれていました。
これが本来の役割なのだと私は思います。
現在の身体機能(出来ること・出来ないこと・リスク・禁忌動作)をリハ専門職が関係者(利用者家族・各専門職)に説明し、その上で必要なことを各々の専門職が利用者・利用者家族と共に考えていく。
それが「連携」なのだと私は思います。
でも、実際には至る所に「違和感」はあります。今回はリハ専門職の福祉用具選定を例に挙げましたが「違和感」を感じるところの多くが「専門領域外」に対する点。
その「違和感」を攻略するには、まず各々の専門職が各々の専門領域に対する知識を深めた上で「他の専門領域」を知る必要があるのだと私は思います。
要は学び続ける意識が大切ということですね。
これは自戒を含めてですが、私自身ももっと知識を深められるように精進していきます。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。