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御宿町を例に地方行政が苦悩していること(想像)と解決策(創造的)

令和2年度一般会計予算の概要を、ざっと見ましたが、気になったのは冒頭の「財政運営は硬直化していて、今後更に硬直化が懸念されます」で始まった報告書に解決策がないってことです。

職員一人ひとりが町政や町の財政状況を常に認識しつつ、知識や経験を最大限に発揮するとともに、これまで以上に全庁的な視点を持って、全ての事業に対して聖域を設けることなく、現在だけでなく将来の大きな需要を見据え、優先度により事業の取捨選択を行うなど抜本的な見直しを図ります。

https://www.town.onjuku.chiba.jp/content/files/kikakuzaiseika/zaisei/r2ippannkaikeiyosangaiyou.pdf

報告書は上手く作文せえ、じゃないと国や県からお金貰えないぞ ! という叱咤が聞こえてきそうです。ご担当者も大変だろうなぁ・・・と。
多分なんですが、報告書の書き方として、データ並べてるだけで、それをサマライズして、どのお金はどう使うべきだよね、だから来年からはこんなことをしたいと思います。その為に、この辺りは削っていきたいと思います。

職員の皆様も本音言ってしまうとそんな感じなんだと思うのですが、悪しき慣習とでもいいましょうか、「木を並べて森をみせない」報告&計画書って読んでも分かり辛いですし、本質的な課題と解決の道筋が見えてこないですよね。

これ、ベンチャー企業とかだと、執行部にめっちゃ怒られるパターンだと思うのです。ロジカルじゃないですねー、アクションプランもロードマップが無いっいすねー、などとボコボコにされると思います(笑)

基本方針の中には、6頁の(3) に、

全国で人口減少の進むこの時代に、各種計画を推進しながら健全財政を維持していくことは、非常に難しいことであることをしっかりと認識し、一つ一つの事務・事業について、現代にも将来世代住民にも責任を果たす目線を持ち、「これは必要である」、「必要でない」、「もっと推進すべきだ」、「無くしたほうが良い」など、客観的でフラットな視点を持ち、事務事業の改善やスリム化等を行い、真の住民幸福度向上に努めることとします。

と書いてあるので、分かってらっしゃるのだと思いますが、原因が「人口減少が進む時代」と時代のせいにしているところが、ちょっと気にくわないですね。それだと絶対良くならないので。

https://www.town.onjuku.chiba.jp/content/files/kikakuzaiseika/zaisei/H30kessangaiyou.pdf

例えば、「月の沙漠記念館運営事業」に月換算で200万使ってたり(これは平成30年度の資料より)、歳出の人件費が9億2400万(職員は77人のようなので)、単純に1人頭年間1200万換算です。但し、(平成30年の資料にある) 職員給与が4億6300万なので、約4.6億が理事とか?に払われているのか、、やはり、利権をがっつり守りましょうのニオイがぷんぷんしてきます。

これって、「無くしたほうが良い」など、客観的でフラットな視点でみられているのか疑問になります。

もちろん、建てちゃった建物(箱)は維持管理していかないといけなので、ある程度費用がかかるのは分かりますが、将来世代住民にも責任を果たすべきとは思います。

とっても川幅があるのは分かっているのですが、理想を掲げないことには、アクションプラン作れないでしょ~ということで、以下に思うことを綴ってみます。

☆御宿浜と御宿台を結ぶことで、お金が廻る仕組みを作る
①浜と高台を行き来する交通インフラを作る。

新興住宅地に越してきた人達が御宿浜でお金を落としてくれるインフラをつくるべきと思いました。
例えば、サンフランシスコのケーブルカーのような乗り物を浜⇔高台を廻るように走らせて、浜で酒飲んでも安心して家に帰れるようにすれば、人流ができますよね。
御宿浜に投資できない背景は、そもそも地域住民が行き辛いからなんじゃないかと。

②御宿浜に、御宿台の人が行きたくなるような複合施設を作る

2022年4月7日に放映されて「カンブリア宮殿」で紹介されていた「混ぜる建築」をされているサポーズデザインオフィスの発想が素晴らしいかったので引用させて頂くと、

https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2022/0407/

しまなみ海道沿いの倉庫をリニューアルするのに、表側は自転車と一緒に泊まれるホテルとしての顔を持ち、裏側にお洒落なカフェやパン店を集積させて地元の人たちが憩える場所の顔の二つを持たせました。

https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2022/0407/

今後の日本において、施設設計する際には、この発想がめっちゃ必要だと思うわけです。

御宿浜に東京からも行きたくなる「フィッシャーマンズワーフ」を作りたいとか考えても、夏以外どうすんのよ? って話になりますよね。近くの人があしげく通ってくれる場所として機能設計しておけば、冬場もある程度のお金が落ちる仕掛けは作れると思うのです。サウナ流行っているので、オーシャンビューの海を見ながら、サウナで「ととのう」みたいな。

ちなみに、御宿に古くから暮らしている人は浜に住居を構えていて、町役場が高台のてっぺんに移ったことで、登り坂を相当苦労して上がってるとのことで。若い人はまだしも、ご老人まで歩かせてるのは役場の人達見て見ぬふりなんでしょうか。
丘の上に立つ建物とか、どうも特権階級なイメージがあります。ここもお洒落なケーブルカーを運行させることで、観光対象にしていけるのではないかと。しかも、EVにしとけば、全国から自治体が視察に来るので町にお金が落ちます(^_-)-☆

③生活インフラを強化することに人を使う(雇用を生み出す)

御宿台には、トラックに食材を積んだ移動スーパーが来ているようです。
「とくし丸」が有名ですが、自治体がその仕組みを構築し、民営化していくことで、ビジネスで社会課題を解決することができると思うのです。

町が高齢化していくことで、当然胃袋が小さくなり、食材の消費は落ちていくと、大量仕入れ大量販売のスーパーマーケットのビジネスモデルが成り立たなくなり、食糧難民が増加します。
ここは、新型のビジネスモデルで対抗することもできるはずです。

最初の記事にも書きましたが、ホリエモンの「小麦の奴隷」のようなセントラルキッチンと物流を組み合わせた新型のインフラ(ビジネスモデル)を構築することで、より素材や味にこだわった美味しいものが食べられるようになるわけです。

クリーニング屋さんなんかも、工場と取次店、保管倉庫を組み合わせることでより便利なサービスが作れるはずなんです。

人口減により日本は不況になる、と言うのは簡単ですが、そう言っている人達って、日本の高度成長期のビジネスモデルしか見えていないんじゃないかと思ったりします。人口縮小期には、新たなビジネスモデルを作って運用していけば良いわけです。おそらく、日本の多くの企業の「中間管理職」だった人達は、イノベーションというリスクをはらなくても売上が上がった時代に生きた「時代で言えば、過去のビジネスモデルの改善& 見守り期」に生きた人達のような気がします。改革的、革新的な提案をすると、「お前、何を夢みたいなこと言ってんだ」「そんな暇あったら、一件でも多く営業して来い ! 」と言われて育ったからなんだと思うのです。

私も1984年広告代理店入社の昭和のザ・サラリーマンとして「パワハラ」と「セクハラ」しかない時代w に社会人として育ったので、「そんな暇あったら」を耳が痛くなるほど、言われました。でも、逆にあの時代はそれこそ「ガッツ」で売上が上がったから、それはそれで素敵な時代だったと感じています。

これからは、全体最適化の為の「グランドデザイン」を創る為に、よーく現状を観察、分析し、「これなら、廻るよね」というプランを具体的に創造していくことが求められているはずです。「コンパクトシティ化」なんかも重要です。

④町に移住者を呼ぶ為のPRを行う。

これも以下の記事でも触れましたが、流山市の成功事例を踏襲し、町役場にマーケティング課を作る必要があると考えています。

どなたかがyoutubeで語ってましたが、各自治体で人口の取り合いになると。それはそれで良いことなんじゃないでしょうか。競合差別化、インフラ開発、インセンティブ作り等は「マーケティング」が得意とするところです。モノを売る為のマーケッターから、ヒトを集める為のマーケッターが必要とされる時代に変わってきているわけです。両者、市場を見ていることに変わりませんが、より、自分達の狭域エリア(自治区)を俯瞰と詳細の両方で捉えていく、そんなタスクが求められています。

昔のようなマスプロダクション、マスメディアの時代ではなくなっていることに気付くべきです。私も広告代理店時代(20年以上前) は、クライアントの広告プランのコンペでテレビ局の全国放送でオンエアするTV-CMの制作(クリエイティブ)を勝ち取り、全国のTVスポット枠押さえ(俗称 線引き) する代理店に任命されることで大きく売上げることができたので、営業活動の目的にしていました。

その考え方を大きく変えることになった転機は20年前のネットベンチャーへの転職でした。その話は又別の機会に。

⑤医療インフラの整備

これも、壮大なテーマとなりますので別の機会に。

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