地方創生の切り札である「日本は観光立国を目指す」・・・できそうだけど、お役所改革が必要ですね。
「観光は日本再生の切り札になるのか? 」このテーマで、newpicks 有料動画「UPDATE」という番組が放映されています。(※有料会員じゃないと見ることはできません。)
ヒントが詰まりまくっていたので、3回ほど見ましたw
腹落ちした事項を、忘れないように下記にポイントごとにtake note
【対象記事】
見終わった後の私の感想をラフながら言ってしまうと、
日本は観光立国としてのポテンシャルは高いものの、今の縦割り行政ではお先真っ暗。
それと、テーマとズレますが、有識者が集まって語っているこんな貴重な番組、テレビで放送すれば良いのに、誰かの利権を守る為なのか、視聴率が取れなそうだからテレビではできない企画なのか、一部の意識高い人達にしか届かない社会資本としてのマスメディアのあり方に疑問を感じました。
以下、中身をポイントごとにまとめます。
🔳 インバウンド市場自体が新興市場で日本人は認識していないことが多数ある
ここ十数年前からインバウンド戦略(観光客を海外から来て貰う) が唱えられた。
それまでは、日本人による一泊二日の近場の旅行が大半
(午後3時にチェックインして温泉入って夕食→又温泉入って寝る→翌朝朝食食べて、チェックアウト) 3-4万位の出費⇒短すぎて周囲のアトラクションが育たない。
人口激増時代にできたビジネスモデルなので、大した満足度がなくても、とんでもない数が来るので成立した→日本人の人口減→インバウンド戦略に切り替わった
⇒呼び込みたい外国人は、一週間位滞在し、数百万お金を落としてくれる客
ここに大きな隔たりがありますね。
🔳 ラグジュアリーホテルが日本にない
ラグジュアリーホテルの定義
客室が最低50㎡、スイートで100㎡、200㎡
英語話せるコンシェルジュ、日本にどれだけいるのだろうか? 育成しないといけない。
バリ島はアマンができてから、客単価が急激に上がり、多くのラグジュアリーホテルができた。
日本はおそらく、自国資本ではできなさそうで、結局外資に売り渡して、立派なラグジュアリーホテルが建ちだして、初めてあー、こうすればいいんだ、と分かるんじゃないかと思います。
🔳 日本はカスタマーエクスペリエンスがなっていない
アホみたいな二つの事例
① JR東海はwifiは30分で切れる→技術大国だって自慢してたんじゃないの?
これは私も新幹線乗ると常に不便さ感じます。誰の判断で30分で切れるようにしたのでしょう。
新幹線の中で仕事すると、すぐ眠くなるから、するとデータ通信料がもったいないから30分で切ればいいんじゃない・・・と誰かが主張したんですかね。バカすぎますw
私は新幹線の中で、2時間位仕事してます。なので、物凄く不便です。
② 成田空港で、入国した海外の方の誘導版がALIEAN(エイリアン=宇宙人)と書いてあるそうです。正解はForeign passport holder だそうで。来てくれと言ってるくせに、「Alien」とか書いて、それで歓迎されていると感じるかよと。
日本人視点と外国人視点の違い
日本人の視点 / 電車の乗り方も分かる、観光協会に行けば沢山パンフレットがあることも知ってるし、マイカーでどこでも行けるからどこにでも行けるし、鎌倉時代と言えば、大体いつ頃かは分かる。
外国人視点 / クルマ運転しないし、ローカル電車乗り方分からないし、切符の買い方分からないし、海外からでは予約できないし・・・。NOしかない。
日本はDXが激しく遅れている
地方の良いもの、ほとんどサイトに載っていない、から検索できない、から絶対見つからない。観光局に丸投げで、3行位書かれているだけ・・・。それじゃ観光客が来るわけがない。
🔳 日本はソフトが異様に弱いのは、役場がやるから
花火、まつりが無料、文化財の入場料が安い 300円から上げられない。
アイドルタイムに食事を提供する→通常知見者がやるが、役場の人がメニュー作ったりする。失敗すると、二度とやりません・・・というところが多い。
自治体は✖がつかないように出世していきたいので、むしろやりたがらない。
民営化すべきだけど、どうやって収支を見ていくかが肝
祭りの席も100万、10万の席を作るとか、徳島の阿波踊りも2500円/席と安い。
世界には、アドベンチャーツーリズムというカテゴリーがある
ラフティング、サイクリスト(20泊していろんな日本を廻りたい) がいるが、日本には食べるところも、泊るところもない。口だけで、実際は全く「おもてなし」していない。
🔳 楽な方法ばかり追い求める日本人
自治体の観光課に呼ばれると、情報発信どうすればよいですか? と言われる。
泊まる場所ない、食べる場所ない、メニューが多言語化されていない、神社仏閣の歴史何も書いてない、アクティビティなんもない。
キャッチフレーズ作って情報発信しても、来てもらったとしても、一週間何をするか全く情報がない。
楽な方法→国から金貰って、ブランディング作って、キャラクター作って、キャッチフレーズ作って、SNSで情報発信【ほとんど無駄】
私は以前、広告代理店にいたので、テレビを使ってブランディング (安直に気を引く術) 文化を推進してきた来た身でもありますが、この実態にはパターン化されすぎた手抜き状況を感じずにはおれません。
🔳 出国税を上げたら、速攻で歳入が増える【これは名案】
出国税(国際観光旅客税) 1000円→5000円にすべき
インバウンド旅行者が増えればふえるほど、増える
タイ3000円、オーストラリア5000円、昔からあった(地球の歩き方)
2019年1月できた税で、年間500億円以上の歳入があった
3188万人の外国人が日本に来て帰った、日本人が2000万人出国したので、合計5000万人以上が出て行った。5000円にすると、2500億円以上の歳入になる。
出国税は目的税であり、観光インバウンドにしかつかえない。
リニア新幹線50年経ってもできない→鉄道は一般財源だから。
高速道はできる→ガソリン税は目的税を持っているから財源豊か。
🔳 気が遠くなりそうな、お役所の縦割り体制
ホテルなどの施設開発 国交省
国立公園だと環境省
スタッフの育成は文科省
文化財は文化庁
自然だと農水省
お酒だと国税庁
文化だと経産省
それぞれにお伺い立てていくとすると、気が遠くなりそうですよね。
管理が目的な行政組織の作り方なので、こうなっちゃうのでしょうね。
デジタル庁みたいな横串で運用していかないと、何も決まらない、何も進まない。
何も変わらない。日本に観光客来ない⇒地方創生にならない。
それだけ、「観光」というものは、広きに渡っている産業だと言うことですね。
旅館に泊まって地のものを食べ、地酒を飲むと一次産業が潤う。
裾野が広い為、いろんなとこが絡んでしまうという表裏一体の問題があるわけです。
🔳 観光は何のため?
アトキンソンさんまとめ
日本としては、外貨を稼ぐもありますが、地方創生(地方にお金が落ちるように) が真の目的。
人口減少で産業難しくなる、更に日本人観光客が減り続けていて、元々魅力的な資源、施設があっても、それを活用する日本人がいなくなった。潰すのもったいないので、代わりの人に来て貰う⇒それが観光産業ミッションだと明確に理解しないといけない。
🔳 備考【千葉の九十九里浜はポテンシャルが高い】
加藤さん曰く
日本には長い海岸線(アメリカの1.5倍)があり、以下の三つがあれば花開くはず。
ラグジュアリーホテル、プライベートビーチ、体験コンテンツ
又、フランスでは・・・
外国人に対して、固定資産税を減免してラグジュアリーなものを作って下さいと。
その代わり、オーナーが来ない時はairB&Bのように一般に貸して収益戻すんで。
そうすると、外国資本でラグジュアリーな建物ができる。
フランス人はバカンスにかける情熱が違う。
激しく考えさせられる番組でした。