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僕が福祉に熱狂した理由

こんにちは。
めちゃくちゃ福祉の仕事が好きで、
現在は障害のある人のヘルパーをしている
牧得生(マキヨシオ)と申します。

現在はヘルパーをしていますが、以前は生活介護施設(※1)で自閉症の方の支援をする仕事をしていました。

※1生活介護施設
常時介護を必要とする障がいのある人が、主に昼間通ってこられ、入浴や排泄、食事、創作的活動等を行う施設です。

百聞は一見に如かず。百見は1Doにしかず!?

生活介護施設で自閉症の人と関わるより前、僕はほとんど自閉症の方と関わったことはありませんでした。
それでも、勤務開始前から自閉症支援のスペシャリストたちが主催している「自閉症eサービス」
という研修サービスを受講していました。
とても勉強になる研修で、
・自閉症の人の特徴
・自閉症の人の支援で大切な考え方
・自閉症の人の支援の方法論
といった素晴らしい内容が盛り込まれていました。

その研修を複数回受け、現場に入っていきました。

「おし!!研修も受けたし、素晴らしい知識は手に入った!!できるぞ!!」

こう思っていました。

できないんですよね。
何も。
歯が立たないんです。

自傷行為で血まみれの腕。
破壊行為で突き抜ける壁。
いつまでも続く激しい叫び声

何ひとつコントロールできないんです。
(誰かをコントロールしようなんて、今思えばふざけた思いですが、、、)

研修で話を聞いても、研修で映像を見ても、実際に物事に直面しないと何もわからないんです。
何もできないんですよね。

毎日凹む

生活介護施設は当時開設直後で、僕を含めたった3人の職員がいるのみでした。

創業者のMさん
直属の上司のIさん
そして僕。

Mさん、Iさんは、当時すでにこの道のスペシャリストでした。
知識、経験、技術、人間的な魅力。
何をとっても圧倒的な差がありました。

・周りにいる人間はスペシャリストで圧倒的な差を見せつけられ
・僕が直面している利用者さんは、ずっと暴れてる、、、
(暴れているから「悪い」という意味ではありません。そうせざるをえない理由に僕自身が何もアプローチできていないことに対して、非力さを感じるわけです)

それはそれは凹みましたね、、、
この時は、本当に仕事が嫌になってしまいました。

これは俺の仕事じゃ!!

毎日毎日、何の役にも立たない自分に嫌気がさしながらの仕事、、、
それでも、そう思っているだけでは何も変わらないこともわかっています。

おそらく自分でも
「何とかしたい!!」
「何とか役にたちたい!!」
「いつまでも与えてもらっているだけではいやだ!!」
と思っていたんだと思います。

なので、無意識にも自分の役割を探していたんだと思います。

それで、見つけたのが
・表出コミュニケーションの支援(※2)
です。

※2「自分から誰かに何かを伝える」コミュニケーション。

自閉症の人の特徴として、
・コミュニケーションの困難さ
があります。

支援をする人は、おそらくですが
「自分が伝えたいことを、自閉症の人に伝えたい」
という思いが、先に来るのだと思います。

現場をスムーズにするため、
利用者さんに
「今何をする時か」
「終わったら何をするのか」
「今日のスケジュールはどうなっているのか」
そういったことを、適切に伝える必要はあります。
ですので、理解コミュニケーションの支援(※3)にまず注力している感じがありました。

※3「誰かからその人に何かを伝える」のが理解コミュニケーション。

僕が働いていた生活介護施設でも
「理解コミュニケーション支援は強い」
けど、
「表出コミュニケーション支援はまだ足りてない」
感じました。

理解コミュニケーションはめちゃくちゃ大事。
けど、
表出コミュニケーションも死ぬほど大事。
これが、僕が思ったことです。

自分の心の中を、誰にも伝えられない、、、
そして、その状況がずっと続く。
そんなこと、想像できません。

次何やるのかは理解できた。
けど、
「それやりたくない」
「本当は○○がやりたい」
が誰にも伝えられない。
そして、その状況がずっと続く。
そんなこと、想像できません。

けど、そんな状況の中で生活している人がいます。

「これは俺の仕事じゃ!!」
僕はそう思いました。

学び、実践

①表出コミュニケーションを自分の役割とする
②言葉のない自閉症の方が、一般的に人間ができるくらいのコミュニケーション力を持ってほしい

僕はそう決めてから、研修、セミナー、書籍、動画等、様々な媒体を利用して必死に勉強しました。
そして、実践させていただきました。

具体的な技術、方法については、別の記事に譲る方がいいかと思いますが、かなり成果はあったと感じています。

自分からは、ほぼほぼ何もアクションを起こさないHさん。
誰かから、何かを促されるまで、ずっと座ったまま。
そんなHさんが、
自分で椅子から立ち上がり、
「コーラを飲みたい」

と初めて伝えてくれた時の感動は、今でも忘れません。
(Hさんは音声言語を扱うことが困難でしたので、絵カードを使ってコミュニケーションを取ります)

些細なことかもしれません。
けど、人の心の中の思いを感じた瞬間です。
そして、そんな思いは誰もの心の中にあるのだと思います。

この思いに触れた瞬間だと思います。

僕は完全にこの仕事に熱狂していました。

絶対に達成したい

自閉症の人へのコミュニケーションは一定(いや、最低限)の成果を得たとは思います。
けど、全然それでは足りないんです。

通常人間は30000~40000語の語彙を自由自在に操り、他者とコミュニケーションを取っているそうです。
僕が当時関わっていた自閉症の人で獲得できた語彙数は、多い人で400程度。
全然足りないんです。

そして今、僕はこの生活介護施設ではなく、ヘルパーとして働いています。

そして、自閉症の方のコミュニケーション支援に関わる機会も相当少なくなっています。

けど、今でも思っています。

「自閉症の方が、一般的に人間ができるくらいのコミュニケーション力を絶対に持ってほしい」

さあ、どうやるか、、、??

まだまだやれることはあると思います。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!

皆さまの今日が、昨日より少しでも良くなりますように!!










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