「役者は一日にしてならず」千葉真一編
春日太一さんの著書、「役者は一日にしてならず」の読書感想文を書いております。
体操競技でオリンピックを目指していたけれど叶わず、東映に入社。家計を助けるために、
「芸能界なら大金が入る」
それが始まりだったと。
芸能界なら大金が入る…?
私にはまったくそういう発想がありませんでした。今もありません。
千葉真一さんの周りで、芸能界へ入って大金を得た人が実際にいたのかもしれないですね。
私は幼い頃から、いつか大金を手に入れたいとずっと思っているにも関わらず、ついぞ大金を手にしたことはありません。単に、覚悟が足りないのかもしれませんけれども。今からでも大金を手にしたいものです。
それでも、芸能界に入ろうとは、入れるとは、やっぱり思えないので、千葉さんのキッカケがお金目的だとしても、そこはやっぱり。映画に縁があったのではないかと思えます。
初主演作で、深作欣二監督の作品に出られる事になって。手の長さを計られた。自分用のライフルを作るためだった。
うわあああ!すごい!
映画撮影用に自分の手に合ったライフルを作る⁉️
凄すぎる。
時代も凄いんだろうし、深作欣二さんも凄いんだろうし。感動しますねー。
そこから、深作欣二監督の撮影のカット数の話が出てくるのですが、ははぁ〜と唸りました。
キイハンターの話では
「アメリカ映画になんで追いつけねぇんだろうっていう意識があって。同じ人間だ、あいつらにはまけたくねぇ」
そこからは、千葉真一しか出来ないやらないと思えるような武勇伝もあり、このイメージがずっと続いてます。
自分以外の動ける俳優を作ろうとして創設したJAC(ジャパンアクションクラブ)ですが、
「演技というのは顔でするんじゃなくて五体でするもの」
という言葉にも、なるほどでした。
「日本暗殺秘録」という作品のタイトルは初めて聞きましたが、これは見てみたい映画です。
その後、深作欣二監督の「仁義なき戦い〜広島死闘篇」で、それまでの千葉真一を捨てようと覚悟したそうです。
読み進めて行くと、演じるということは、やっぱりその役の人物になりきるほどに想像して身体で表現することなんだと思えますね。
表情や、セリフだけでなくて、体の動きにも出てくる。
だから普段の生活で、色々な人が色々な特徴を持ってますが、あれはやはりその人物の考え方が動作や表情にも出てくるんでしょうね。
インタビューの最後で、高倉健さんとのエピソードが語られています。
千葉真一が泣くほど感激した高倉健の言葉はほんの一言なんですが、そのたった一言が、有難くて有難くて泣くほど有難いと思える高倉健て凄すぎると思ってしまいました。
「あの人はいつでも人生に感謝している人なんだと思います。だから絶対に偉ぶらない。どんなペーペーの俳優が来ても、立ち上がって『高倉です』と挨拶をされる。僕も、あの人のおかげで人間を変えられました。僕は健さんの足元にも及びませんが、あの人みたいになりたいと今でもねがっています。ただ、映画に対する情熱だけは誰にも負けません。」
高倉健の凄さも伝わってくるけれど、あの人のおかげで人間を変えられました、と語る千葉真一は、やっぱり凄い。
そして私も。わたしたちも。
誰かとの出会いや、
こうやって凄い人たちがどんなふうに生きてきたかを読んだり見たり聞いたりすることで、人間を変えられるはず。
産まれた場所や、育った環境によって、なかなか思うようにならない人生であったとしても、ここから変わればいい。
これから変わればいい。
いつでも変え始める事ができる。
こうなると、竹原ピストルの「オールドルーキー」がまた聞きたくなってきます。これ聞いて、またがんばります。
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