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大人は、子どもの可能性を信じるだけでいい。むしろ、「期待」をやめよう。

こんにちは!
株式会社すみかの月館です。
「子どもを信じることの大切さ」について、最近改めて考える機会がありました。きっかけとなったのは、児童養護施設での出来事と、不登校の中学生の伴走支援でした。

私は、高校教員からプログラミングスクールに転職し、「安心して挑戦する環境を作る」をミッションに株式会社すみかを設立。学校では、探究コーディネーターとして探究学習・キャリア教育のコーディネート、企業には、3歳から大学まで届けられる教育プログラムを開発しています。なので、自称、教育と社会をミックスする「教育DJ」と謳っています。笑

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大人はつい、「こうしたほうがいい」「こうしなければいけない」と言いたくなっちゃいます。私もそうでした。教員2年目のときにおせっかいで、アドバイスをした女子から「キモい。死ね。」とすごい嫌な顔をされたことを今でも覚えています。そんなしくじり先生な私が教最近経験したエピソードを共有させてください。
本当に必要なのは、子どものやりたい気持ちを尊重し、信じて背中を押すことなのではないか、そんなことを感じた2人の伴走支援で僕自身が体験したエピソードを通じて伝えたいです。


料理人を夢見る高校生

1人目は、児童養護施設でのプログラム提供の際に出会った高校1年生の男の子です。彼が住む児童養護施設で「進路相談×自己理解ワークショップ」を昨年実施いたしました。彼は「料理人になりたい」と言っていたけれど、どうやったらなれるのか、そもそも本当に料理人になりたいのか、まだ漠然としていました。
そこで、実際に料理人の方に施設へ来てもらい、話をしてもらいました。料理人歴20年以上の方から「なぜ料理人になったのか」「仕事のやりがいは何か」などを伺いました。その中でも印象的だったのが、

「美味しい料理を提供して、人が喜ぶ姿を見られるのが、一番のやりがい。
何時間もかけて作った料理が、たった10分で食べ終わることもあるけれど、その一瞬の笑顔を見るだけで、また頑張ろうと思えるんです。」

それを聞く彼の表情が、とても印象的だった。話の最後、「じゃあ、一緒に料理を作ってみよう」となり、施設の子どもたちに料理を振る舞うことが決まりました。でも、だいたいこういう話は大人も含めて建前的な話で終わりがち。でも、彼は違いました。実現に向けて職員に相談し、実現することが決まりました。

当日は、料理人に施設に来てもらい、施設の職員、そして彼自身でスーパーに行き、食材を選びました。魚が好きな彼は、サンマを買い、料理人に教わりながら三枚おろしに挑戦。

※施設側から写真の使用許可を得ております。

ミシンの揚げ物、サラダ、プリン、味噌汁まで栄養たっぷりな献立を作り上げました。
昼の12時から夕方5時まで料理し、施設の子どもたちや職員に振る舞うと、
「えっ、これを作ったの!?」と驚きの声が上がりました。
職員も、彼の成長に驚き、ご飯を食べながら、感動していました。(僕は思わず食べながら泣きそうになっていました。)

この料理を振る舞った瞬間に、彼への眼差しは全員が変わりました。


不登校の中学生が沖縄へ

もう一つのエピソードは、中学3年生の男の子について。
彼の親から「2年間学校に行けておらず、高校進学の意義も見出せない。」と相談を受けました。彼は勉強が嫌いなのではなく、むしろ政治や経済について語るのは好きでした。でも、「何のために学ぶのか」が分からず、前に進めないでいました。そこで、「今やらないと後悔することって何かな?」と聞いてみました。
すると、「沖縄に行きたい」と。しかも、ただ行くだけじゃなく、「仙台経由で行ってみたい。」と、なんともチャレンジングなやってみたいことを教えてくれました。お母さんもそのチャレンジを応援してくれたため、そこから、一緒に計画を立てることとなりました。仙台では松島を訪れ、沖縄ではアメリカンビレッジに行くことなど、ミッションをいくつか考え、お母さんにチケットを買ってもらい、彼は実際に旅へ出ました。

旅の途中で彼は、随時インスタで近況報告をしてくれました。

そして、帰ってきた彼が話してくれたことが、また印象的だった。
・函館から仙台に向かう新幹線で、隣のおじさんと仲良くなったこと
・そのおじさんに「学校に行けていない」話をしたこと
・沖縄で外国人に英語で話しかけられたものの、全然理解できず悔しかったこと

大人でも体験できないような一期一会の出会いも体験してきました。そして彼は、「もっと英語を頑張らなきゃいけない」と自ら思うようになり、今までの英語の意味を再確認することができたようです。
彼にとって、この旅は「成功体験」となり、これからの自信につながるものになったのは、間違いないです。

この本を知っている人にしか伝わりませんが、喜多川泰さんの『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』をご存知でしょうか。

この本のあらすじは、

高校生の秋月和也は、小さなウソがきっかけで一人ディズニーランドへ行くことになる。しかし、不運が重なり飛行機を逃し、所持金わずか3,400円で帰る手段を失う。途方に暮れる彼に声をかけたのは、空港の土産物売場で働く一人の女性だった。旅の中で彼はさまざまな大人と出会い、彼らの言葉を通じて人生について考え始める。
本作は、予期せぬ出来事や出会いを通じて「生きる力」を学ぶ物語。予定通りにいかない人生の中で大切なものを見つけるきっかけとなる一冊。

色々なヒトとコトの出会いから「生きる力」を育んでいく。
今の教育には「本物の『出会いと原体験』」が必要なのではないでしょうか。



子どもに必要なのは、"信じてもらうこと"

この2つのエピソードで、私はしたことはシンプルでした。
「やってみたい」という気持ちを受け止める。
②できない理由を取り除くために、大人をつなぐ。
③計画を立て、本人たちの力でやれるようにサポートする(一緒に考える)。

それだけで、子どもたちは動き出す。

今の時代、情報は簡単に手に入り、行きたい場所にも行きやすくなりました。だからこそ、大人に求められるのは、子どもを信じ、背中を押すことなのではないでしょうか。
でも、現実にはこんな言葉が子どもたちを行ったり来たり、まだ飛び交っています。
「〇〇しないとダメになるよ」
「大学行かないと将来困るぞ」
「お前はこうだからダメなんだよ」

大人は子どもより先にたくさん経験してきたからこそ、子どもの未来が見えてしまいます。だから、「失敗しないようにこうしなさい」と言いたくなる気持ちも分かります。
でも、それって本当に子どものためなのでしょうか。
失敗を避けて、大人の言われた通りに生きることが、本当に幸せにつながるのでしょうか。
それは、大人が子どもが失敗しないことによって、安心したいだけではないでしょうか。
子どもはロボットでも、おもちゃでもありません。
大人がやるべきことは、「指示を出すこと」じゃなく、「学びのサポートすること」です。



「信じる」の真逆にある「期待する」

信じるとは、「うまくいってもいかなくてもこれから起こる結果をありのまま受け入れる覚悟である。」ということでしょうか。
たぶん、多くの大人は子どもに「期待」をしすぎています。「期待」は「自分が求めるような結果を相手に求めること」です。つまり、「信じる」と「期待する」は反対にある言葉なのです。子どもたちに子どもたちが望んでいない期待をすると、ガッカリしてイライラしてしまいます。むしろ、期待を手放し、信じることでお互いゆとりのある関係性を築くことができます。

「それは、あなたが今、親の立場でもなければ、教員でもない責任のない立場だからじゃないから言えるマウントじゃないですか?」

と言う声もうっすら聞こえます。

たしかにそうかもしれません。第三者として中間支援的な立場で私たちはサービス提供しているからこそキレイゴトが言えるのかもしれません。

覚悟を決まるために通信制高校のサポート校を始めます。

そう自分自身も頭によぎったので、私たちは通信制高校のサポート校を2025年4月から開校します。(これについては後日詳しくお話いたします。)

ただ、私たちは、すでに企業課題探究プログラムなどで企業側からお金をいただきながらサービス運営しているという意味では、学校の先生とあまり変わらないサービス提供に近いです。
保護者が企業に変わっただけです。企業側へのコミットを心がけています。
参画企業には、あらかじめ「信じることの重要性」をお伝えしています。信じることで生徒と企業の方は良好な関係を築き、気が付けば高校生が提案したアイデアで商品開発まで進んでいる企業もあります。
「信じる」からこそ生まれる関係性があって、信じることから始まると私は信じています。


最後に

ただ、こんなnoteを読む中で、「どうすればいいか分からない」と悩む先生や保護者もいると思う。
だからこそ、僕は学校向けの学習支援サービスや登校支援を始めようと思っています。児童養護施設での経験、不登校の生徒が沖縄に行った経験を通して、確信したことがあります。

どんな子どもでも、どんな親でも、どんな先生でも、
私たちは「子どもが変わる瞬間」をつくることができる。

今、「子どもたちにより良い環境を提供したい」と悩んでいる人がいたら、
ぜひ一度、僕たちに相談してほしいです。

私たちは、どんな可能性も諦めません。

中高生でも、先生でも、保護者でも、社会人でも、いつでもお気軽にご相談ください。
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最後まで読んでくれて、ありがとうございました。


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