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うみいろノートNo.11 ルーツ
このリレーマガジンに参加している六月雨音さんの記事を読んだ時から、ずっと同じテーマで書きたいと思っていた。
いつ書こうか、いつ書けばいいのかと悩んでいたが、今から思いきって書こうと思う。
ルーツ。
創作におけるルーツを誰しもが持っている。
そして、それはその人だけの世界観を花咲かせる種のようなもの。
進藤海として創作の世界に生きる自分のルーツは何なのか。
公言したことはほとんどないし、むしろ言うことに恥じらいすら感じるけど。
でも、自分に言い聞かせるためにも、今日ここに記そうと思う。
創作のルーツ。
それは「美しい物語を書きたい」ということ。
美しい物語。
いつだって、そんな物語に救われてきた。
「博士の愛した数式」「アルジャーノンに花束を」「きみに読む物語」「夜のピクニック」etc……
どれも、凹んだ時や挫けそうになった時に触れる世界。何度も読んでいるのに、結末は知っているのに、変わらない励ましをくれる。前を向くエネルギーを注入してくれる。
実は創作を始めた当初は、人間が抱える負の感情こそが創作なんだと思っていた。
その証拠に、文章を綴り始めた当時のノートを見返してみると、今書いているような作風とは全く違うものばかり。
誰もが一度は抱いたことがあるだろう、今は率先して言葉にはしたくない感情。
思えば、うまく言葉を紡げない状況を変えたくて、早く羽化したいさなぎのように、ひたすらそうした場所を彷徨っていたように思える。
誰もが抱える負の感情。それも人間であることは紛れもない事実だ。
その事実に目を背けることはしたくないし、少しずつでも向き合うことが大事なんだと今は思う。
そんな事実と同様に。
僕は強く、美しい感情を信じている。
人が人を想う気持ち。その力をいつまでも信じる。
美しい物語を書けるのなら、一生羽化できないさなぎのままでもいい。
今はここから見える世界を、懸命に書いていきたい。
そして。いつかまた書きたいことが変わったとしても。
今見える景色を目に焼きつけておくんだ。それが水となって種を育て、新しい花を咲かせてくれたら嬉しい。
もしかしたら、創作のルーツについて、いつ書こうか迷っていた、だなんて言い訳だったんだと気づく。
ただ、勇気が出なかっただけ。自分が作る物を信じてあげられてなかった。
そんな僕の背中をそっと押して、気持ちを軽やかにしてくれたのは。
隠すことなんかせず、ありのままの想いを綴ってくれたのは。
ありがとう。
さて。雨音さんの作品を読みながら寝ようかな。今夜はなんだか、とってもいい夢が見れるような気がするから。
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