幸せのカテゴリー
幸せって何だろう。
そんなことをいつも考えているわけではないけれど、ふとそう思うことがある。
人それぞれ、思い描く幸せは違うんだろう。
そして、幸せだと思っていたものが、大してそうでもないと気づくことだってあるだろう。
夢を叶えられたら人は幸せになれると思っていた時期があった。
一握りしか掴めない夢を叶えられたら。心から掴みたいと思える夢を叶えられたら。それはきっと幸せなことなんだろうと、そんな風に思っていた。
僕にとっての夢は「プロの作家になる」ことだった。
一時期、本気でそれを目指してたくさん物を書いていた。早くプロになりたい気持ちばかりが先立って焦っていたのかもしれない。
でも、あれやこれやと考えて寝不足気味な思考回路で作家になれるわけもない。それに、書けば書くほど、知れば知るほど、新人賞を受賞しプロになる難しさにも直面した。
今も夢を諦めたつもりはないけど、今すぐなれるものでもないと思えたことで、その目標を目指して走る速度は随分落ちている。
当時は本気になっていた気持ちをなだめるのが大変だった。
肩の力を抜いて生きていくことも悪くないと気づくまでは時間がかかったけど、今思えばその期間を乗り越えて新しい幸せに出会えて良かったと思う。
固執して力んでいた視野を広げてみると、幸せはそこら中に転がっていた。
日々接する仕事への情熱、家族や友人との何気ない時間、好きな小説や映画との向き合い方。その全てが欠けることなくあるから、僕は幸せを感じていられる。あの頃思い描いていた幸せとは違うけど、こうして幸せに生きている。
幸せって、夢を掴むだけでなくて、手放すことで得られることもある。
それが、僕の見つけた幸せのカテゴリーだ。
皆さんから大事な大事なサポートをいただけた日にゃ、夜通し踊り狂ってしまいます🕺(冗談です。大切に文筆業に活かしたいと思います)