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まだ諦めたくない

毎日生きることで精一杯な日々。世の中、そういう人が多いように思える。
かつて描いた夢はとても昔のことのように感じて、いつしか誰にも言えない秘密めいた風情すら漂わせている。

僕の夢は小説家になることだ。
最近抱いた夢だと思っていたが、そんな憧れを持ち始めて早7年が過ぎようとしている。

暇があれば空想を広げ、面白い物語とは何なのかを考えては文章を書き続けてきた。
最近ではインターネットを通じて作品を発表するのが習慣になっていた。文芸雑誌などで発表機会を持たないアマチュア作家にも、インターネットは不特定多数の読者の目に触れるチャンスをくれた。そして、温かい皆さんの応援に何度も励まされ、僕は未だに書き続けられている。
 
そんな風に小説の道を信じてきたが、その道を歩み続けても創作の基本や間違いを指摘してくれる人はいない。
といってみたが、無意識にそうした環境を避けていたのかもしれない。自らの世界に閉じこもり同じような方法で書き続けていくことに、いつしか疑問を感じ始めていた。
 
「これから何を書いていきたいのだろう」
最近ではそんなことばかり考えていた。そして、春の陽気が降り注ぐ中、僕は未知なる門を叩くことにした。
 
山村正夫記念小説講座。
わずか18歳で作家デビューし、あの江戸川乱歩にも近侍した山村正夫先生が開いた教室。逝去後はミステリ文学の重鎮である森村誠一先生が名誉塾長、角川書店元編集長の山口十八良先生が主任講師として教室を引き継いでいる。
同教室では『火車』や『模倣犯』など多くのヒット作を持つ宮部みゆきさんや、現在フジテレビで放送中のドラマ『元彼の遺言状』の原作者である新川帆立さんなど、文壇で活躍する多くの作家が学んだ経験を持つ。
 
錚々たる諸先輩たちが叩いた門。
講座はまだ始まったばかりだが、本気でプロを目指す同士たちとともに学ぶ環境は、今までにないほど自らを奮い立たせてくれる。と同時に、いかに自らの筆致が未熟で幼いものであるのかを感じ、今まさに高い壁にぶつかっている。
 
物語がフィクションの中だけでなく、現実すら変えてくれる力があるのなら。その力を発揮できる未来を信じて、自らの文章を相棒にして、これからも書き続けていきたい。
皆さんが読み続けたいと思える物語が結末を迎えるまで、そんな毎日を僕は生きていこうと思う。

この文章を読んでくれている貴方にも、きっと夢があるのだろう。もしくは夢を探している最中かもしれない。
直接その経緯を聞いてみたいが、どうにもできそうにない。ただ、僕は心から夢を求める貴方を応援している。
「諦めたくない」という気持ちさえあれば、僕等はどこまでも行けるはず。たとえ目指す先が違っていても、必死に夢に向かって打ち込む姿は美しいものだから。

皆さんから大事な大事なサポートをいただけた日にゃ、夜通し踊り狂ってしまいます🕺(冗談です。大切に文筆業に活かしたいと思います)