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徒然なる余白

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あてもなく書き始めた、他愛もないエッセイ集。
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#エッセイ

終末論の傍らで

終末論の傍らで

桜木町のカフェで相棒と話していると、近くのテーブルに座る男女の声が聞こえてきた。
 
「2025年問題って知っていますか? 来年に迫ったこの年、日本は国民の5人に1人が後期高齢者になり、世界に類を見ない超高齢化社会を迎えることで生じる諸問題のことです」
 
男性が威勢よく話し始めたが、提供が早いと評判なこの店である。そのタイミングで店員が二人にコーヒーを出しにきた。
女性は小さく頭を下げるも、男性

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飼い慣らされたハヌッセン

飼い慣らされたハヌッセン

物語を書く端くれとして、また純粋なイチ視聴者として面白そうなテレビドラマを探す習慣のある僕だが、この夏最も惹かれたのがTBSで放送されていた『笑うマトリョーシカ』だ。
 
原作は早見一真の同名小説。名門高校の同級生として出会い、その後将来を嘱望されるほどの政治家になった清家一郎と、彼の有能な秘書として傍に仕える鈴木俊哉の奇妙な関係を描く。原作では清家が主人公だが、ドラマでは鈴木周辺を取材していたジ

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箱庭を生きる僕たち

箱庭を生きる僕たち

たとえ大人になって変わり映えのない日々を過ごしていても、人は小さいながらに変化を続けている。
最近はそんな風に捉えている。相変わらず僕にとっては時間に追われるような毎日だけど、以前とは異なり、心身ともに前のめりで目の前の物事に集中できているからだろうか。
 
今年に入ってからは特に、周りにいてくれる人たちと前向きに付き合いができているような感覚がある。
やはり新しい出会いは大きい。30歳になって1

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海の声とノスタルジー

海の声とノスタルジー

時間は一方向しか進めないのに、僕たちはなぜ過ぎ去った日々を思い返してしまうのだろう。
この世界に前しか見ていない人なんて、果たしているのだろうか。
 
前も後ろも、右も左も、何もかもを目にしたくない時、僕は海へと足を運ぶ。
顔も知らない世間の声に惑うのではなく、何も考えずに、寄せては返す波の音だけに耳を傾ける。そうしているだけで、気づかぬ間にこびりついていた心の汚れは、ゆっくりだが着実に洗い流され

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自由を描く

自由を描く

時折、「自由とは何だろう?」と思い耽ることがある。

言葉とは、その意味通りに当てはめようとすればするほど、一向に答えが見つからないことがある。
そんな体験をしている最中は、不思議でたまらない。まるで、「考えたってわからないのだから、“不思議”という言葉があるんだよ」と、声なき声に諭されかのような感覚で。
 
自由の扱い方が未だわからず仕舞いの僕にとって、誰にも気を遣わずありのままでいられる場所。

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優しい人

優しい人

世の中で出会う人たちを、一概に敵とみなして生きてきた。
そんな時期が確かにあった。もしかしたら、今もその呪縛から解き放たれず、そんな暗闇の真っ只中を走っているのかもしれない。
 
それでも、一縷の光が差し込むように、優しい人と巡り合う瞬間は、頑なになった心を解きほぐすようなひと時になる。
人生、捨てたもんじゃない。この時ほど、この言葉が相応しい場面はないのではないかと思うほど。

 
“優しさ”な

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散り際なんて誰も知らない

散り際なんて誰も知らない

瞬く間に時代は変わっていく。
僕たちはその中を流れるように、なぞるように日々を暮らしていく。
 
この不確かな世の中で、誰もが確かな存在を求めている。
人によってその形は違うのだろうけど、通りすがりの駅前で汗をかきながら歌う若者を見て、ふとそんなことを思った。
 
人との関係、今就いている会社や仕事の行く末、当たり前にある日常。
そこに確かなものなど何一つ存在しないのではないかと思う。いつ何が起こ

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暮らしのタイムラプス

暮らしのタイムラプス

終電間際の空いた電車が好きだ。電車を降り、心なしか通勤風景よりもゆったりと歩いて家路に就く、その歩幅も。
 
さっきまで業務でパソコンとにらめっこを続けていたからか、スマホを含む電子機器に触れようとする気はさらさら起きない。
辺りを見渡すと、乗客一人ひとりが思い思いの時を過ごしている。疲れのせいか熟睡している仕事帰りの若者。肩を寄せ合って仲睦まじく小声で談笑する男女。単語帳を熱心に読み込む将来が楽

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諦点観測の毎日も、きっと悪くない。

諦点観測の毎日も、きっと悪くない。

「諦めが悪い」の対義語として、「諦めがよくなった」という物の言い方は存在するのだろうか。
もしくは「往生際が悪い」の対極として、「去り際が美しい」。もしそのような相反関係が成り立つとしたら、僕の近況は実に諦めがよくなったし、手前味噌ではあるが去り際も美しい方なのかもしれない。
 
最近、「諦める」という言葉が頭の中をぐるぐる回っている。
以前校正を勉強していたこともあり、私室の机上にちょうど広辞苑

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浮遊する人生

浮遊する人生

今、これを書いているのが2023年12月上旬の金曜日。深夜26時である。
 
昔は心に秘めていた想いを発作的に「書きたい!」と思った時に書くスタイルだった。
できることならば、生活に関するありとあらゆることを差し置いて、ずっと文章を書いていたいと物を書き始めた当初から思っている。しかし、そんなことが許されるはずもなく、毎週投稿を始めてからは週に一度(または2週に一度)、意識的にパソコンへ向かい書く

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