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「普通じゃない」と告げられた日のこと

もう10年以上前の話ですが、息子の保育園での個人面談の日、担当保育士さんに「普通じゃない」「専門機関に相談した方がいい」と告げられ、正直に言うと、ハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けました。

「普通じゃない」と告げられてしまった

当時は「普通じゃない」という言葉に傷ついてしまったのですが、今になって冷静に振り返ると、おっしゃりたかったことの意図はよく分かります。

息子はまだ2歳でしたが、保育園での集団生活の中で、すでに定型発達の子に比べると、自閉傾向が疑われるような気になる行動が特に目立っていたようで、早い段階でなんらかのサポート(療育など)を受けた方が良いと予測されてのアドバイスでした。

仮にも当時私は、保育士として療育関係の仕事をしていて、療育活動や子どもの発達については勉強している方だったと思います。

そんなお母さんなら、わかってもらえるだろうと思われたのかもしれません。

ところが「普通じゃない」と告げられたことへのショックが大きく、わが子のこととなると、受け入れるまで時間がかかりました。

“普通”という価値観が私を苦しめた

普通じゃないってどういうこと?"普通"って何?
普通じゃないとみんなと同じように生活できないの?

"普通"という言葉の呪縛に取り憑かれ、そんなワードチョイスをした担当保育士さんを恨み、発達障害を受け入れられなかったばかりか、

「みんなちがってみんないい」なんて言いながらわが子は普通であってほしいと思ってしまう自分を責め、母親としても保育士としても自信をなくしてしまうほど落ち込んでしまいました。

情けないことに毎日を泣きながら過ごし、普通であってほしいなんて私のエゴだということに気づかされるのも、それから随分あとになってからのことです。

特性を受け入れたことで気持ちが楽になった

きっかけはどうあれ結果的には、早い段階で療育を始められたことで、息子の成長にとって必要なサポートをたくさんいただくことができました。

また、早期に発達外来や療育センターに通い出したことで、心配なことを専門家に相談できたり、同じような迷いをもった親御さんと悩みを共有でき、私にとっても考えを改める良い機会となりました。

その後は親子共々成長させてもらうことになりますが、このような経験から、

子育てに不安を感じたり立ち止まったりしてしまっているママに、私ならどのような言葉かけができるだろうか。子どもにはどう寄り添えるだろうか。

そんなことをあれこれ考える日々です。

とはいえ、私自身の子育てもまだまだ道半ばでいまだに悩んだり迷ったりしながら、それでも、息子が確実に成長していっている姿に支えられ過ごしています。

紆余曲折しながらの子育て、こうして時折振り返りながら、今に活かしていきたいと思います。

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