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夢の本棚13〜浅倉秋成〜俺ではない炎上
ある日、女子大生殺害事件の犯人に仕立てあげられた山懸泰介。
ネットで,顔や実名を曝け出され炎上しているという。
会社や友人や家族にも知られ、日本中に拡散される中、警察も動き出した。
泰介は逃亡し続けながら、事件の真相に立ち向かう。
伏線の狙撃手が描くノンストップサスペンス。
(談)
先日読破した6人の嘘つきな大学生に続き、浅倉秋成の2冊目の読了。
こちらは前作の青春ミステリーと違い、ジェットコースター・ミステリー。
主人公の営業部長、泰介が素性をネットに晒されての逃亡劇であります。
そういえば今、兵庫県知事の斉藤氏が再当選して話題になってます。
ネット上での応援が、当選の決め手になったとか。
まあ実際のところははっきりしませんが、少なくともSNSでの炎上とかいろんなところで起きてるのは事実ですね。
この作品はその炎上の内幕を描いたなりすましのミステリーです。
見事に騙されます。
ネタバレになるので詳しくいえませんが、叙述トリックが使われてます。
叙述トリックとは、作者が読者に仕掛けるトリックです。
有名どころではアガサ・クリスティーのアクロイド殺しがよく知られてます。
日本でも綾辻行人の十角館の殺人、道尾秀介の向日葵の咲かない夏、歌野晶午の葉桜の季節に君を想うということなど、たくさんの作品が書かれてます。
ここではその叙述トリックが二重三重に仕掛けられてるんですね。
そこが浅倉さんの凄いところだと思います。
これからもどんな面白い作品を書いてくれるのか、大変楽しみにしております。